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COUNSELOR - 2021.08.17

精神科医Dr.KSの診察室⑫「カウンセリングQ&A 第2回」

この記事を書いた方のご紹介

Dr.KS

精神科医/日本医師会産業医/臨床心理士/法政大学産業医・学生相談室学校医/渋谷もりやクリニック/神奈川大学人間科学部特任准教授

精神分析学派のもと、卓越した理論とサイコセラピー技術を融合させた独自の臨床観と高度な専門性を持つ。産業から医療、教育と多領域で活躍。精神科医であり臨床心理士、特任准教授として大学で教鞭もとるマルチなドクター。大手ファーストフード、輸入バッグ企業ほか6社もの産業医を務める。

精神科医Dr.KSの診察室⑫
「カウンセリングQ&A 第2回」

前回に続き、カウンセラーを目指す方々からよくある疑問や質問にお答えしてみたいと思います。皆さんも何か聞いてみたいことがあれば、ぜひお尋ねください。

Q1.

相談をしに来ている人は自分の中に何らかの答えを持って来ているとよく言われます。
カウンセリングで、その考えを自然と引き出すにはどうすればいいのですか?

A.

その人の話を、まず肯定することでしょう。
「うん」「なるほど」と頷くこと。「ほうほう」と感心してみせること。あとは上手に質問することでしょうね。
上手な質問とは、相手が答えやすいような内容や、話したい話を先取りするように、質問という形で相手への関心を示すことです。相談者と一緒のタイミングで、笑えることも大事ですね。
反対に「それはそうでしょ」「ああ、よくあるね」「ふーん」という反応では、相手の話したいというドライブを減速させてしまいそうですね。

そうそう、恋愛などでも、最初のうちは話し上手な人が好感を持たれるかもしれませんが、長く関係を続けていくとしたら、聴き上手な相手の方が、一緒にいて断然安心できるのではないでしょうか。
聴き上手って、相手をリスペクトしているってことですものね。

Q2.

カウンセリングで自分が次にどのような言葉をかければいいのかと迷い、相手の話をしっかりと聴けていないかもしれないと思うことがあります。
カウンセラーはどのようなことを意識して会話をすればよいのでしょうか?

A.

「自分が次にどのような言葉をかければいいか迷い、相手の話をしっかりと聴けていないとき」は、実は私にもあります。同じです。大事なのは言葉がけではなく「傾聴である」と意識することなのでしょうけれど、いつでもそうはいきませんよね。わかります。

「ごめんなさい、大事なところ聴き逃したかもしれないから、もう一回お話ししてくれますか?」と素直にお願いする。少しだけごまかしてもいいかなと思うなら、「たくさんお話ししてくれたけど、一番言いたかったところはどの部分かな?」ともう一度聞くチャンスを作るとか。
いやいや、「あなたにかける言葉を考えていて、聴けなかったところがあった、ごめんなさい、もう一度話してほしい、今度はしっかり聴きますから」。これが、誠実性な姿勢ですね。どうでしょうか。

聴き落としたことを謝っており、かつその理由もあなたのことで頭が占拠されたため、という理由も伝えているので、しっかり向きあってもらえている感じがちゃんと伝わるのではないでしょうか。
なので、カウンセラーはどんなことを意識するべきかというと、自分が気の効いた格好のいい台詞を言うことを意識するのではなく、
相手が今必要な欲しいであろう言葉を考えていて、期せずして聴き逃してしまうことは許容されうる、ということでしょうか。

Q3.

クライアント(相談者)に継続的にカウンセリングに来てもらうためのコツがありますか?
調子がよくなったから、面倒だから等々いろいろな理由でカウンセリングに来なくなることはあり得るのではないでしょうか?そうならないために、どのような工夫をされていますか?

A.

カウンセリングを始める時に「カウンセリングが進んでいくうちに、来て話すのがつらいと思うような局面に差しかかったり、話しているだけで変わっていけるのかと、疑問に思ったりすることは、よくあることです。その時は、その疑問を率直にお話してくださいね、遠慮せずにね」といっています。

これはクライアント(相談者)がカウンセリングへ継続的に来てもらえるように私が工夫していることの一つですね。
無駄かもしれないと思ってしまう、とか、来るのがつらいかも…といった、一見ネガテイブな意見も率直に話してもいい場所なのですよ、と前もって伝えておくということです。
また「来られない時には、電話一本下さいね」とか、「連絡なく休まれた時には、こちらから連絡を入れていいですか?どの手段で連絡しましょうか?」など、決まり事を決めておくのも良いでしょう。
有料のカウンセリング施設では、キャンセルの扱いについて、キャンセル料や施設としての方針が決まっていることが大半ですので、そのルールに則って、約束することになると思います。
これはカウンセリングの枠組み、いわゆる構造に関連したことです。

特に私が大切だと思うのは「行かなきゃいけないのはわかっているけど、しんどいからついさぼりたくなってしまう、とか、一度休んだら行きづらくなったとか、そういったことは誰にもよくあることなんですよ」と、一見ネガテイブな反応も通常の反応だとこちらが理解していることをきちんと伝えておいて、安心してそのような気持ちも出せる関係にしておくことです。

そしてもう一つ重要な場面に、クライエントの自己判断で、調子が良くなったから通うのはもう止めようと思ったとき、実際にクライエントが「終わりでいいです」と言い出したとき、カウンセラーはどうするべきか、というのがあります。
引きとめるように説得するか、クライエントの意向を尊重して終結とするか。ここは専門家でも意見の分かれるところかと思います。
深層心理を深堀りするタイプのカウンセラーだと、カウンセリングを止めたい意向を抵抗と捉えがちだったり、また解決していない問題があることに注目し、面接を続けることを勧めたり…。

もちろん、正しい判断の時もあるし、途中で止めて症状がぶり返すこともあるので、
絶対にダメだとはいえない対応ですが、あまりいきすぎると、宗教の勧誘や洗脳みたいになって怪しくなりますよね。
私は「調子がいいので止めたい」という申し出があったら「何も言わずにもう来なくなる人もいるのに、きちんと止めることを話すための面接に来てくれた」ことにお礼を言って、自分の力でこれからやっていくという気持ちを尊重すると思います。
カウンセリングは、始まった時から必ず終わりがくることが想定された営みです。長期間カウンセリングが続いていたり、ずっとカウンセリングを必要としている状態でいるのは望ましいことではありませんからね。

まとめ

いかがでしたでしょうか。精神科医Dr.KSの診察室⑫では「カウンセリングQ&A」の第2回目をお届けしました。
Dr.KSに尋ねてみたいことがあれば、ぜひ編集部までご連絡くださいね。

皆さんからの悩みや質問、このコーナーで取り上げてほしい内容などもお待ちしております。

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