キャリアコンサルタント大辞典 Career Consultant Dictionary

キャリアコンサルタントに関する
役立つ情報を掲載

キャリア - 2023.06.22公開

モチベーションが高まる エンダウド・プログレス効果とは

目標達成には持続力とモチベーションの維持が重要になってきます。この記事では、モチベーション向上が期待できる『エンダウド・プログレス効果』について解説をしていきます。

いつも目標を達成できずに挫折をしてしまう、キャリアアップのために勉強をしているけれど思うように進まないなど、モチベーションの維持が難しいと感じている方は是非参考にしてください。

エンダウド・プログレス効果とは

エンダウド・プログレス効果
『エンダウド・プログレス効果』とは、目標を達成することが次の行動につながる効果で、モチベーションの維持や向上に重要だとされています。

エンダウド・プログレス効果の例として

  1. スタンプカード

  2. 渋滞する高速道路

  3. 勉強

の3つを見ていきましょう。

1.スタンプカード

『エンダウド・プログレス効果』の例で、最も多く取り上げられるのがスタンプカードです。

スタンプカードを作ると、既にスタンプが1つ押されていることが多いのではないでしょうか。これは、スタンプを集めるという目標に向かって既に進んでいるという『エンダウド・プログレス効果』です。また、目標達成までの道のりやゴールが見えてるという点も、モチベーション維持に繋がっています。

現在では、スマートフォンアプリなどで目標の歩数を達成し、スタンプが全てたまるとドリンクが1本無料になるサービスなどもあり、『エンダウド・プログレス効果』の利用は身近な生活の中にあると言えるでしょう。

2.渋滞する高速道路

大型連休や夏季休暇、年末年始になると渋滞や混雑状況がニュースになります。しかしなぜ、長時間の遅延が予想される中を出掛けるのでしょうか。

それは高速道路が渋滞していても「いつか目的地に着く」「目的地で楽しむ」というゴールが見えていることが大きな理由として挙げられます。

やっとパーキングエリアだ、もうすぐ県境だぞ、あと少しで高速を降りる、よし!一般道は空いているぞというように、渋滞の中でも小さな達成感を得ることで、ゴールに近づいている実感があるとモチベーションの維持につながります。

3.勉強

キャリアプランに必要な資格の勉強や、それぞれのタイミングでの学び直しなど、勉強をする社会人は増加傾向にあります。

社会人にとって勉強時間は限られていることが多いため、試験日までは1日2時間は必ず勉強をするぞというように、目標を大きく設定してしまうことも少なくありません。2時間勉強ができなければその日の目標は未達成となり、目標に向けて前進しているとは感じることができません。しかし、参考書を開くという小さな目標であればどうでしょうか。

参考書を開いたというだけでも目標達成ですが、せっかく開いたからと少し勉強をすることで、前進していると感じることができます。

最大限に『エンダウド・プログレス効果』を得るには

では、『エンダウド・プログレス効果』を十分に得るための有効な方法はどういったものなのでしょうか。
 

  • ・先延ばし癖を克服する

  • ・スモールステップ

  • ・見える化

それでは順番に見ていきましょう。

厄介な先延ばし癖を克服する

やろうやろうと思って結局やらずに終わる。やりだすと時間がかかるから一旦落ち着いてからにしよう。

このように、物事を進めようという気持ちがありながらも、なかなか取り掛かれないという状態は誰しもが経験することです。

『エンダウド・プログレス効果』を十分に得るためには、なによりもまず始めてみる、進めてみることが重要になってきます。やらないままの状態は目標に向かって進んでいないということですので、先延ばし癖は最大の敵と言ってもよいでしょう。

