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MENTAL HEALTH - 2019.02.22

カウンセラーが知っておきたい知識「大人の発達障害」とは?

 

大人の発達障害とは?

“発達障害”と聞いて、カウンセラーやカウンセラーを目指す皆さんはどのようなイメージをされますか。

じっとしていることができず落ち着きがない、学校の授業に集中できないといった子どもの姿を想像する人も多いかもしれません。

これまで「ちょっと変わっている」、「個性的」といった言葉でとらえられていた子どもや学生が、社会に出てから周囲との人間関係に違和感を感じたり、生きづらさを感じたり、仕事につまずくといったことなどから、専門医の診察や検査を受けて、初めて“発達障害”であるとわかるケースが増えてきています。“発達障害”は子どもだけの問題ではないと、今ではかなり周知されるようになりました。また、カウンセリングやキャリアコンサルティングの現場でも発達障害を持つ方からの相談が、増えてきているそうです。

ここでは、カウンセラーやコンサルタントが知っておきたい知識である「大人の発達障害」の特徴について解説していきたいと思います。

「発達障害」とは何か?

“発達障害”とは、先天的に脳機能の発達がアンバランスで、得意なこと、不得意なことにばらつきがあるのも特徴のひとつです。

文部科学省の定義によると、 “発達障害”は大きく分けて以下の3つに分類されています。

1.自閉症スペクトラム(ASD)/アスペルガー症候群

他人とのコミュニケーション形成が困難である。

興味や関心が狭く、特定のものに強いこだわりを持つ。

2.注意欠陥・多動性障害(ADHD

注意力が欠如している。

落ち着きがなく、多動性や衝動性を特徴とする。

3.学習障害(LD

知的発達に遅れはないが、聞く・話す・読む・書く・計算する・推論する能力のうち特定のものの習得に困難を示す。

いずれの症状も、中枢神経系に何らかの機能不全があるとされています。

発達障害の原因

では、なぜ発達障害になるのでしょうか。その原因については、現在でも完全には解明されていません。しかし、研究が進んだことにより、

・MMRワクチンの接種による障害

・親の育て方が悪いために起こる(しつけ不足や愛情不足など)

という考えは間違った説であるということがわかっています。

最近ではDNAレベルでの研究が進み、発達障害は「遺伝」や「環境」によって何らかの影響が起こるものという見方が強くなってきました。

遺伝子が近いほど発症の一致率が高いことから推測される「遺伝的要因」と、親の年齢・出産時の合併症といった「環境要因」。この二つの要因が重なったり、複雑に絡み合うことで脳機能の障害が発現し、発達障害となる可能性が高まると推測されています。

発達障害は「先天的な特性」といえるかもしれません。

発達障害は100人に数人の割合で発症するといわれています。

大人になって気づく「発達障害」

発達障害は子どものころに発見されるケースが多いですが、本人も親や周囲もわからないまま、大人になることも少なくありません。統合失調症やうつ病などに比べ、研究がこれからということもあり、発達障害が先天性であると分かってきたのは、最近のことです。

むしろ「親のしつけが悪い」という間違った説が広まっていたために、子どもの異変に気づいても「自分が責められるのではないか?」「自分が悪いせいだ」と思いこみ、誰にも相談できず抱えこんでしまうというケースが非常に多かったのです。

さらに、発達障害といってもADHDや自閉症スペクトラム、アスペルガー症候群など、知的障害を伴わない症状もあります。

平均的なIQ数値よりも高く、学校の成績が優秀な生徒も珍しくないため、学生時代においては、それほど支障を感じることはありません。

反対にLDのように、読み・書き・計算が苦手な場合は、周囲からは単なる「勉強が苦手な生徒」と思われがちです。

その結果、親も本人も発達障害であるという意識がないまま大人になり、社会に出た時に初めて「自分は他の人とどこか違う気がする」「多くの人ができることが苦手」といった悩みを感じるようになるのです。

子どものころに発見されていれば早期から適切な支援を受けることができますが、大人の発達障害者に対する支援やサービスは、まだまだ十分でないのが現状です。

 

職場における大人の発達障害

発達障害であるという自覚のないまま社会へ出ると、どういうことが起こりやすいのでしょうか。発達障害についてあらかじめ知っておけば、支援や配慮がしやすいケースもあります。

