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キャリアコンサルタント資格 - 2023.03.03公開

キャリアコンサルタント、資格の活かし方~活躍の場と展望について

多くの人のキャリア形成のサポートをしたり、就職・転職に悩む人にアドバイスしたりすることを仕事とする「キャリアコンサルタント」は、現在多くの企業に注目されている職業です。

ただ、キャリアコンサルタントを目指す人のなかには、「キャリアコンサルタント自身の活躍の場はどこにあるのだろうか」「キャリアコンサルタント自身の展望はどうだろうか」と考える人もいることでしょう。

このページでは、キャリアコンサルタント資格の特性や資格の活かし方を解説していきます。

キャリアコンサルタント資格の特性とは

キャリアコンサルタントとは、就職・転職を希望する人のサポートをしたり、より良いステップアップができるようにするためのアドバイスを行ったり、相談者のキャリア構築の手伝いをする職業のことをいいます。

「キャリアコンサルタント」という名称は、勝手に名乗ることのできるものではありません。厚生労働大臣に認定されたものであり、国家資格に分類されます。そのため、キャリア関連の民間資格とは明確に区別されます。

キャリアコンサルタントの活躍の場

キャリアコンサルタントの活躍の場は、非常に多岐にわたります。
 

・ハローワークや自治体窓口などの公的な機関
・人材派遣会社
・大学のキャリアセンター
・人材育成を担当する企業の人事部など

 
「どこで働くか」によって、キャリアコンサルタントの働き方や働くうえでのメリット・デメリットが変わってきます。ひとつずつ見ていきましょう。

ハローワークなど、公的な機関で働く

仕事を辞めた後に雇用保険の給付を受けるために、あるいは新しい職場を探すために、ハローワークに足を運んだことのある人もいるかもしれません。ハローワークを訪れる人は、年齢も属性も多岐に及んでいます。仕事の内容も、新しい就職先の紹介やあっせんから、公的職業訓練まで担当することになります。

社会貢献度が高い公的な機関

自治体の就労支援窓口等では、あらゆる阻害要因により就職に困難を抱える人のための相談業務があります。社会貢献度が高くやりがいにつながります。

「多くの人と接したい」「それぞれの経験やバックボーンに合わせた就職・転職支援がしたい」と考えるキャリアコンサルタントには、公的な機関での就労が向いているでしょう。

人材派遣会社で働く

企業と、就職・転職希望者の橋渡しをすることを仕事とする人材派遣会社で働く場合、「キャリアコンサルタントとして働いたことがない」という人でも比較的採用してもらいやすいというメリットがあります。また、人材派遣会社の場合は「新卒でも既卒でも、正規社員での雇用」が比較的多い傾向にあります。

営業経験があれば強みに

人材派遣会社のなかにはノルマを設定しているところもあります。数字を追いかけることが好きな方や営業の経験がある方はアドバンテージとなることも多いです。

大学のキャリアセンターで働く

大学には「キャリアセンター」という就職支援・指導を行う部門があり、そこでも、キャリアコンサルタントは活躍しています。

相談者は「大学生」

ほかの働き方とは異なり、大学で働くキャリアコンサルタントは基本的には「新卒予定者」の指導に当たることになります。そのためその仕事内容もほかの働き方とは異なり、エントリーシート・履歴書の書き方の指導や、模擬面接などの仕事が主となります。

また翌年の就職計画を立てることも、キャリアコンサルタントの仕事となることが多いといえます。

学生の就労支援サポートがメインの業務となりますので、場合によっては「職業体験プロジェクト」「社会に出て働くということはどういうことかの講義」なども行うこともあります。「未来ある学生をサポートできること」はキャリアセンターで働く大きなメリットといえるでしょう。

企業の人事部や社内キャリアコンサルタントとして働く

現在のキャリアコンサルタントの働き方のひとつとして、「企業のなかで働く」というものがあります。上記で紹介してきたキャリアコンサルタントは、すべて「就職あるいは転職」に関わる仕事を中心としてきましたが、企業のなかでキャリアコンサルタントとして働く場合は仕事内容が大きく変わってきます。

ワークライフバランスの調整

企業内で働くキャリアコンサルタントに求められる仕事は、「社員のキャリア構築」「社員のワークライフバランスの調整」です。企業にとってより良い人材を育成するための指導を行うこともありますし、社員一人ひとりのキャリア構築のためのアドバイスを行うこともあります。

社内での調整役

また企業内で活躍するキャリアコンサルタントは、時に企業(の上層部)と社員の調整役としての働きも求められます。

社員が極端に私生活を犠牲にして働いているようならばその負荷を軽くし、ワークライフバランスを取れるようにしなければなりません。その働きかけを、キャリアコンサルタントが行うのです。このようにしていくことで、「せっかく育て上げた人材」が転職・辞職していくことを防げるため、企業側にもメリットをもたらすことができます。

企業内で働く場合、週5のフルタイム勤務が前提になっていると考えた方がよいでしょう。また、休日は企業の「会社カレンダー」に準じる場合が多い点には、注意が必要です。

キャリアコンサルタントが活躍できるその理由は?

このように多様な働き方ができるようになっている キャリアコンサルタントですが、その未来の展望は明るいものだといえるのでしょうか?