やれるだけやってみる

先延ばし癖を改善するには完璧にやろうとせず、まずはやってみる、やれるだけやってみる、やってみたらなんとかなる、というような気持ちを持つことです。

しかし無計画にはじめるのではなく、立てた目標をさらに細かく分けることで『エンダウド・プログレス効果』を得ることができます。

目標達成のコツは「スモールステップ」

『エンダウド・プログレス効果』は目標を達成することで次の行動につながる効果ですが、大きくぼんやりとした目標で始めた場合は、挫折をすることが多くなります。

ゴールを設定することの重要性

何分の電車に乗る、資料を午前中までに仕上げるなど、社会人として働く上で『期日までに終わらせる』という課題は毎日のように訪れます。そのため、忙しい日々の中ではゴールが見えないと感じることもあるでしょう。

『エンダウド・プログレス効果』を十分に得るには、ゴールの見える細かい目標設定が重要になってきます。モチベーション向上に必要なのは、達成感や進んでいるという実感なのです。

食パンは何枚切り?

例えばパン屋さんで食パンを買うと、「何枚に切りますか」と聞かれることがあります。どのような状態でも食パンであることには変わりはありませんが、もしもサンドイッチを作るとなると、カットをしていない一斤では完成までのハードルが高いと感じるでしょう。

この時、目標達成までの道のりを逆算するとゴールが見えてくるため、食パンは12枚切りで、パンの耳も取ってもらおうという小さな目標を達成することができます。

『エンダウド・プログレス効果』と相性がよい、見える化

最後に、『エンダウド・プログレス効果』をビジネスシーンや生活の中に取り入れる際に活用したい『見える化』について解説していきます。

進捗状況を見える化

脳活動をMRI装置で測定した結果、タブレット群やスマホ群と比較して、手帳群の方が、記憶の想起に対する脳活動が確かに高くなったのです。言語に関係する脳の領域や、記憶処理に関係する「海馬」に加えて、視覚を司る領域でも活動の上昇が観察されました。このことから、記銘時に紙の手帳を使うことで言語化や視覚的イメージの機能が促進され、電子機器を用いた場合よりも一層豊富で深い記憶の情報が得られることがわかります。

引用:東京大学教養学部報  |  紙のノートの脳科学的効用

東京大学教授であり脳生理学者である酒井邦嘉氏の研究によると、電子機器よりも紙の手帳を使うことで脳活動が高くなったとあります。

目標達成に向けて目標を細分化し、さらに進捗状況を書くことによって進んでいるという実感を持つことで、モチベーションが向上することが期待できます。

また、1日、1週間、1ヵ月単位で進捗状況も併せた振り返りを行うことも非常に有効です。

内省や振り返りを意味するリフレクションについては、こちらの記事で詳しく解説をしています。

「リフレクション」をサクっと解説! 進め方やポイントとは?

 

まとめ

この記事では、目標達成が次の行動につながる『エンダウド・プログレス効果』について解説をしました。

『エンダウド・プログレス効果』によってモチベーションの維持や向上が期待できるため、様々なシーンで活用することができます。

Q&A

エンダウド・プログレス効果とは?
『エンダウド・プログレス効果』とは、目標を達成することが次の行動につながる効果です。
エンダウド・プログレス効果の具体的なメリットは?
目標に向けて前に進んでいると感じることで、モチベーション向上が期待できます。
エンダウド・プログレス効果を得るには?
大きな目標ではなく、目標を細分化しスモールステップを意識するとよいでしょう。
エンダウド・プログレス効果の代表的な例は?
エンダウド・プログレス効果の代表的な例には、スタンプカードが挙げられます。既にスタンプが1つ押されていることによって、目標に近づいていると感じます。

Information

初心者から短期間で
カウンセラーやキャリアコンサルタントになるには

リカレントでは、日本を代表するキャリアカウンセリングスクール「リカレントキャリアデザインスクール」を運営しています。

「国家資格キャリアコンサルタント」を取得したい方や、初心者からキャリアカウンセラー、キャリアコンサルタントとして、キャリア支援を行ってみたい方は、ぜひ下の青いボタンからパンフレットをご請求ください。

パンフレットは2,3日中にお手元に無料でお届けします。 パンフレットは2,3日中にお手元に無料でお届けします。
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

RECOMMENDおすすめ記事

FEATURE特集

人気講師の対談や専門知識など、
役立つ情報が満載!

MoreView
↑