それでは発達障害を持つ方が苦手とすることや特徴的なこと、また職場では本人や周囲がどのようなことに困りがちなのか、例をあげて解説をしていきます。

自閉症スペクトラム(ASD)/アスペルガー症候群の場合

『コミュニケーションが苦手』

相手の言葉を正しく理解したり、言葉の裏にある意図を読み解くことができず、表情やしぐさから“相手の気持ちを読む”ことが苦手です。これにより、上司からの業務の指示を誤って理解・解釈してしまうなどの問題が起こりがちです。また、自分の思いをわかりやすく伝えることも苦手で、報告や相談をする際に、話がわかりづらい、相手と話が噛み合わないなどの支障が出ることがあります。

『突発的な対応が苦手』

突発的な出来事や変化への対処が苦手で、自分の納得した方法以外を、受け入れにくい傾向があるので、指示通りの作業を求められた場合でも、1つ気になることがあると、なかなか先へ進むことができません。これにより、作業の効率が落ちたり、作業自体を完了できないなどに発展することがあります。

『チームの作業よりも一人の作業が得意』

多人数のグループの中で、うまく他のメンバーと関わることができない方も多いため、チームで作業をする場合に、問題が起こりやすくなる傾向もあります。例えば、自分のペースを相手に押しつけてしまうなど、周囲に合わせた行動をとることがなかなかできない方もいます。一方で、一人でルーティン作業をこなすのは得意な方が多いようです。

注意欠陥・多動性障害(ADHD

『気が散りやすく、興味がある一つのことに集中してしまいがち』

意識して集中しようとしても、つい気が散ってしまい、やるべき仕事に集中できないことがあります。あるいは1つの作業にばかり過度に集中してしまう場合もあります。

複数の作業を同時に進めることが苦手な傾向があり、段取りよく作業することができないこともあります。これにより、時間を守りずらかったり、作業が中途半端になる場合があります。

『気分や感情に左右されやすい』

その時の気分や感情に左右されやすい傾向があります。そのため、思いつきで行動してしまったり、自分の感情に気をとられるあまり、相手の気持ちを深く考えずに思ったことを口に出してしまう場合もあります。

『スケジュール管理や整理整頓が苦手』

誰にでもあるケアレスミスですが、その回数が多かったり、持ち物を置いた場所を忘れてしまう回数が多い傾向もあります。

大切なアポを忘れてしまうことで、仕事に支障が出てしまうことも。また生活面でも、片付けが苦手だったり、提出期限を忘れてしまうことも珍しくはありません。

学習障害(LD

『マニュアルを読んで理解することが苦手』

文章を読むことが苦手なため、仕事のマニュアルや業務文書、連絡事項などを読解することに時間がかかります。そのため、仕事をするうえで知っておくべきことが、なかなか頭に入っていかないこともあります。

『メモをとることが苦手』

文字を書くことが苦手な場合、業務指示や新しい仕事内容について、メモをとることがなかなか進まない場合があります。漢字を書くのが苦手、文字を書くスピードが遅いなど、仕事の効率に支障をきたすこともあります。

『理解するまでに時間がかかる』

その場で言われた指示や注意を一度で理解することが苦手な傾向があるため、新しい業務を覚えることに支障が出てしまう場合があります。また、指示された内容がどういう意味なのか、理解するまでに時間がかかる場合もあります。

『物事を整理して伝えることが苦手』

何か聞かれた場合、上手くまとめて説明することが苦手な方もいます。伝えたいポイントがうまく伝えられないことも多いようです。

『数字に関する業務でつまずきやすい』

数字の入力や計算が苦手で時間がかかることもあります。また、スケジュール管理が苦手で、納期までに完成させるためにはどのくらいの作業時間が必要かなどを逆算したり、見積もりをたてる業務も苦手な部類に入る方が多いようです。

サポートなどについて

現在のところ、発達障害を完治することは難しいといわれています。しかし、専門家によるカウンセリングや周囲のサポート、薬の服用などで症状を和らげることは可能です。

得意不得意が明確なケースが多いため、職場ではその特性を活かした業務や環境に配置するのも良い方法です。また、専門医の診断で障害者手帳を取得できれば「障害者枠」として職場に受け入れることも可能です。

このページでは、カウンセラーやカウンセラーを目指す方が知っておきたい知識である「大人の発達障害」をテーマに解説しました。社会に出て初めて発達障害とわかるケースも珍しくはありません。その特性を理解した上で、適性に合わせた仕事や環境、サポート体制をつくっていくことも大切です。

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