インテリアCADスペシャリスト対談
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スペシャリスト対談
松本貴彦 × 片桐麻衣子
お客さまが求めているものは、図面ではなく、イメージそのもの
松本:

片桐先生は、一戸建ての家の設計や、リフォームのインテリアコーディネートなど、東京と岐阜を中心に様々な地域でお仕事されているそうですね。お客さまの依頼は、地域ごとに違うと思うのですが。

片桐:

そうなんです。特に、岐阜は生まれたところなので、どういう暮らしをしているかというのはわかりやすいんですよ。設計に関わってくるような、ご家族の規模や、風習なども。東京だと、やはり家族の人数が少なく、マンションであることが多い。でも、このことはあくまで傾向です。地域に関わらず、ご家族の数だけ要望、テーマがあります。1件1件、全く生活スタイルが違う方を、お相手しているという感じですね。

松本:

設計や工事に入る前に、かなりの話し合いをされると思うんですが。

片桐:

そうですね。工事に入る前、確固とした方向を決定しなければいけません。まず、物件を見せていただき、「こんな感じにしたい」というのを、ざっくりお伺いします。趣味とか、お休みはどう過ごすかとかも踏まえて。その後プランをお出しし何度もすり合せし、お客さまと合意できるまで詰めていきます。合意できれば話は早いですね。すり合せに時間がかかるお客さまでも合意できれば最終的に喜んでもらえる仕事ができます。

松本:

そうなると、お客さまとは長い時間いたりするんですよね。

片桐:

長時間お邪魔しています。だいたいお客さまのお休みの日に打ち合わせに行くので、半日くらいを一緒に過ごします。お昼を食べながらとか、飲みながらとか。そうやって話をしていくと、細かいことがいろいろと聞きだせる。そうしたお付き合いをしてどんな感じに暮らしたいかというのを探っていきます。あらかじめ、要望を固めて言葉で表現できる方は少ないですからね。要望をまとめてプレゼンテーションボードでヴィジュアル化すると、「あっ、これなのよ」と理解していただける。図面を見ていただいても、お客さまには伝わりませんからね。いろんな角度からの平面図が入り組んでできたヴィジュアルってなかなか想像しにくい。

松本:

そこを3次元で立ち上げてあげると一発でわかってもらえる。要するにお客さまが求めているものは、しっかり描き込んだ図面ではなくて、頭に浮かぶもののイメージなんですよね。

片桐:

しかもCGだと、我々も「これはちょっと変だね」とか、修正に気付きやすい。家具などが収まらないのに気づくことは結構ありますね。

松本:

片桐先生も、デジタルパースは早くから導入されているようですね。

片桐:

ええ、自分で仕上げる時と、外注するときとありますが。デジタルは本当に効率がいいし、見栄えもいい。CGでパースを描いていると、なんとなく頭の中にあったものがきちっと計算されてでてくるのは便利だと思います。そうした誤差はなんとなく認識していても、やっぱり詰めが甘いとそういうことは起こるので。また、コンペなどで競合がいる場合も、目を引くヴィジュアルのプレゼンボードが選ばれる。その際には、もちろん3DCGは必須ですが、私の場合は、一歩抜きん出るためにデジタル技術と、アナログの技術を駆使して提出するようにしています。リアリティで見てほしい箇所は3DCG、熱意を伝えたい箇所は手描きのイラストと、分けて表現しているんですよ。

松本:

きれいに手で線が描けるかどうかもポイントですよね。ある程度手描きができると、CGを学ぶ時に理解度も高くなると思いますね。

コンペの勝敗は、大抵3DCGデザインにかかっている
片桐:

松本先生はCGデザインをする際に、直接エンドユーザーのから話を聞いたりしますか。

松本:

どちらかというとインテリアコーディネーターや空間デザイナーから情報を聞き出していくことが多いです。最近やっているのは商空間が多いので、エンドユーザーというより、オーナーの方の情報を教えてもらうんですよ。他にどんなお店をやっていて、どういう感じが好きなのかというように。私は直接そのオーナーには会いませんが、私が作ったCGは、結局オーナーにお見せするものですので。できるだけその方の、好きなイメージを聞いて味付けをしていきます。

片桐:

オーナーの好みかどうかは、結構重要ですよね。

松本:

そうなんです。特に、コンペがある場合は、このコンペを通らなかったら仕事が発生しない状況になります。ですから、インテリアコーディネーターや空間デザイナーも必死なので、予算を上げてでも、いいものを作ろうとするんです。プレゼンボード、つまりCGを見て決められてしまうことが、今多いですから。

片桐:

CGの出来にかかりますよね。CGのインパクトが強いから、コンセプトは二の次になってしまいそうなくらいですよね。

松本:

このようにコンペが絡むことが多い商空間ですが、住空間とはプレゼンのノウハウも全く違ってきますよね。

片桐:

商空間の場合は、住空間と違って、その場所でモノを買ったり、サービスを受ける人のことを考えますからね。収益に結びつかないと、デザインの意味がないと判断されるシビアな世界。動線の考え方とかも違えば、テーマの捉え方も違う。例えば、店舗で癒し系を表現しても、最終的に収益が絡んでくる商空間と、収益とは関係のない住空間の癒しとでは違ってきますよね。

