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MENTAL HEALTH - 2023.04.05

ハビットマインド(習慣思考)のすすめ 第5回「自尊心とプライドの違いとは…そして、バランスを保つこと」

この記事を書いた方のご紹介

水口明子(リカレントメンタルヘルススクール専任講師)

リカレント メンタルヘルススクール専任講師
精神保健福祉士/公認心理師
20年以上サービス業に従事。その後、精神保健福祉士や資格を取得し、対人援助職に従事。
2019年に、ハビットマインドKOKOLOを開業。小学館の「Suits woman」において「ハビットマインド診断」を連載中。医療、福祉、学校、産業分野においての幅広い経験値をもとに活動している。

春から初夏にかけては、植物にとって成長を促す大切な時期、この時期の雨には、さまざまな植物の名前がついています。3月下旬から4月にかけては、菜の花(別名:菜種)の咲いている時期に降り続く雨のことを「菜種梅雨」といわれています。菜の花をはじめいろいろな花を催す(咲かせる)という意味で、「催花雨」という別名もあるようです。風情があっていいものですね。

リカレントメンタルヘルススクール専任講師の水口明子です。

さて、年度替わりを迎え、新しい生活をされている方も多いと思います。そのような環境で、「どうしても人と比較してしまうことで悩んでいる」という方から相談をうけました。その方のエピソードとともに、『自尊心とプライドの違い』について今回は考察していきたいと思います。

他人と比べてしまう自分

●相談者より
>>水口さんこんにちは。最近ある出来事を通して、改めて自分は人と比べているのだなと、認識するようになりました。比較して苦しくなる。なんで自分は普通にできないのだろう。いやいや、そもそも普通って何よ? 普通って、ただ、自分が自分で決めた基準じゃん。視野が狭いよ。
人はそれぞれ生きてきた経緯が違うし、特徴も個性も違う。だから、比べる必要がないというか、そもそも比べられるものじゃないのでは? 自分に問いかけています。元々比べる対象ではないのに…あとは、それができないとダメな理由って何? こんなふうに考えると、意外と特になかったりします。うんうん、考えすぎるのもよくないですね。(笑)<<

●相談者へのメッセージ
==〇〇さんご連絡ありがとうございます。『他人との比較』重要なキーワードですよね。
社会は、一人では生きていけないし、他人と競争しながら、自分を高めていくこともあるし…。私も随分悩みます。今でもですね。でも、そんな時には、私は『バランスを保つ』という言葉を常に意識するようにしています。どちらかに傾いているな、傾きすぎているな、と感じたら、バランスをとって、フラットに生きること、このバランスを保つためには、自分自身を俯瞰的にみること、そのためには、やはり、体調をいい状態にしておくこと、周りとの関係性をより良く保つ事。考えることは、決して悪いことではありません。でも考えすぎて、自分が疲れてしまうときは、休ませてあげる。シーソーをイメージしながら、生きていくことが大切なのだと思います。では、また。==

自分ならどうするのかを考える作業も大切

カウンセラーというお仕事は、クライエントの悩みを伺い、その悩みに対して、クライエントがよくなっていくための気づきや、良くなっていく過程を一緒に構築していく作業ではないかと思います。

その時に私自身は、クライエントの悩みをいったん自分に置き換えて考える作業をしています。自分自身が同じ悩みを抱えたら、どのようにその問題をとらえて、解決していくのだろうかと…。

前段の方の悩みを伺ったときに、ふと、思い出したのが、『自尊心とプライドの違い』というキーワードでした。

自尊心とプライドの違い

日本では、自尊心とプライドは、同じようなものとされてしまっているようですが、英語では言葉を変えています。

自尊心(Self-esteem)とプライド(Pride)の違いを整理してみると、自尊心(Self-esteem)は、自信に由来するのに対して、プライド(Pride)は、自信の欠如=劣等感に由来しています。

従って自尊心は、自分の存在そのものに価値があると感じるのに対して、プライドは、他者との比較において、自分が上(または下)と認識してしまいます。常に自分の価値がいつも他者との比較の中で決定するので、自分の価値は常に揺らいでおり、不安にさいなまれるのです。
 

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「プライドの人生」は…「自尊心の人生」は…

「プライドの人生」は、壁を作り、引きこもり、攻撃的に被害者もしくは加害者として生きづらさを感じながら生きていきますが、「自尊心の人生」は、壁を乗り越え、相手を信じることで共に生きることができ、自分の存在そのものを尊いと感じながら生きられるのです。

多くのクライエントは、自尊心を持てずに悩まれています。しかしながら、この『自尊心とプライドの違い』の話をすると、多くの方が納得をされます。

実は、このようなことを申し上げている私自身も、いつも他人と比較し、自分のできないことや欠点に焦点をあて、自分を許せずに責めたり、また、失敗を恐れて防衛的、保守的になっていたなと、つい最近になってやっと気づきました。もう荷下ろしをしようと決断し、プライドという名の劣等感を手放すことにしました。

このようなことを考えてこられたのも、心理学との出会い、そしてカウンセリングを通してのクライエントの方々の人生からの学びによるものであったと思っています。そして、これからもこの取り組みは続けていこうと思っているのです。

まとめ

「ハビットマインド(習慣思考)のすすめ」第5回は「自尊心とプライドの違い」をテーマに語っていただきました。いかがでしたでしょうか。カウンセラーやカウンセラーを目指す皆さんにはヒントになったことも多いのではないでしょうか。次回のコラムもぜひ楽しみにしていてくださいね。

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