キャリアコンサルタント大辞典 Career Consultant Dictionary
キャリアコンサルタントに関する
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キャリアコンサルタントに年齢は関係ない?

監修元村 久美子(国家資格キャリアコンサルタント)
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今の年齢からキャリアコンサルタントを目指すのは遅いかも。資格を取得しても活かせるか不安。などと考えていませんか。
キャリアコンサルタントになるのに年齢は関係ありません。20代~70代の幅広い年齢の方がキャリアコンサルタントとして活躍しています。
そうはいっても、やはり年齢に不安を持つ方もいると思います。そこで、このページでは年齢とキャリアコンサルタントについて解説をしていきます。
キャリアコンサルタントになるには年齢が遅い?
新しいことに挑戦をする時、年齢を気にしてしまう方は少なくありません。今から挑戦をしても大丈夫だろうかなど、挑戦する意欲とともに不安を持つ方もいるのではないでしょうか。
この章では、キャリアコンサルタントの活躍年齢を5年間の調査結果をもとにみていきましょう。
20~40代の割合は減少傾向にありますが、50代の割合が増加傾向にあることがわかります。特に50代は2006年は30.2%だった割合が2022年には40.5%と10%以上増加しており、60代は2006年は13.7%だった割合が2022年には27.1%と、大幅に増加しています。
2006年 | 2010年 | 2013年 | 2017年 | 2022年 | |
20代 | 3% | 1% | 1% | 1% | 1% |
30代 | 22% | 18% | 15% | 11% | 8% |
40代 | 31% | 33% | 33% | 30% | 23% |
50代 | 30% | 27% | 34% | 39% | 41% |
60代以上 | 14% | 21% | 18% | 19% | 27% |
独立行政法人労働政策研究・研究機構 第2回キャリアコンサルタント登録者の活動状況等に関する調査図表 8-1を参考に作成
上記をグラフにすると下記のようになります。
独立行政法人労働政策研究・研究機構 第2回キャリアコンサルタント登録者の活動状況等に関する調査図表 8-2を参考に作成
もちろん、ほかの職種と同様に就職に有利な年代は存在しますが、人と向き合う仕事は、様々な(失敗を含む)経験値がある、相手を尊重できる、客観的な捉え方ができる、などの年齢以外の部分で重要性が高いといえるでしょう。
キャリアコンサルタントにとって年齢より大事なこと
それでは、キャリアコンサルタントにとって大事なことは何でしょうか。
相談者に信頼してもらえるか
カウンセリングをする前に何よりも大事なのが「相談者との信頼関係」です。キャリアコンサルタントと相談者の間に信頼関係が築けていないと、自らの思いに気付いたり、口にしたりすることができません。
たとえば相談者が仕事について悩んでいる場合、友人やパートナーなどに相談をしても、本質的な問題解決に結びつかないことがあります。キャリアコンサルタントは利害関係がない客観的な立場から、相談者の悩みに寄り添って話を聴き、信頼関係を築きながら相談者の迷いや不安を同じ目線で見つめることで、解決に向けた方向性を探る支援をするのです。
信頼関係はすぐに構築できるものではありませんが。キャリアコンサルタントが常に味方でありつつも客観的な視点で寄り添い、相談者を深く理解しようと努めることで、相談者は「この人には安心して相談ができる」と感じるようになっていきます。
信頼関係と年齢
自分の話ばかりで人の話は聞かず、一方的に価値観を押し付けてくる人と、誠実に話を聞き、相手の意見にしっかりと耳を傾ける人では、どちらが接しやすいでしょうか。
年齢が離れている会社の上司や先輩、後輩でも話がしやすい、信頼できると感じるのは、相手の人間性に惹かれたり、共通点を見つけたりしたからであって、年齢によって判断していることはほとんどないと思います。
このページの前半でもお伝えした通り、各年代の方が様々な機関や職場で活躍しています。キャリアコンサルタントとして活動するには、相談者と良い人間関係を築ける人かどうかが重要です。
キャリアコンサルタントの受験資格に年齢制限はない
キャリアコンサルタントの受験資格に年齢制限は設けられていません。受験資格を満たせば、誰でもキャリアコンサルタントの試験にチャレンジできます。
受験資格は次の3つです。
① 厚生労働大臣が認めた講習を修了した人
