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MENTAL HEALTH - 2020.08.07

精神科医Dr.KSの診察室⑤こんな時だから心を落ち着けたい「マインドフルネス」と「瞑想」

この記事を書いた方のご紹介

Dr.KS

精神科医/日本医師会産業医/臨床心理士/法政大学産業医・学生相談室学校医/渋谷もりやクリニック/神奈川大学人間科学部特任准教授

精神分析学派のもと、卓越した理論とサイコセラピー技術を融合させた独自の臨床観と高度な専門性を持つ。産業から医療、教育と多領域で活躍。精神科医であり臨床心理士、特任准教授として大学で教鞭もとるマルチなドクター。大手ファーストフード、輸入バッグ企業ほか6社もの産業医を務める。

今回は精神科医Dr.KSが、コロナ禍の今だからこそ心を落ち着けるためのアドバイスとして、「マインドフルネス」と「瞑想」についてのコラムをお届けします。

ステイホームで「コロナうつ?」

やりたいことを我慢すると心にストレスがかかります。ストレスは万病のもと、鬱病のもっとも大きな原因ともいわれています。
今回のコロナ禍で「コロナうつ」が、とても注目されています。
厚生労働省も「コロナうつ」がどれくらい起きているのか、調査に乗り出すとか。
その結果は精神科医としては非常に気になるところです。

ストレスフルな毎日に「マインドフルネス」と「瞑想」を

ストレスフルな厳しい日々の中で、少しでも心を落ち着けたいものです。
そこで、今回は「マインドフルネスと瞑想」をご紹介したいと思います。
どちらもおうちで気軽にできて、ストレスを軽減したり、精神状態を安定させる効果があります。

臨床検査機器の進歩により、働いている脳の部位を可視化できるようになったことで、「マインドフルネス瞑想」の効果が、目に見える検査の形でも証明されてきていることが、医学の雑誌でも取り上げられる理由でしょう。
もちろん、どんな精神疾患にも効果がある、「コロナうつ」にもおススメ、などと大風呂敷は広げられませんが、「マインドフルネス」との相性次第では、心の健康を保つために、かなり有用な方法といえそうです。

「マインドフルネス」とは?

皆さん、「マインドフルネス」をご存知でしょうか?
最近では、テレビや新聞などでもよく見聞きするようになってきました。
「マインドフルネス」には、集中力を高めたり、ストレスを軽減したり、自律神経を整えたり、という効果があることが多く報告されており、今世界的にも大きな関心を集めています。
かのグーグルやフェイスブック、インテルやマッキンゼーといった世界の大企業でも「マインドフルネス」は取り入れられており、研修はもちろん、日常の習慣として朝から社内で「マインドフルネス瞑想」が行われたりしているといいます。
「マインドフルネス」によって頭がクリアになり、心が静かになることで、集中力が増して個々のパフォーマンス・生産性が上がる。そんな狙いがあるわけです。

「マインドフルネス」の定義

あらためて、「マインドフルネス」って何でしょうか?
マインドフルネス瞑想の提唱者であるジョン・カバットジン博士の定義によると
Paying attention in a particular way : on purpose, in the present moment,and non-judgmentally. (出典: Jon Kabat-Zinn “Full Catastrophe Living Revised Edition” 2013)

つまり、「今、この一瞬一瞬に、価値判断をせずに注意を払うこと」といえるでしょうか。
「マインドフルネス」とは、そのような状態や、それを目指すプロセスのことをいいます。
人の日常生活では、常にさまざまな情報が飛び交い、私たちは忙しく考えたり、行動していますよね。いわばマインドフルな状態とはかけ離れた時間を過ごしていることが多いと思います。
情報や人間関係、仕事に振り回されて、体もこころも大忙しにしていると、次第に疲れてしまったり混乱してしまい、大切なことを見失ったり、ミスをしたり、ストレスが溜まったりすることが増えます。その結果、パフォーマンスも下がって、QOL(Quality of Life)が低下してしまったりするものです。

「マインドフルネス」とは、そんな状態を自ら意識的に改善していこうとするものです。それまで振り回されていた漠然とした不安感が減り、精神的に安定した境地(自分になることができる)というものです。

