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キャリア - 2024.10.14更新 / 2022.11.11公開
今、キャリアが重要視されている理由
さまざまなシーンで使われるようになった「キャリア」という言葉。今や職場のみならず教育現場でも使用されています。
どういった職業に就くかというキャリア選択の場面や、今後どう成長していくのか将来を設計する場面など、私たちがキャリアと向き合わなくてはいけない時はたくさんあります。
キャリアの重要性が高まる中、個人としてどう考えていくべきなのか、何から考えるべきなのかわからないという方も多いのではないでしょうか。
本記事では、「キャリア」とは何なのかということを詳しく解説します。
なぜキャリアを考える必要があるのか
キャリアとは、そもそもどういった意味なのでしょうか。そしてなぜ、近年重要視されてきているのでしょうか。
「キャリア」とは何か
厚生労働省ではキャリアを下記のように定義しています。
「キャリア」とは、一般に「経歴」、「経験」、「発展」さらには、「関連した職務の連鎖」等と表現され、時間的持続性ないし継続性を持った概念として捉えられる。
「職業能力」との関連で考えると、「職業能力」は「キャリア」を積んだ結果として蓄積されたものであるのに対し、「キャリア」は職業経験を通して、「職業能力」を蓄積していく過程の概念であるとも言える。
引用:厚生労働省 | 「キャリア形成を支援する労働市場政策研究会」報告書について
つまり、キャリアとは、仕事で得ていくものと、得ていく過程ということです。キャリアというと、出世や好条件の企業への転職などをイメージする方も多いかもしれませんが、これらはあくまで一時的な結果です。キャリアの本来の意義は継続されていくプロセスなのです。
キャリアが重要視される理由
ここ数十年の社会のトレンドを追ってみると、年功序列・終身雇用制度の崩壊、グローバル化や顧客ニーズの変化による企業間競争激化、技術革新などさまざまな変化が起こっています。キャリアが重要視されている理由は、このさまざまな環境の変化にあると言えます。
企業側の視点
各企業はこれまで以上に厳しい環境を生き抜かねばならず、労働者を雇用するかどうかの判断もシビアになっています。自社に貢献できる能力を持っているのか、環境の変化に対応する力があるのかといった点がより重視されるようになってきているのです。
求められる人材であるために、労働者個人は自発的に知識を取得したり、スキルアップをし続ける必要があります。つまり、キャリアは企業側の判断材料であると同時に、労働者にとって必要なものとして重要視されてきているのです。
個人としての視点
企業側の視点だけでなく、一人ひとり、一個人としてのキャリアも重要になっています。
人生100年時代という言葉があるように、長い人生を自分らしく生きていきたいものです。そのためには、リカレント教育で学び直したり、リスキリングで新たな技術を身に付けたりするなど、自分のキャリアを主体的に自律して育てていくことが重要な時代になっています。
キャリアが重要視されている具体例
この章では実際に企業が導入している制度について見ていきます。
「ライオン株式会社の副業・副業公募制度」
ライオン株式会社では、2020年から副業・副業公募制度を設けて、以下のような表明をしています。
意識的自律をした従業員の「学びと経験」の創出の場として、2020年より副業制度(持ち込み型副業制度、選択型副業制度)を開始しました。副業は自分の可能性を広げ、自分のチカラをもう一度見つめ直す機会になるため、従業員を社外へ「送り出す(副業申告制)」ことと、外部からの副業者を「受入れる(副業公募制)」ことの両方に取り組んでいます。
引用:ライオン株式会社 | 人材開発
副業制度を導入することにより、社員は社外での経験を積むことで新たな自分を発見し、キャリアの幅を広げる選択肢を増やすことが期待されます。また、副業者を受け入れて新しい考え方や価値観を社内に取り込むことで、新たな価値の創造にもつながるでしょう。
「ヤフー株式会社・勉学休職制度」
ヤフー株式会社では、2014年から勉学休職制度を導入しています。
キャリア施策のひとつとして、普段の業務を離れて専門的知識をより集中的に習得できる機会を提供するための休職制度です。勤続3年以上の正社員を対象に、最長2年の期間で取得可能です
引用:ヤフー株式会社 | 福利厚生
「サントリーホールディングス株式会社・65歳以降再雇用制度」
サントリーホールディングス株式会社は、2020年にシニア世代のさらなる活躍の推進を掲げて65歳以降再雇用制度を導入しました。
さらに、45歳以降に転職または起業した社員を、退職後3年以内であれば1回限り再雇用する、カムバック制度も導入しています。従業員のキャリア形成を重視するとともに、キャリアのある外部人材を積極的に自社に受け入れているのです。
このように、従業員のキャリア形成につなげるための副業制度を設ける企業は増えています。
関連記事
【事例あり】キャリア開発とは? 必要性や具体的な方法を紹介 | リカレントcounselor |
教育現場の変化 「キャリア教育」の推進
日本では1990年代後半から、「キャリア教育」についての議論が盛んになりました。
キャリア教育とは
社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となり能力や態度を通して、キャリア発達を促す教育
引用:文部科学省 | 「キャリア教育の推進」
20世紀後半に社会や生活様式にも大きな変化が起こり、子どもたちは身近な大人から、こうなりたいという理想像を見つけにくくなったため、キャリア教育が推進されるようになった、という背景があります。
小学校 |
働くことの大切さへの理解・興味・関心の幅の拡大。 |
中学校 |
社会における自らの役割や将来の生きかた・働きかたを考える。 |
後期中等教育 |
生涯にわたる多様なキャリア形成に必要な能力・態度の育成。 |
高等教育 |
学校から社会・職業への移行を見据えて、自らの視野を広げる。 |
参考)文部科学省 | 「キャリア教育の推進」
現在は、小学校から段階を踏んでのキャリア教育が推進されています。小学校では働くことの大切さなどに重点を置いて、理科では学習する内容とさまざまな職業の関係を知ったり、社会では職業の意義や役割などから、雇用と労働条件について学んでいます。
中学生になると実際に職業体験やインターンシップを経験したりなど、将来のありかた、生きかたなどを組み込んだキャリア教育が実施されます。このように、義務教育課程からキャリアを描く能力が重要視されているのです。
まとめ
このページではキャリアについてと企業のキャリアに係るさまざまな制度、そして現在推進されているキャリア教育についても解説しました。今回の解説を通して、キャリアへの理解を深めお力になれましたら幸いです。
Q&A
なお、企業によっては、副業やより専門的な分野を学ぶための勉学休職制度などを導入しており、キャリア支援に力を入れています。
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