② 仕事の選択やスキルの向上に関する相談について3年以上の経験がある人
③ 技能検定キャリアコンサルティングの学科か実技に合格した人
①〜③のどれか1つを満たせば受験ができるため、未経験の方は厚生労働省から認可をもらった講習を修了することで、受験資格を得ることができます。
受験資格の詳細はこちらのページで紹介しています。
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キャリアコンサルタントの年齢
独立行政法人 労働政策研究・研修機構がまとめた、「第2回キャリアコンサルタント登録者の 活動状況等に関する調査 」のキャリアコンサルタントの「活動者の人数構成」では、50代が41.4%と最も多く、次いで60代の25.7%となっています。
独立行政法人 労働政策研究・研修機構 第2回キャリアコンサルタント登録者の活動状況等に関する調査 図表3-4を参照して作成
このように、キャリアコンサルタントの年齢の調査と同様に活動者の人数構成でも50代の割合が高く、次いで60代が高くなっています。幅広い年齢の方がキャリアコンサルタントを目指し、資格を取得しているようです。
キャリアコンサルタントに必要なこと
キャリアコンサルタントとして活躍していくためには、知識やスキルを身につけるだけでなく、それらを継続的に磨き続ける姿勢が求められます。この章では、キャリアコンサルタントに必要な「2つの力」について見ていきましょう。
1.傾聴力と課題を見つける力
キャリアコンサルタントに必要な適性のひとつは、人の話に耳を傾ける傾聴力と、そこから問題や課題を見つけ出す力です。
悩みや不安を抱えている相談者は、自分が今後どのようにしたらよいのか、自分の得意不得意やスキルの棚卸しに困っている場合があります。そのような時にキャリアコンサルタントが客観的視点から丁寧に話を聴き、悩みや望みを整理してあげることで、相談者は自分の課題を理解し、方向性や方策をイメージできるようになります。普段から注意深く思考し、問題を見つけ出す力を鍛えておくとよいでしょう。
2.継続的な学習で知識を磨き続ける力
キャリアコンサルタントは、たとえ資格を取得したり、企業などに就職したりしたとしても、そこがゴールではありません。
自分が支援したい対象者が企業に勤める社員なのか、学生なのか、ブランク期間のある就職に困難を抱えた方なのかによっても知識や方策が変わってきます。
時代とともに法律や条例等が変化することに対して知識のアップグレードをする必要があります。そのため様々な民間団体等がキャリアコンサルタント向けのスキルアッププログラムを用意しているため常に学びの機会があります。
キャリアコンサルタントでキャリアチェンジ
日本でもなじみのある、ケンタッキーフライドチキンの創業者であるカーネル・サンダースが、フライドチキンをフランチャイズビジネスに発展させたのは、なんと65歳でした。
何かに挑戦する時、人生で遅すぎることはない
という名言を残しています。
実際にキャリアコンサルタントになった方は、「ゆくゆくは人事になりたい」という目的で取得された20代の方、「いずれは独立したい」という30代の方、「部下からキャリアの相談が増えてきた」という40代の方、「セカンドキャリアに向けて」という50代の方、「定年退職後は社会貢献をしたい」という60代の方など様々です。
キャリアコンサルタントの資格取得を通じて得られることは知識やスキルだけでなく、自分自身の理解を深められたり、自信を持てたりとメリットが多くあります。
キャリアに重要性を感じていたり、人を支援する仕事に興味のある方は、ぜひ挑戦してみてください。
まとめ
キャリアコンサルタントの年齢や実績についてお伝えしてきましたが、最後にポイントのおさらいです。
- 20代〜70代以上とキャリアコンサルタントの活躍年齢は幅広い
- キャリアコンサルタントは未経験からでも目指せる
- 必要なのは相談者に信頼される相手を理解しようと努める力
キャリアコンサルタントになるのは今からでも遅くありません。人と接する仕事の経験を活かしたい方や、役に立ちたいと考えている方は、今日から情報収集をスタートしてみてはいかがでしょうか。
Q&A
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監修者
元村 久美子
広告会社、大手化粧品会社宣伝部にてマスコミュニケーションに携わる。
その後フリーランスとして様々な分野で活動。
国家資格キャリアコンサルタントとしては企業内障害者ジョブ支援、
自治体の就労支援事業の講師・相談員・現場統括責任者を歴任。
現在は文化芸術振興の広報業務にも携わっている。