「マインドフルネス」の効果

「マインドフルネス」には、次のような効果があるとされています。

こころの浄化作用・ストレスが軽減される

洞察力や直観力、創造力が高まる
「マインドフルネス瞑想」を通じて思考が整理されてクリアになります。
頭が冴えて洞察力や直観力が高まり、その結果、潜在能力が発揮されやすくなります。

ぐっすり眠れるようになる

瞑想で呼吸を整えることで、自律神経のバランスがよくなり、体の緊張も緩和されていくためよく眠れるようになります。念や必要な思考に飲み込まれることなく、それらをただ観察したり、受け流す時間を持つことで、こころも体も緊張感がほぐれ、ストレスが軽くなります。

集中力が高まる

「マインドフルネス瞑想」などで、雑念をその間はどこかへ置いておき、今この瞬間に深く集中していくことを繰り返していくことで集中力が向上します。

「マインドフルネス」を実施すると、ストレスフルな状況においても、否定的な思考や感情にとらわれ呑み込まれることなく、いつでも自分を取り戻すことができるようになります。

「マインドフルネス瞑想」の実践

瞑想と聞くと「自分にできるのかな?」と身構えてしまいそうですが、難しく考えることはありません。とてもシンプルで、誰でもすぐに実践できるものです。
姿勢を正して、今、この瞬間、呼吸をしていることだけに意識を向けるのです。
息を吸って~ 吐いて~ また吸って~ のそれだけに集中します。今だけに集中しているので、リラックスしていて無理がありません。ストレスもどこか別のところに置いておくので、ストレスを感じることがありません。
そうして呼吸を続けていると、次第に頭が涼しくなり、冴えてくるような感覚になるのです。これはやってみると実感できる不思議な感覚です。まずは、ぜひやってみてください。

読んでやってみよう

  1. 瞑想する場所を選ぶ・落ち着ける環境が望ましい。
  2. 自分に合った自然な姿勢をとる。一例として背筋がすっと伸びて、体の力は抜けているリラックスしている感じ。
  3. 呼吸に意識を集中させながらゆったりと呼吸する。呼吸はゆったりと自分がしやすいように。
  4. 呼吸しながらお腹や胸のあたりの動きに注意を向け、その感覚を内なる言葉で表現するのも◎。「ふくらむ・ふくらむ」「ちぢむ・ちぢむ」
  5. 頭に外の雑音や何か雑念が湧いてきたら、「音・音」「雑念・雑念」などと受け流し、注意を呼吸に戻す。
  6. 1日10分でも15分でもOK!効果や変化を実感するには2週間は続けてみたいもの。

映像を見てやってみよう

こちらは、マインドフルネス瞑想協会による10分間のマインドフルネス瞑想体験映像です。
とてもわかりやすいので、ご紹介します。映像とナレーションに身を任せているだけで、なんともいえない不思議な感覚になります。
https://www.youtube.com/watch?v=A3NjnxYe8Uw&feature=youtu.be

自宅で実践してみよう

自分のカラダや、自分のココロのあり方など、これまで気にしてもいなかったことに、
ただ注目しているのが、「マインドフルネス」。

自分の一部なのに、気にも留めてあげなかったカラダやココロ…。
それよりも、私たちは、余計な心配事や悩み事、過去に起こった後悔や、
未来に起こるかもしれない不安で頭がいっぱいになっていませんか?

これら諸々の「雑念」にいつの間にか支配され、侵食されていることにも気がつかきません。
これでは「今」を台無しにしてしまうことにも気が付かないままです。
頑張っている自分のカラダやココロをいたわるように、静かに瞑想する時間を持ってみてはいかがでしょうか。「今」に立ち止まり、それを大切に味わうように…。

まとめ

精神科医Dr.KSの診察室⑤では、コロナ禍の今だからこそ心を落ち着けるためのアドバイスとして、「マインドフルネス」と「瞑想」についてのコラムをお届けしました。
カウンセラーを目指す皆さんも、Dr.KSのアドバイスに従って、ぜひこの機会にやってみてください。
精神科医Dr.KSの診察室では皆さんからの悩みや質問、知りたい情報などをお待ちしております。

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