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キャリアコンサルティング - 2023.07.27更新 / 2022.09.26公開
【1からわかる!】「キャリアコンサルティング」とは? 必要な知識と技能
キャリアについて悩んだ時、「キャリアコンサルティング」の活用を考えたことがある方も多いのではないでしょうか。
「キャリアコンサルティング」「キャリコン」といった言葉を聞いたことはあるけど、具体的に何のことなのかわからない、自分にもできるのか知りたいという方のために、この記事では「キャリアコンサルティングとは何か」を1から解説していきます。
「キャリアコンサルティング」とは何か?
キャリアに関する相談に応じ、助言や指導を行うことを「キャリアコンサルティング」と言います。具体的にはどういった場面で、どのように活用されるのか、どんなメリットがあるのかを解説していきます。
「キャリアコンサルティング」はどんな場面で必要なのか
「キャリアコンサルティング」は企業、教育機関、ハローワークなど様々な場所で利用されています。
例えば、企業で働いている方で「仕事の幅を広げたい。そのためにスキルアップをしたいけれど、何から始めたらいいのかわからない」といった課題を抱えいる場合、キャリアコンサルティングではまず、相談者の業務経験の棚卸しをし、その方の適性に合ったスキルアップや、今後どういった道筋でキャリアを築いていけばいいかといったアドバイスを行います。
また企業内では「今の部署での適正について悩んでいる」「昇進が決まり管理職になるのが不安」など、キャリアコンサルティングでは昇進や異動に係るストレスや悩みにも対応していきます。
就職に悩む学生に対して
学生は「進路がなかなか決まらない」「自分がどんな仕事に向いているのかわからない」「面接でうまく自己アピールできない」など、就職に関する悩みを抱えている場合があります。
そこでキャリアコンサルティングでは、相談者の適性は何か、関心はどこかを汲み取った上で、企業や業界の情報を提供したり、履歴書やエントリーシートの書き方からビジネスマナーなど、面接に向けた指導も行っていきます。
休職中の悩みに対して
求職中の方は「次の就職に有効な資格を取得したいけれど、どのように選んだらいいかわからない」「どんな業界が向いているのかわからない」といった課題を抱えている場合がありますので、キャリアコンサルティングでは、相談者のこれまでの業務経験の棚卸を行い、適性や関心のある職種・業界の情報を提供し、就職までサポートをしていきます。
このように、キャリアに関する様々な場面で求められるのがキャリアコンサルティングなのです。
「キャリアコンサルティング」とは具体的にどのように活用されるのか
それでは、キャリアコンサルティングとはどのように活用されるのか、詳しく見ていきましょう。
キャリアコンサルティングの流れは「①自己理解、②仕事理解、③啓発的経験、④意思決定、⑤方策の実行、⑥適応」この6つに分けられます。
①自己理解 | 自分を知る | ・考え方や価値観、何が好きか、 能力の把握など自分自身を理解する |
➁仕事理解 | 向いている職業 | ・自分に適した仕事ってなんだろう ・今まで経験してきた業務の振り返りや棚卸作業 ・市場や企業側の情報を確認する |
③啓発的経験 | インターンシップ 職業訓練 |
・必要なスキルって?自分はそれを持っているか ・職場訪問、実際に働いてみる ・実際の業務を行ってより理解を深める |
④意思決定 | 目標を明確に | ・①➁③を踏まえてキャリアプランを立てる |
⑤方策の実行 | 達成に向けて! | ・就職活動、転職活動、昇進、部署異動などを決める |
⑥適応 | 新たな仕事に適応 | ・就職、転職、昇進、異動 |
「①自己理解」、「②仕事理解」
「①自己理解」では、相談者の興味や適性、能力を明確にしていきます。相談者が自分自身のことを理解した上で「②仕事理解」へと進みます。
ここでは、これまで経験してきた業務の棚卸しや、市場や企業情報の確認を行います。
「③啓発的経験」
そして、職業体験やインターンシップなどの「③啓発的経験」へと繋げます。「③啓発的経験」は難しい言葉ですが、職業体験のように実際に経験をして、自己理解や仕事理解をより深めることを指します。
「④意思決定」
