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【1からわかる!】「キャリアコンサルティング」とは? 必要な知識と技能を解説

【1からわかる!】「キャリアコンサルティング」とは? 必要な知識と技能を解説
監修元村 久美子(国家資格キャリアコンサルタント)

 

キャリアについて悩んだ時、キャリアコンサルティングの活用を考えたことがある方も多いのではないでしょうか。

「キャリアコンサルティング」や「キャリコン」といった言葉を聞いたことはあるけれど、具体的に何のことなのかわからない、自分にもできるのか知りたいという方のために、この記事では「キャリアコンサルティングとは何か」を1から解説していきます。

キャリアコンサルティングとは何か?

キャリアコンサルティングとは、職業の選択や生活設計、能力の開発・向上に向けた相談・支援を通して目指すべきキャリアを具体化していくことを言います。具体的にはどういった場面で、どのように活用されるのか、どんなメリットがあるのかを解説していきます。

キャリアコンサルティングはどんな場面で必要なのか

キャリアコンサルティングは企業や教育機関、ハローワークといった就労支援機関など、様々な場で行われています。

例えば企業で働いている方で「仕事の幅を広げたい。そのためにスキルアップをしたいけれど、何から始めたらいいのかわからない」といった課題を抱えている場合、キャリアコンサルティングではまず、相談者の業務経験の棚卸しをし、その方の適性に合ったスキルアップや、今後どういった道筋でキャリアを築いていけばいいかといったアドバイスを行います。

また企業内では「今の部署での適正について悩んでいる」「昇進が決まったが管理職になるのが不安」など、キャリアコンサルティングでは昇進や異動に係るストレスや悩みにも対応していきます。

就職に悩む学生に対して

学生は「進路がなかなか決まらない」「自分がどんな仕事に向いているのかわからない」「面接でうまく自己アピールできない」など、就職に関する悩みを抱えている場合があります。

そこでキャリアコンサルティングでは、相談者の適性は何か、関心はどこかを汲み取った上で、企業や業界の情報を提供したり、履歴書やエントリーシートの書き方からビジネスマナーなど、面接に向けた指導も行っていきます。

求職中の悩みに対して

求職中の方は「次の就職に有効な資格を取得したいけれど、どのように選んだらいいかわからない」「どんな業界が向いているのかわからない」といった課題を抱えている場合があります。キャリアコンサルティングでは、相談者のこれまでの業務経験の棚卸を行うことで自己理解が深まるよう促していきます。相談者が自らの適正や興味関心を認識した上で業種・職種に関わる情報や求人情報等を提供し、就職活動を支援していきます。

このように、キャリアに関する様々な場面で求められるのがキャリアコンサルティングなのです。

キャリアコンサルティングの具体的な流れ

それでは、キャリアコンサルティングとはどのように活用されるのか、詳しく見ていきましょう。

キャリアコンサルティングの流れは「①自己理解、②仕事・市場理解、③啓発的経験、④意思決定、⑤方策の実行、⑥適応」この6つに分けられます。
 

① 自己理解 自分を知る
考え方や価値観、興味・関心の対象、能力の把握など自分自身を理解する

 

➁ 仕事・市場理解 職業理解  向いている職業
自己理解を経て棚卸された自身のキャリアを活かせる職業を調べる
市場・業界理解を深め、興味のある企業の研究を行う

 

③ 啓発的経験  インターンシップ・職業訓練業
自身に必要なスキルを高めるための自己啓発や勉強を行う
インターンや職場体験により仕事理解を深める

 

④ 意思決定  目標を明確に
①➁③を踏まえてキャリアプランを立てる

 

⑤ 方策の実行  達成に向けて
就職活動、転職活動、昇進、部署異動などを決める

 

⑥ 適応  新たな仕事に適応
就職・転職・異動後等の新たな環境下でのフォローアップ

 

キャリアコンサルティングの効果とは

厚生労働省の調査「キャリアコンサルティング(キャリアに関する相談)の効果」では以下の結果が出ています。
 

自らのキャリアについて相談した労働者の約9割が、キャリアコンサルティングが役に立ったとしている。

 

「仕事に対する意識が高まった」とする人の割合が多いほか、正社員では「自分の目指すべきキャリアが明確になった」、「自己啓発を行うきっかけになった」といった内容が、正社員以外では「現在の会社で働き続ける意欲が湧いた」等があげられている。

 
このように、キャリアコンサルティングを利用したほとんどの方が、そのメリットを感じていることがわかります。

キャリアコンサルティングのメリットについて

キャリアコンサルティングを通すことにより、キャリアについて一人で考えるよりも、自分の適性、能力、関心などに気づきやすくなることがメリットとして挙げられます。

また、メリットは視野を広げるだけではありません。キャリアプラン実現のために必要な知識や資格の習得、仕事の選択もサポートしてくれます。キャリアコンサルティングは自身の可能性の実現を高めてくれるのです。

キャリアコンサルティングに必要な資格

仕事としてキャリアコンサルティングに興味がある、挑戦してみたいと思った方もいるのではないでしょうか。

相談者のキャリアを考える職業には、「キャリアコンサルタント」「キャリアカウンセラー」「キャリアアドバイザー」といった肩書きがあります。

業務内容に大きな違いはありませんが、この中で国家資格として認められているのは「キャリアコンサルタント」のみです。

キャリアコンサルタントは国家資格

「キャリアコンサルタント」は2016年から国家資格として法的に認められている唯一の資格です。最近の採用活動では、国家資格である「キャリアコンサルタント」を保有している人材が望ましいとする企業も増えつつあります。

