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キャリア - 2024.03.25更新 / 2024.03.26公開

「キャリアブレイク」とは?休職や離職を肯定的に捉える考え方を紹介

休職や離職と聞くと、ネガティブなイメージが先行することも少なくありません。

しかし近年では、あえて仕事から離れることを選択する「キャリアブレイク」という考え方が注目されています。

今回の記事では、休職や離職を肯定的に捉える「キャリアブレイク」の考え方や、メリットについて紹介していきます。

「キャリアブレイク」とは

「キャリアブレイク」とは、休職や離職などによって一時的に仕事から距離を置き、学び直しやステップアップのために休息を取ることを指します。

経歴を意味するcareerと、休息を意味するbreakからなる「キャリアブレイク」は、完全に休むというよりは、コーヒー休憩やお昼休憩などの、作業と作業の間に取る小休止のようなイメージです。

欧州で広く発展している「キャリアブレイク」

欧州ではワークライフバランス施策の一環として、各国で様々な新しい長期休暇制度の試みが行われており、中でもベルギーでは、キャリアブレイク制度を再編したタイムクレジット制度が導入されました。

日本とは異なり、夏にかけての1か月から2か月の長期休暇がある国も多く、日本とは認識が異なるという背景もありますが、欧州ではワークライフバランスの一環として「キャリアブレイク」を含む長期休暇制度が発展しています。

欧州と日本における「キャリアブレイク」の違い

日本におけるビジネスパーソンの働き方においては、ライフイベントに伴う離職期間などを肯定的に捉えて、休職または離職をするという考え方を「キャリアブレイク」と考える傾向が強いといえます。

「ブランク」と「ブレイク」の違いについて

一度仕事を離れると、復職までの期間を「ブランクがある」と表現しますが、これはキャリアを中断している印象を与えることがあります。

一方で「キャリアブレイク」は、キャリアに空白を作るのではなく、小休止のためのものであり、ポジティブな印象を与える点が異なります。

キャリアとは「生涯を通して果たす役割」

仕事においては、経歴や職務経験、出世やスキルの向上などが重要な要素ですが、それだけでなく、人生全体においてどのように成長し、自分の価値観や目標を追求していくかもキャリアに関連する重要な要素です。

ですので、仕事を休職もしくは離職をすることも、厳密にいえばキャリアの中断ではなく、キャリアを積み重ねるうちの「休息」であると捉えることができるのです。

「キャリアブレイク」が注目される背景

日本で「キャリアブレイク」が注目される背景には、大きく分けて以下の理由があります。

  1. リカレント教育

  2. 自己理解とキャリア自律

  3. ワークライフバランス

1つずつ順番にみていきましょう。

1.リカレント教育

リカレント教育とは、学校教育から離れて社会人として働くようになったあとも、学び直しをすることで、仕事に係るスキルや知識を磨いていく教育を指します。

リカレント教育のタイミングはビジネスパーソンごとに異なるため、「キャリアブレイク」の期間中にリカレント教育を受けるというケースにも注目が集まっています。

2.自己理解とキャリア自律

「キャリアブレイク」期間中は、仕事から離れてみることで、自己を見つめ直す機会が生まれます。

自分自身の価値観や目標を再評価し、新たな興味やスキルを発見することで自己理解につながります。

また、「キャリアブレイク」を設けることで、自分の強みや志向をより良く理解する手助けになることも期待できるため、結果的にキャリア自律に大きく影響すると考えられています。

【あわせて読みたい】

「キャリア自律」がもたらすメリット~企業側と個人側の両面から

 

3.ワークライフバランス

ワークライフバランスの重要性が広く認識され、仕事と生活の調和を図りたいというニーズがビジネスパーソンの中でも高まりました。

「キャリアブレイク」は、一時的に仕事から離れて自己の成長や家庭との時間を大切にする手段として、ワークライフバランスの一環として注目されています。

「キャリアブレイク」でありたい姿を考える

キャリアを考える際には自分を知ることが重要であり、そこから何をしたいか、どのように歩んでいけば良いのかを考えることが大切です。

そのため、「キャリアブレイク」期間中には、働き方や、この先のキャリアをどのように進んでいきたいか、そしてどういう姿でありたいかなどを考

セカンドキャリアを見据えた考え方

現代は人生100年時代と言われ、キャリア形成やキャリア開発を経て、セカンドキャリアについても考える世代が増えつつあります。

「キャリアブレイク」を通じて、自分自身の価値観や適性を再評価しましょう。これによって、今後のセカンドキャリアがより充実したものになる可能性が高まります。

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【内的キャリアを知ると働き方が変わる! 考え方をわかりやすく解説

 

まとめ

この記事では、休職や離職を肯定的に捉える考え方である「キャリアブレイク」について紹介しました。

「キャリアブレイク」によって、自分自身のありたい姿を考えることで、今後のキャリアにおいて選択肢が広がることも期待できます。

Q&A

「キャリアブレイク」とはなんですか?
「キャリアブレイク」とは、休職や離職によって一時的に仕事から距離を置き、学びなおしやステップアップのために休息を取ることを指します。キャリアの振り返りや新たなスキルの習得など、自己成長につながる時間を確保することを目的とします。
「キャリアブレイク」が注目される背景は?
日本で「キャリアブレイク」が注目される背景には、リカレント教育、自己理解とキャリア自律、ワークライフバランスの三つの理由が挙げられます。リカレント教育を通じてスキルや知識を磨き、自己理解を深め、ワークライフバランスを図る手段として「キャリアブレイク」が注目されています。
「キャリアブレイク」期間中にするとよいことはありますか?
「キャリアブレイク」期間中に自分自身の価値観や目的を再評価することがおすすめです。新たな興味やスキルを発見することができるでしょう。また、リカレント教育を受けたり、自分の強みや志向を理解する手助けとなります。期間中には、自分の気持ちを整理し、今後のキャリアにおいて選択肢を広げるための準備を行うことが有益です。
「キャリアブレイク」制度がある国はどこですか
「キャリアブレイク」の考え方は欧州で広く発展しており、ベルギーでは現在、キャリアブレイク制度をベースとした、労働者の権利が充実したタイムクレジット制度が導入されています。

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