松本:

本当の意味でくつろぐ空間と、出かけていく空間との違いは、確かにありますね。

日頃の洞察力、好奇心が表現のセンスを磨いていく要素
片桐:

松本先生はCG表現で、特にこの作業が面白いとか、こだわっていることはどんなところですか。

松本:

基本的には住空間も商空間も照明表現にはこだわりますね。特に、商空間は当たり前に照明デザインが絡んでくるので。あと、商空間に合わせたプロダクトデザインの作業が好きです。空間デザインを意識しながら雑貨のデザインをするんですよ。どういう空間に、どういうシチュエーションで使われるかなどのシナリオを明確にしてから形にします。ぱっと閃きで形をつくることはできますが、裏づけを考えておかないと、コンセプトが薄弱なデザインになってしまいます。このことは空間においても同じだと思います。ターゲットとしてどんな人が訪れて、どんな服装をしているとか。コンセプトをもとに基本的な設計やデザインを考えるのは、インテリアコーディネーターや空間デザイナーの役割ですが、さらにイメージを膨らまして、CG表現の段階で照明や、雑貨デザインなどで空気感を出していくようにしています。

片桐:

そうですね。デザインそのものを0(ゼロ)から行わないとしても、そのパースを描いていただけるCGデザイナーのセンスって、色々な意味ですごく出ると思います。我々が、実際に伝えきれていないところまで察知して仕上げてくれると、「頼んで正解!」と思うし。画角一つをとっても、こだわりを持ってかっこよく見せられる人と、イマイチな人といますからね。

松本:

そうですね。そうしたこだわりこそが、CGデザインでは重要だと思います。そしてそのこだわりを形にできるセンスと技術をCGデザイナーは常に磨いておく必要がある。

片桐:

技術が進化する分、CGにもいろいろな可能性が見えてくると思うのですが。

松本:

最近はCGの仕事の範囲にも、広がりがありますよ。今、家具メーカーのカタログの仕事をしているんです。実際にスタジオで撮影されたものをCGで合成するという仕事。一度、撮影した商品が部分的にリニューアルされると、撮影のし直しが必要になる。その際に、またスタジオや、カメラマンを手配して、カタログ1冊分の撮影を行っていると大変。CGでささっと修正してしまった方がコスト削減になるのです。

片桐:

もう写真とCGと、見分けがつかない。写真業界のライバルですよね(笑)。

松本:

そう言ってもらえることが、CGデザイナーの一番の褒め言葉です(笑)。もちろん、写真で撮るべきものもあると思いますが。以前、住宅や、ショップなどの撮影を専門にやっているカメラマンに勉強をさせてもらったことがあるんですよ。照明や、画角、レンズ、その他諸々。写真で学べることって本当にいろいろありますよ。CGを仕上げる際は、写真を撮るときと同じ感覚になります。

片桐:

空間を切り取って、一枚の絵にしていく感覚がつくと、確かに1つ1つの見せ方のディテールがわかってきますよね。

松本:

そうなんです。だから、CGを学ぶ方に伝えたいと思うのは、常にファインダーを覗くように、身の回りのいろいろなことに気を使ったり、興味を持ったりして欲しいということ。ものを置く際に、そこにあるのが一番適切か?向きは?角度は?そうした細かいところに気づけるかどうかが、仕事のセンスに繋がる。ヒアリングする段階でも、片桐先生が言われたように、お客さまから話を聞いて、それを鵜のみにするのではなくて、「もっと、無意識に抱えている要望はないかな」とか、まず自分で考えてから提案するような。

片桐:

仕事の可能性って、そういうところから広がっていきますよね。空間デザイナーにしても、それこそアリンコから、空を飛んでいる飛行機、政治、社会情勢など、様々な引き出しを持つことが、結果的に自分を助ける要素になるでしょう。いろんな人と話さなくてはいけない仕事なので、どうしても広く浅くになってしまいますけど。「インテリアをやっているからインテリアに詳しい」というのは当たり前のことで、それ以外のことでどれだけお客さまと話せるかどうかも重要だと思いますね。

松本 貴彦
松本 貴彦Takahiko Matsumoto
3DCGデザイナー/インテリアデザイナー
リカレントインテリアCAD講座 講師

インテリアデザイン、プロダクトデザインを始め、建築・室内パースや3DCGモデリングを手掛ける。リカレントでは、インテリアCAD講座講師として、受講生一人ひとりに行き届く指導の細やかさは、インテリア未経験者には心強い。

片桐 麻衣子
片桐 麻衣子Maiko Katagiri
空間デザイナー/建築家
リカレントインテリアCAD講座 講師

住宅設計や、リフォーム、インテリアコーディネート、オフィスデザインなど幅広く手掛ける。「ポーズ中 建築デザイン事務所」主宰。2004年テレビチャンピオンリフォーム対決では第2位に輝く。リカレントでもインテリアCAD講座講師を担当。

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