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MENTAL HEALTH - 2021.03.19

ハビットマインド(習慣思考)のすすめ 第4回「言葉の処方箋とは」

この記事を書いた方のご紹介

水口明子(リカレントメンタルヘルススクール専任講師)

リカレント メンタルヘルススクール専任講師
精神保健福祉士/公認心理師
20年以上サービス業に従事。その後、精神保健福祉士や資格を取得し、対人援助職に従事。
2019年に、ハビットマインドKOKOLOを開業。小学館の「Suits woman」において「ハビットマインド診断」を連載中。医療、福祉、学校、産業分野においての幅広い経験値をもとに活動している。

ハビットマインド(習慣思考)のすすめ 第4回「言葉の処方箋とは」

雛祭りも終わり、花のつぼみもほころぶ季節となりました。この季節は、例年ですと、新年度を迎えるにあたり、出会いと別れの季節であり、行事も多いと思います。
今年は、コロナウイルス感染症の拡大で異なる状況を強いられている今日この頃ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?
リカレントメンタルヘルススクール専任講師をしております、水口明子です。

今日は、樋野興夫さんの『明日この世を去るとしても今日の花に水をあげて』の一説の言葉。
『言葉の処方箋』という言葉を取り上げ、考察してみたいと思います。
樋野興夫さんは、順天堂大学医学部で、病理・腫瘍学の教授を務める病理学者です。
病理学者は、外来にでる臨床医とは異なり、患者さんに会うことはまずなく、研究室でがん細胞を観察し、亡くなられた方の病理解剖を行うのが主な仕事です。
しかし樋野教授は、2008年1月、「医者とがん患者が対等の立場でがんについて語り合う場」として、がん哲学外来をスタートさせました。最近ではこの本を題材にした映画も作られました。
実は私も以前に樋野先生とお会いしたことがあります。

人間の根源に触れる問いかけ・・それは、思考そのものを前向きに変化させることにつながる  それが「言葉の処方箋」

がんになると、多くの人は自らの「死」を意識し始めます。そして、約3割の方が「うつ的」症状を呈します。
がんになったことで生きる希望を失ったり、生きる意味を見いだせなくなるというようなうつ的な状態に陥ってしまうのです。
“うつ的な”ということであり、うつ病ではありませんので、薬で治すことはできません。励ましや、応援の言葉も有効ですが、残念ながら一時的なものにすぎません。言われた直後は心が前向きになり、元気が出るように思うかもしれませんが、独りになると不安や恐怖に襲われます。
うつ的な症状を解消するには、患者さんの思考そのものを前向きに変化させることが重要であると、教授は説きます。そのきっかけとなるのが、「言葉の処方箋」であり、人間の根源に触れる問いかけであると・・・。

こんな世の中だからこそ、相手に興味関心を持ち、相手を労い、出会えたことに感謝し、その方のいいところを誉める

先日リカレントで、『誉め言葉で、相手が変わる、環境がかわる』と題して、プレミアムセミナーを行わせていただきました。

セミナーの内容を考えたときに、前段でお話をしました、樋野興夫さんの『言葉の処方箋』を思い出したのです。昨年からコロナウイルスの影響で、今までの日常を変えざるをえなくなり、多くの人がストレスを長期間感じていると思います。
マスメディアから流れる情報も、殺伐としたものが多く、私自身もやり場のない怒りや、不安などを感じて、イライラしてしまうことも多い日々でした。友人とのメールや、ラインのやりとりも、ネガティブな用語がならび、それを見て、また沈む毎日だった気がします。

でもある時ふと思ったのです。
こんな時だからこそ、たとえ限られた人間関係の中であっても、目の前にいる相手に対して、(それがリモートであり、電話であり、メールであったとしても)興味関心を持ち、相手をねぎらうこと、出会えたことへの感謝の気持ちを伝えること、そして相手のいいところを誉めること、そんな小さなことが大切ではないか?
そしてまたそのことは、実は、自分にとっても、そのねぎらいの言葉や、感謝の言葉や、相手のいいところを誉める言葉を紡ぐことで、自分にも温かい気持ちになり、元気になれると思うのです。

人は誰でも自己の内部に自分を成長させる欲求を持っている=自己実現

カウンセリングの勉強で最初に学ぶのが、「来談者中心療法」というものです。
これは、人間性心理学というくくりの中で、アメリカの臨床心理学者カール・ロジャースが創始した心理療法です。この来談者中心療法の大切な考え方として、『人は誰でも自己の内部に自分を成長させたいという欲求をもっている。(成長欲求)』と言っています。
このことを、人間性心理学を創始したアメリカの心理学者マズローは、自己実現と呼んでいます。
(マズローの5段階欲求階層説より)

カウンセリングでは、クライエントの方々は、悩みを相談にいらっしゃいます。その状態は決していい状態ではありません。自分を否定したり、その置かれている状況を悲観され、将来をも不安視されていらっしゃいます。そのような状況下で、カウンセラーはどのように向き合えばいいのでしょうか?

目の前にいるクライエントに対して、まずは、置かれた状況に向き合われていることへの労い、そして、ご本人も忘れかけてしまわれている強みの部分や、いいところを、お話を伺っている中で、一緒に気づいていくこと、そのようなことを心がけていくことがとても大切なことだと私は思っています。

そして、できるだけいい言葉を紡いでいく、まさに、『言葉の処方箋』を常に意識しながらクライエントの方と向き合いながら、その方の本来のできている部分や、強み、自身の内部にある成長欲求や、持っている力に気づいていただき、よくなるための方向性を一緒に考えていくこと、それが、カウンセリングの本来の姿であると思うのです。

まとめ

「ハビットマインド(習慣思考)のすすめ」第4回は「言葉の処方箋」をテーマに語っていただきました。
コロナウイルス感染症の拡大で例年とは異なる状況を強いられている時代だからこそ、相手に興味関心を持ち、相手を労い、出会えたことに感謝し、その方のいいところを誉めることの大切さに共感された方も多いのではないでしょうか。
カウンセラーやカウンセラーを目指す皆さんだからこそ「言葉の処方箋」を意識して、相談者の方と向き合いたいですね。
次回のコラムもぜひ楽しみにしていてくださいね。

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