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キャリア - 2023.11.22更新 / 2023.11.26公開

キャリアの悩みはだれもが抱えている~年代別の悩み・性別ごとの悩み

「自分はどのようにキャリアを積んでいくべきか」
「これからのキャリアをどうしていくべきか」
という悩みは、ビジネスパーソンであれば誰もが抱えるものです。

このページでは、「どれくらいの人がキャリアに関する悩みを抱えているのか」「世代によるキャリアに関する悩みの違い」「女性に多いとされるキャリアに関する悩み」について紹介していきます。

キャリアに関する悩みを抱えている人は7割を超える

キャリアに関する悩みを抱くビジネスパーソンは、決して少なくはありません。むしろ、「仕事をしていくなかで、悩みや不安を抱えたことがない」という事は極めてまれでしょう。

たとえば、Job総研が635人の20代〜50代を対象としてとったアンケートでは、「キャリアに関する悩みがある」と答えた人が70%を超えています。

「ある」と答えた人が36%程度、「どちらかといえばある」と答えた人が35%程度であり、これが全体の3分の2近くを占めているのです。対して、「どちらかといえばない」は12%程度、「まったくない」と答えた人は17%にとどまっています。

非常に興味深いのは、このように答えている人のうちの74%程度が「現在の仕事は充実している」と答えている点です。半分以上が「どちらかといえば充実している」と答えていますし、4人〜5人に1人は「とても充実している」と答えています。現職に対して否定的な意見を持つ人は、4分の1程度にすぎません。

出典:PRTIMES(Job総研)「Job総研による『2022年 キャリアに関する意識調査』を実施 7割が今後のキャリアに不安 賃金上がらず不透明な未来に当惑〜 年収・やりがい・将来像 年代別で異なるキャリアの不安とは 〜」

世代別にみるキャリアに関する悩み

厚生労働省が2022年に調査した「仕事や職業生活に関する強いストレスの有無及び内容別労働者割合」をみていきましょう。全年代で大きな割合を占めているのが「仕事の量」と「仕事の失敗、責任の発生等」であることが分かります。

また、20代では「役割・地位の変化等」が最も低いのに対し、現場の最前線で働くことが他の年代よりも多いためか、「事故や災害の体験」に不安を感じる割合が高い傾向にあります。


厚生労働省 厚生労働省 2022年労働安全衛生調査 第13表を加工して作成

では、前出のデータや上記のグラフを踏まえた上で、キャリアに関する悩みを世代別にみていきましょう。

20代は適職が見つからないことが悩みの種

20代でもっとも多い悩みは、「自分の適性が分からない」というものです。

新卒で入社をした場合であれば、生活や仕事に慣れるまでの1年を過ごし、そして2年、3年と経験を積むにつれ「本当にここが自分にとってベストの会社なのだろうか」と悩むことが多いといえます。

また仕事上のミスを起こして叱責された場合、「自分はこの仕事に向いていないのではないだろうか」と悩むこともよくあるでしょう。

「新人ゆえに仕事で失敗する→叱責される→モチベーションが低くなる→自分が仕事に向いていないのではないか→悩んでいる状態で仕事をするため、さらに失敗しやすくなる……」という悪循環に陥るケースも少なくありません。

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30代は仕事のやる気が起きないことに悩む人が多い

30代に入ると、多くの人が仕事に対してある種の「慣れ」を抱くようになります。同じ企業への勤続年数が長くなればなるほど、その傾向は高いといえるでしょう。

また、30代後半は中堅社員として昇進や昇格による役割の変化を経験するビジネスパーソンも多いでしょう。

「毎日同じ仕事をしていて飽きてきた」
「叱責こそされないが、褒められるわけでもない」
「昇進で配置転換後、ほとんど未経験の業務をするようになった」
などのように、置かれた状況によって様々な事で悩みやすくなるのが30代です。

また、30代は性別を問わず、プライベートでの変化が起こりやすくなる年代でもあります。仕事と生活両方での悩みを抱えやすいのも30代の特徴であり、仕事だけに集中することが難しい時期だといえるでしょう。

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40代以降は仕事に対する正当な評価がなされないことに悩む人が多数いる

40代に入ると、「仕事が正当に評価されない」ことに悩み始める人が多くなります。

「業績は上げているのに、評価や給与面に反映されない」
「成績ではなく、上役に気に入られているかどうかで昇進の速度が変わっていっているように思える」
などの悩みを抱きやすいのが40代です。