①〜③を通してビジョンが明確になったら、目標を設定し、それに向けた行動計画の作成、必要な能力の習得方法、学べる場所などの情報提供に移ります。これが、「④意思決定」にあたります。
「⑤方策の実行」
ここまでくると、職業の選択、求職活動、能力開発といった具体的な「⑤方策の実行」へと進みます。キャリアコンサルティングの担当者は、進捗状況を把握しつつ必要に応じて様々なサポートを行います。
「⑥適応」
こうして新たな仕事への「⑥適応」が完了すると、職場で新たなキャリアを切り開いていくことになります。昇進や異動など、様々な場面も経験しながら、その都度必要な経験や教育訓練を積み重ねていくことによって、職業能力は形成されていきます。
キャリアコンサルティングのメリット
キャリアコンサルティングを通すことにより、キャリアについて一人で考えるよりも、自分の適性、能力、関心などに気づきやすくなります。
自分自身に向き合うきっかけとなるとともに、企業内外問わず、様々な仕事についての理解が深まります。
キャリアコンサルティングによって自分に合った仕事を発見し、選択できるようになるのです。現在担当している仕事だけでなく、より視野を広げて、自分の可能性に気づき、キャリア形成を考えていくことができるということです。
メリットは、視野を広げるだけではありません。キャリアプラン実現のために必要な知識や資格の習得、仕事の選択もサポートしてくれます。キャリアコンサルティングは実現の可能性を高めてくれるのです。
キャリアコンサルティングの効果
厚生労働省の調査「キャリアコンサルティング(キャリアに関する相談)の効果」では以下の結果が出ています。
・自らのキャリアについて相談した労働者の約9割が、キャリアコンサルティングが役に立ったとしている。
・役立った内容としては、「仕事に対する意識が高まった」とする人の割合が多いほか、正社員では「自分の目指すべきキャリアが明確になった」、「自己啓発を行うきっかけになった」といった内容が、正社員以外では「現在の会社で働き続ける意欲が湧いた」等があげられている。
キャリアコンサルティングを利用したほとんどの方が、そのメリットを感じているのです。
キャリアコンサルティング」に必要な資格・知識・技能
仕事として「キャリアコンサルティング」に興味がある、挑戦してみたいと思った方もいるのではないでしょうか。
相談者のキャリアを考える職業には、「キャリアコンサルタント」「キャリアカウンセラー」「キャリアアドバイザー」といった肩書きがあります。
業務内容に大きな違いはありませんが、この中で国家資格として認められているのは「キャリアコンサルタント」のみです。
キャリアコンサルタントは国家資格
「キャリアコンサルタント」は2016年から国家資格として法的に認められている唯一の資格です。最近の採用活動では、国家資格である「キャリアコンサルタント」を保有している人材が望ましいとする企業も増えつつあります。
こちらでは「国家資格キャリアコンサルタント」の資格、必要な知識・技能についてご紹介します。
資格
「国家資格キャリアコンサルタント」を受験するためには、次のいずれかの条件を満たすことが必要です。
①厚生労働大臣認定の養成講習を修了した場合
②実務経験が3年以上ある場合
③技能検定キャリアコンサルティング試験の学科か実技に合格した場合
①をクリアすれば、「国家資格キャリアコンサルタント」は実務経験のない方でも受験することができます。未経験や初心者から資格を取得している方もたくさんいらっしゃいます。
「国家資格キャリアコンサルタント」の資格取得には「専門実践教育訓練給付金」という制度を利用することができます。
専門実践教育訓練給付金の受給には、条件や期間などの確認事項があります。利用を検討されている方は、こちらの記事で詳しく説明をしていますので、参考にしてみてください。
【これで分かる】給付金を国家資格キャリアコンサルタントの学習で利用する方法 |
知識・技能
国家資格キャリアコンサルタントに求められる知識には、「企業でのキャリア形成」「労働市場」「労働関係法令や社会保障制度」「キャリア教育」「メンタルヘルス」「個人の多様な特性」などがあり、技能においては、「カウンセリングの技能」「キャリアシートの作成指導」「相談課程で必要となる技能」など多岐に渡ります。
出典)厚生労働省Webサイト|キャリアコンサルタントになりたい方へ
技能については、キャリアコンサルタントとしての経験、活動分野や能力水準等に応じて、補うべき分野や伸ばすべき分野が異なると考えられています。