さまざまな意見はあるものの、キャリアコンサルタントの未来に関しては「おおむね明るい」ととらえている専門家も多いといえます。その理由は、「キャリアコンサルタントという仕事が、個人にも、行政にも、企業にも求められていること」にあります。

ひとつずつ見ていきましょう。

〈個人〉自分に向いているキャリアアップの方法や、就職先を知ることができる

人材派遣会社やハローワーク等の職業紹介事業に所属して働いているときに特によく感じることになるかと思われますが、キャリアコンサルタントは「個人」からのニーズが非常に高い職業であるといえます。

就転職のサポート

初めて就職する人は「働くのが初めてで、本当に上手くいくのだろうか」という不安を抱えています。また、前の職場を後ろ向きな理由(「人間関係がこじれた」「給料が安すぎた」など)で辞めた人の場合は「転職しても上手くいかないのではないか」という悩みを抱えがちです。

このような苦悩を抱える彼らに対して、何の根拠もなく「あなたなら絶対に大丈夫だよ!」と励ますのは、根本的な解決になりえません。

しかしキャリアコンサルタントならば、相談者の持っている経験や知識を元に、新しい就職・転職先を提案することができますし、その経験・知識を客観的に評価してプラスのアプローチを行うことができます。これは自分に自信がない人や自分のやりたいことが行方不明になっている人、自分の強みを自覚できていない人にとって、大きな救いとなります。

また、「より良い人生のためにステップアップをしたい」「キャリアアップのための道筋を模索している」という人にとっても、プロの視点でアドバイスをくれるキャリアコンサルタントは非常に頼りになる存在です。

このように、就職・転職・キャリアアップを考えている人からの需要は非常に高いのです。

〈行政〉就労率を上げられる

総務省統計局の出した「労働力調査(基本集計)2022年(令和4年)9月分結果」によれば、完全失業率(就労したいという気持ちがあるにも関わらず就職ができず、無職の状態にある人の割合)は2.6パーセントということです。なおこの数字は2019年の統計からほぼ変わらず、2.4パーセント〜2.8パーセントの間を推移しています。

再就労支援

行政は、このような完全失業状態にある人をバックアップし、就労へとつなげたいという考え方を持っています。また、「今まで都会で働いていたけれど、Uターンで地元に戻って地元の産業に関わる」という人のことも支援しなければなりません。

加えて、女性の就労問題である、結婚~妊娠~出産適齢期に就労割合が減り、子どもが手を離れた後に再度就労する人が多くなる、という女性の労働状況を表す指標であるM字カーブ問題の解決も考えなければなりません。

完全失業率の低下やUターン就職者への支援、女性の就労問題を考えたとき、行政は「キャリアコンサルタント」という存在に助けを求めました。

現在のハローワークではキャリアコンサルタントを窓口の1つに配置するやり方が主流になっているのは、このような流れを受けてのことです。今後も、行政はキャリアコンサルタントをひとつの切り札として扱っていくものと思われます。

〈企業〉人材育成や人材開発の手段となりえる

上述でも少し触れましたが、キャリアコンサルタントは企業にとっても非常に重要な存在です。

「就労意欲があるにも関わらず就労できない」という人がいる一方、「非常に優秀で多くの企業が欲しがる人」がいるのもまた事実です。企業側は当然このように「優秀な人材」を育てたくなりますし、また育成をした「優秀な人材」を自社に囲い込んでおきたいと考えるものです。

このような考えを持つ企業にとって、キャリアコンサルタントは非常に心強い味方となります。

従業員エンゲージメントの向上

キャリアコンサルタントは社員一人ひとりのキャリア構築の手伝いができ、人材教育のための講習業務も受け持ちます。また、育成した優秀な社員がほかの企業に流出してしまうのを防ぐために、企業に対して労働環境の改善の提案などを行うこともできます。

従業員側と企業側、双方に対して働きかけることによって、「社員がのびのびと働けて、その高い能力を発揮し、しかも離職率の低い職場」を作り上げていくことができるのです。

企業内で働くキャリアコンサルタントは、「一番の主役」「会社のメイン」となる機会はそれほど多くはありません。しかし多くの社員のサポートを行い、その地力をアップさせるために働くキャリアコンサルタントは、人材育成を重んじる企業にとってなくてはならない存在といえるでしょう。

まとめ

キャリアコンサルタントの資格の活かし方はひとつではありません。個人・行政・企業の三者からニーズのあるキャリアコンサルタントは、やりがいのある仕事といえるでしょう。人の支援や社会に貢献したいと考えている方は、ぜひキャリアコンサルタントの資格を検討してみてください。

Q&A

キャリアコンサルタントが注目されはじめたのはいつからですか?
2010年に敷かれた「緊急雇用対策」において、キャリアコンサルタントの重要性が説かれました。
キャリアコンサルタントになりたいのですが、年齢制限はありますか?
キャリアコンサルタントの受験資格には、年齢の制限はありません。また、学歴の有無も問いませんので受験資格を満たしていれば、高校生などでも資格試験に挑戦することが可能です。
キャリアコンサルタント資格を活かせる場は
キャリアコンサルタント資格を生かせる場は、ハローワークなどの公的機関、大学のキャリアセンターや人材派遣会社など多岐に渡ります。
フリーランスで働くことはできますか?
可能ですが、未経験や経験が浅いうちにフリーランスとして活躍をする場合は、様々な努力が必要になってくるでしょう。名前の売れたキャリアコンサルタントなどの場合は、「そのキャリアコンサルタントについているお客様」がいるため、フリーランスになっても食べていくだけの報酬を得られる可能性は高いといえます。

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