特に40代では上の世代が詰まっているため、会社側が新しい役職を作って昇進させるなどの動きも見られますが、仕事量が増えただけで待遇や給与は据え置きというケースもあります。

そのため、自分自身での「気の持ちよう」だけでは状況を好転させにくいのも大きなストレスです。

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「女性のキャリア」を考えるうえでネックとなっていること

ここからは、「キャリアに関する悩み」のなかでも、特に「女性のキャリア」について注目していきましょう。

1985年に男女雇用機会均等法が制定されてから、女性の働き方は大きく変わりました。現在でも様々な取り組みがなされていますが、厚生労働省が2022年に行った「性、離職理由別離職率」をみると、出産・育児で離職した女性は0.3%なのに対し、男性は0%となっています。

また、結婚を理由に離職した女性も0.2%なのに対して、男性は0%という結果から、女性はライフスタイルの変化によって離職をする割合が男性よりも高いことがわかります。


厚生労働省 雇用動向調査結果の概要 表3-2を加工して作成

こちらは、2021年に内閣府が調査した「就業者及び管理的職業従事者に占める女性の割合(国際比較)」です。日本は就業者が44.4%と高い割合であるのに対し、管理的職業従事者の女性は13.3%と、諸外国と比較しても非常に低くなっています。


内閣府 男女共同参画白書 令和2021年版 I-2-14図を加工して作成

同じ役職にあっても男女で差が出る給与

総合人材サービスのランスタッドが、世界33か国を対象としてアンケートを行いました。

その結果として、日本人女性のうちの約4割が、「同じ役職にあっても、女性の給料は男性の給料よりも低いと感じている」と回答しています。また日本人男性でも、4人に1人がこの意見に賛同しています。

対して、国外の女性の場合は、4人に1人程度がこの意見に賛同するのみです。国外の男性にいたっては、85%近くの人が「役職が同じならば、男性と女性は同じ賃金である」と判断しています。

加えて、このアンケートでは、「女性は、男性と同等程度にキャリアに関するサポートがなされていると感じているか」という設問が設けられていました。

これに対して、日本人女性のうちの43%近くが「いいえ」と答えています。また日本人男性でも38%が「いいえ」としています。

ちなみにこの数字も国外の統計に比べて悪く、海外女性の場合は約36%が、海外男性の場合は23%近くがこのように考えているにとどまっています。

このような現状を踏まえれば、女性が抱える「キャリアの悩み」には多分に「現在の日本の在り方」「ライフスタイルの変化による影響」が関わってきているといえるでしょう。

【ランスタッド・ワークモニター】性別間の報酬やキャリアサポート(採用・昇進等)に差を感じる 日本の女性労働者が多いことが判明

厚生労働省「第2回21世紀成年者縦断調査(国民の生活に関する継続調査)結果の概況

まとめ

「キャリアに関する悩み」は多くの人が抱えているということが分かっています。

「まったく悩みを持っていない」というビジネスパーソンはむしろ少数派であり、なんらかの悩みを持っています。

キャリアコンサルタントは、このような様々なキャリアに関する悩みのサポートを行う専門家です。一人ひとりで状況が異なるため、それをカウンセリングを通して把握し、適切なアドバイスやサポートを行います。

働き方などの選択肢が多様化しているため、自分自身で悩みを解消し、キャリアを選択していくことが非常に難しい現代において、キャリアコンサルタントの役割は大きいものになっています。

Q&A

キャリアとはなんですか?
キャリアとは、厚生労働省「キャリア形成を支援する労働市場政策研究会」報告書によると、「一般に”経歴”、”経験”、”発展”さらには、”関連した職務の連鎖”等と表現され、時間的持続性ないし継続性を持った概念として捉えられる。」とされています。
キャリアの悩みにはどのようなものがありますか?
キャリアの悩みは人によって、また年代によっても様々な傾向がありますが、例えば、「自分の適性が分からない」「本当にここが自分にとってベストの会社なのだろうか」「やる気が起きない」「仕事が正当に評価されない」などが挙げられます。
「仕事の悩みの有無」は年代によって異なるか
年代だけではなく、社内でのポジションや業務内容によっても異なるといえます。たとえば、同年代の同期と全く同じ悩みを持つというビジネスパーソンはおらず、一人ひとりがキャリアに関する悩みを持つと考えてよいでしょう。
キャリアに関する悩みを相談する場合は?
キャリアに関する悩みのサポートを行う専門家であるキャリアコンサルタントに相談をするよいでしょう。

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