例えば、特定業種の求職者・転職希望者に対して、安定した対応が出来るという場合には、「キャリアコンサルタント」を名乗るのに十分なレベルと言えます。
しかし、キャリアコンサルタントとしてより幅広く、専門的な分野にも対応できるようになりたい、そのために技能を向上させたいという場合もあるでしょう。
キャリアコンサルティング技能検定
キャリアコンサルタントの知識と技能を図るものとして「キャリアコンサルティング技能検定」があります。
合格することで「キャリアコンサルティング技能士1級」「キャリアコンサルティング技能士2級」と、レベルによって称号が得られ、高い能力水準を満たしているものとして国家認定されます。
「キャリアコンサルティング技能士2級」は”熟練レベル”の位置づけです。例えば、学生を含めた幅広い相談者、メンタル不調をお持ちの方の対応も問題なくできる、キャリアチェンジを考えている方への十分な情報提供ができるなど、難しい事例に対応できるレベルが求められます。
「キャリアコンサルティング技能士1級」は“指導レベル”の位置づけです。1つ以上の深い専門領域を持ち、その他の領域も支援できる、最も優れたキャリアコンサルティング技能を持ったレベルです。
このように、キャリアコンサルタントといっても熟練度や活動分野によって求められる技能のレベルは異なってきます。国家資格キャリアコンサルタントと、キャリアコンサルティング技能士の位置づけとしては、このような形になっています。
こちらの記事では、国家資格キャリアコンサルタントとキャリアコンサルティング技能士の違いについて、さらに詳しく解説をしています。ぜひ参考にしてみてください。
【何が違う?】国家資格キャリアコンサルタントとキャリアコンサルティング技能士 |
こんな人は「キャリアコンサルタント」に向いている
「キャリアコンサルタントはやりがいのある仕事だろうけど、自分にはハードルが高そう」「キャリアコンサルタントに興味はあるけれど、人の相談に乗るのは難しそう」「キャリアでつまずいた経験がある自分には、キャリアコンサルタントの仕事は無理?」など、不安に思っている方にぜひお伝えしたいことがあります。
キャリアコンサルタント」に向いている人の特徴
人のサポートにやりがいを感じられる
キャリアコンサルティングを行う上で最も大事なことは、相談者の思いを真摯に受け止めサポートすることですので、サポート業務に関心にある方はキャリアコンサルタントの適正があると言えます。
自身のキャリアで悩んだ経験がある
自身がキャリアで悩んだり、つまずいたり、そしてそれを乗り越えた経験があれば、キャリアコンサルタントとして相談者に丁寧な対応ができます。
進路やキャリアをスムーズに進めてきた方よりも、失敗や挫折、成功体験などを活かして相談者の悩みをきめ細かく汲み取る事ができますので、キャリアコンサルタントに向いていると言えるでしょう。
聞き上手である
キャリアコンサルティングは相談者の話を親身になって聞き、受け入れる姿勢が大事です。さらに、相談者が伝えたいことをしっかりと理解することで、信頼関係も築かれますので、聞き上手な方はキャリアコンサルタントに向いていると言えます。
まとめ
このページでは「キャリアコンサルティングとは何か」についてと、国家資格「キャリアコンサルタント」の知識や技能について解説しました。多様なキャリア形成が求められる時代において、一人ひとりが考え方を新たにすることは重要ですが、そこにはキャリアコンサルティングの下支えも必要不可欠です。
キャリアでお悩みの方は、相談者としてキャリアコンサルティングを利用することを検討してみてください。
また、職業としてのキャリアコンサルティングに興味がある方は、キャリアコンサルタントとして働くという選択肢もあります。
キャリアコンサルティングはクライアントの悩みに寄り添い、サポートすることによって成果を得られる仕事です。個人や社会に対して大きな役割を持つとともに、やりがいを感じる事ができる仕事と言えます。
今回、この記事を通して、キャリアコンサルティングへの理解を深めるとともに、キャリアを描くお力になれましたら幸いです。
Q&A
1.厚生労働大臣認定の養成講習を修了した場合
2.実務経験が3年以上ある場合
3.技能検定キャリアコンサルティング試験の学科か実技に合格した場合
初心者から短期間で
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