こちらでは「国家資格キャリアコンサルタント」の資格、必要な知識・技能についてご紹介します。

キャリアコンサルタントは国家資格を受験するためには

「国家資格キャリアコンサルタント」を受験するためには、次のいずれかの条件を満たすことが必要です。
 

厚生労働大臣認定の養成講習を修了した場合
実務経験が3年以上ある場合
技能検定キャリアコンサルティング試験の学科か実技に合格した場合

 
①をクリアすれば、「国家資格キャリアコンサルタント」は実務経験のない方でも受験することができます。未経験や初心者から資格を取得している方もたくさんいらっしゃいます。

「国家資格キャリアコンサルタント」の資格取得には「専門実践教育訓練給付金」という制度を利用することができます。

専門実践教育訓練給付金の受給には、条件や期間などの確認事項があります。利用を検討されている方は、こちらの記事で詳しく説明をしていますので、参考にしてみてください。

 

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キャリアコンサルティングに必要な知識

国家資格キャリアコンサルタントに求められる知識には、「企業でのキャリア形成」「労働市場」「労働関係法令や社会保障制度」「キャリア教育」「メンタルヘルス」「個人の多様な特性」などがあり、技能においては、「カウンセリングの技能」「キャリアシートの作成指導」「相談課程で必要となる技能」など多岐に渡ります。

出典)厚生労働省Webサイト|キャリアコンサルタントになりたい方へ
 
技能については、キャリアコンサルタントとしての経験、活動分野や能力水準等に応じて、補うべき分野や伸ばすべき分野が異なると考えられています。

例えば、特定業種の求職者・転職希望者に対して、安定した対応が出来るという場合には、「キャリアコンサルタント」を名乗るのに十分なレベルと言えます。

しかし、キャリアコンサルタントとしてより幅広く、専門的な分野にも対応できるようになりたい、そのために技能を向上させたいという場合もあるでしょう。

キャリアコンサルティングに必要な技能

キャリアコンサルタントの知識と技能を図るものとして「キャリアコンサルティング技能検定」があります。

合格することで「キャリアコンサルティング技能士1級」「キャリアコンサルティング技能士2級」と、レベルによって称号が得られ、高い能力水準を満たしているものとして国家認定されます。

キャリアコンサルティング技能検定とは

キャリアコンサルティング技能士2級

「キャリアコンサルティング技能士2級」は”熟練レベル”の位置づけです。

例えば、学生を含めた幅広い相談者、メンタル不調をお持ちの方の対応も問題なくできる、キャリアチェンジを考えている方への十分な情報提供ができるなど、難しい事例に対応できるレベルが求められます。

キャリアコンサルティング技能士1級

「キャリアコンサルティング技能士1級」は“指導レベル”の位置づけです。

1つ以上の深い専門領域を持ち、その他の領域も支援できる、最も優れたキャリアコンサルティング技能を持ったレベルです。

このように、キャリアコンサルタントといっても熟練度や活動分野によって求められる技能のレベルは異なってきます。国家資格キャリアコンサルタントと、キャリアコンサルティング技能士の位置づけとしては、このような形になっています。
 
難易度
 
こちらの記事では、国家資格キャリアコンサルタントとキャリアコンサルティング技能士の違いについて、さらに詳しく解説をしています。ぜひ参考にしてみてください。

 

【何が違う?】国家資格キャリアコンサルタントとキャリアコンサルティング技能士
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まとめ

このページでは「キャリアコンサルティングとは何か」についてと、国家資格「キャリアコンサルタント」の知識や技能について解説しました。多様なキャリア形成が求められる時代において、一人ひとりが考え方を新たにすることは重要ですが、そこにはキャリアコンサルティングの下支えも必要不可欠です。

キャリアでお悩みの方は、相談者としてキャリアコンサルティングを利用することを検討してみてください。

また、職業としてのキャリアコンサルティングに興味がある方は、キャリアコンサルタントとして働くという選択肢もあります。

キャリアコンサルティングは相談者の悩みに寄り添い、サポートすることによって成果を得られる仕事です。また、個人や社会に対して大きな役割を持つとともに、やりがいを感じる事ができる仕事と言えます。

今回、この記事を通して、キャリアコンサルティングについての理解や興味が深まりましたら幸いです。

Q&A

キャリアコンサルティングとは何ですか?
キャリアコンサルティングとは、職業の選択や生活設計、能力の開発・向上に向けた相談・支援を通して目指すべきキャリアを具体化していくことを言います。
「国家資格キャリアコンサルタント」の受験資格は?
下記のいずれかに該当していれば、「国家資格キャリアコンサルタント」を受験することができます。
1.厚生労働大臣認定の養成講習を修了した場合
2.実務経験が3年以上ある場合
3.技能検定キャリアコンサルティング試験の学科か実技に合格した場合
キャリアコンサルティングはどういった場面で行われますか?
企業、教育機関、ハローワークといった就労支援機関などで行われています。
キャリアコンサルティングを行うのはどんな肩書きの人ですか?
一般的に、国家資格である「キャリアコンサルタント」です。同じような支援を行う肩書きには、キャリアカウンセラー、キャリアアドバイザー、といったものもあります。キャリアに関する支援という点で業務内容に大きな違いはありませんが、キャリアコンサルティングを行う国家資格として認められているのは「キャリアコンサルタント」のみです。

Information

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監修者

元村 久美子

広告会社、大手化粧品会社宣伝部にてマスコミュニケーションに携わる。
その後フリーランスとして様々な分野で活動。
国家資格キャリアコンサルタントとしては企業内障害者ジョブ支援、
自治体の就労支援事業の講師・相談員・現場統括責任者を歴任。
現在は文化芸術振興の広報業務にも携わっている。

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