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COUNSELOR - 2021.07.28

精神科医Dr.KSの診察室⑪「カウンセリングQ&A 第1回」

この記事を書いた方のご紹介

Dr.KS

精神科医/日本医師会産業医/臨床心理士/法政大学産業医・学生相談室学校医/渋谷もりやクリニック/神奈川大学人間科学部特任准教授

精神分析学派のもと、卓越した理論とサイコセラピー技術を融合させた独自の臨床観と高度な専門性を持つ。産業から医療、教育と多領域で活躍。精神科医であり臨床心理士、特任准教授として大学で教鞭もとるマルチなドクター。大手ファーストフード、輸入バッグ企業ほか6社もの産業医を務める。

精神科医Dr.KSの診察室⑪
「カウンセリングQ&A 第1回」

これから3回にわたり、カウンセラーやカウンセラーを目指す方々からよくある疑問や質問にお答えしてみたいと思います。
仕事としてカウンセリングを行わない方でも、日常生活で身の回りの方の相談に乗る際にも使えそうなエッセンスもあるのではないでしょうか。

Q1.

人からの相談に対してアドバイスを求められたとき、言い方を間違えればかえって相手を傷つけてしまうことはないでしょうか。相手を傷つけないように、どのように声をかけたり、アドバイスをすればいいのでしょうか。

A.

誰かの相談に乗るときの基本姿勢は、相手の話をそのままなぞるようにして聴いておく⇒話している範囲の内容について質問をする⇒さらに詳しく話してもらう⇒相手の気持ちを想像しながらなぞるように話を聴く⇒どう思ったかを尋ねる⇒どうしたいかを尋ねる⇒どうなったら良かったと思うかを聴く⇒解決しやすい順番はどう思うか、解決の優先順位はどう思うか聴く…。

このように聴いて、質問して、聴く、…この繰り返しを試みます。
その中から、本人の言い分の変化や、気持ちの変化が感じられたら、相手の視野が広がった証拠として、そのことを指摘する。
ここまでは相手を傷つけるリスクは低いと思います。

自分の考えを提示するのはずっと後であり、相手からどう思うか、尋ねられたら話す、くらいの塩梅でいたらよいのではないでしょうか。
相手を傷つける意見かもしれないと気になる時には、言う前に
「これは意外な意見で、心外な意見だと思われるかも知れないので心配なんだけれども、新しい視点になると思うので話すけれど・・・」という前置きをしてから話すと、傷つきを少しでも緩和できるように思います。
あとは「聞いてから、どう思ったか」と尋ねることです。「さっき言ったことどう思った?」「負担になったかな?嫌だったかな?」等々、オープンに聞いてみることでしょう。
もし、傷ついたとしたら、その傷つきも理由と一緒に話してもらうことです。話すことで傷つきも多少なりとも緩和されると考えています。

Q2.

相談場面で、相手に威圧感を与えずに、警戒されないような言葉遣いとはどのようなものでしょうか?
また、実際に使う頻度の多い問いかけ方や言葉はどのようなものですか?

A.

相手に威圧感を与えないようにするためには、言葉の内容だけなく、声の強弱や、話すスピードも大いに影響を及ぼすでしょうね。そこも気をつけましょう。あとは、「その時、どう思ったの?」と状況にまつわる気持ちを尋ねるようにしています。
一般外来での話ですが、やはり、肯定的な声がけを心がけています。シンプルに。
よく使うのは、「この調子で」。これには相手の状態やがんばりを「いいね」と承認し、「それが続きますように、ぜひ続けてくださいね」という願いと励ましのメッセージも込められています。相手に、よい評価をもらえたというちょっとした嬉しさや安心感を与えることもでき、使いやすいフレーズです。

あとは、今まで上手くいかなったことがうまくできた時には、こんなふうに言います。
「えー、どうしてできたの?」と。支援者が「どうして」と聞くと、相手を問い詰めてしまうので、よくないと言われがちですが、上手くやれた時には「どうして?」と聞いてみるのは決して悪くない。なぜなら、「どうして?」と問いかけて、いい方向に変化したことへの本人の工夫なり、努力なりを言葉にしてもらうことで、本人がご自身の変化を、ピックアップして意識化することとなり、それが自信につながったりするものです。

Q3.

カウンセラーの良し悪しはどのように見分ければよいですか? またカウンセリングで自分の望むことをまったく言ってくれず、より精神的につらくなったというケースはありますか?

A.

まず、一番に伝えたいことは、心理専門家の言うことだからと言って、必ずしも正しいこととは限らないということです。これは相手がカウンセラーでも医師であっても同じことです。
今の自分が欲していることなのか、必要な言葉なのかは、自分の感覚で判断していくことになるでしょう。「自分の望むことをまったく言ってくれない」場合、そのことも率直に相談してみた時のカウンセラーの反応で、そのカウンセラーの技量が推測できると思います。

自分の望んでいることについて、もし要望して何か違うのであれば、それを腑に落ちるように説明してくれるかどうか、望みを違った形ではあれ、かなえられそうな導き方があるように、説明してもらえるのか、とか。勇気を出してカウンセリングに行ったのに、つらい体験であったのはとても残念ないのですが、カウンセラーが自分に合っているかどうか、専門家を見極めるのはユーザーである自分だ、という意志を持っていてもよいと私は思っています。

世の中、説明責任ということも含めて、ユーザー第一の状況になっていると思います。その点をカウンセラー、医師も自覚して、専門家という立場に悠々悠々自適にしていられる訳ではない、という危機感、淘汰されていく覚悟を持って、役割に臨んでもらいたいものです。
これは半分、冗談で現実にはならないのですが、「カウンセリングの効果にご満足いただけない場合、費用は全額払い戻しが可能です」というようなカウンセリング施設や、医療機関は、今後も出ない、でしょうねえ。他の商品にはできていると思いますが、育毛剤や美容品などで…。それとは同じにはならないでしょうね。

まとめ

いかがでしたでしょうか。精神科医Dr.KSの診察室⑪では「カウンセリングQ&A」の第1回目をお届けしました。
カウンセラーやカウンセラーを目指す方々からよくある疑問や質問をピックアップして、Dr.KSが答えていただくコーナーです。Dr.KSのアドバイスをぜひあなたも取り入れてくださいね。

皆さんからの悩みや質問、このコーナーで取り上げてほしい内容などをお待ちしております。

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