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MENTAL HEALTH - 2023.03.13

ハビットマインド(習慣思考)のすすめ 第3回「相手に興味関心を持つことの重要性」

この記事を書いた方のご紹介

水口明子(リカレントメンタルヘルススクール専任講師)

リカレント メンタルヘルススクール専任講師
精神保健福祉士/公認心理師
20年以上サービス業に従事。その後、精神保健福祉士や資格を取得し、対人援助職に従事。
2019年に、ハビットマインドKOKOLOを開業。小学館の「Suits woman」において「ハビットマインド診断」を連載中。医療、福祉、学校、産業分野においての幅広い経験値をもとに活動している。

桜が待ち遠しい季節になりました。これまでの制限も緩和され、活動的になっているかたも多いのではないでしょうか。季節の変わり目で疲れの出やすい時期でもありますので、体調管理をしっかりしていきましょう。

リカレントメンタルヘルススクールで専任講師をしております、水口明子です。

人がいれば、問題は必ず起こる ― より多くの問題は、人間関係

家族でも、学校でも、人がいるところには、必ず何らかの問題が起こります。会社も例外ではありません。ミスやトラブルは人が生きていく中で避けては通れないものです。避けて通れないならば、できるだけそれを大きくせずに、解決させ、その問題を滞らせず迷惑をかけないことが重要です。

しかし、いざ問題が起きたときには、「あいつが悪い」「この組織が悪い」というように、とかく誰かのせいにしたり、特定の組織に原因を求めたりしがちではないでしょうか?

もちろんそのように言いたくなる気持ちもわかりますが、果たしてそれで問題は解決するのでしょうか? 社会は、多種多様な人の集まりによって構成され、その関係性の中でなされていくものだと思います。よって様々な問題は、特定の個人、組織の点にあるのではなく、関係性、つまり、人と人との間にあるという見方をするほうが、よいでしょう。

人間には、骨があり、臓器があり、筋肉があり、それらを無数の血管が結ばれて、その中を血液が
流れて生きているのです。その血液が詰まってしまえば、またたく間に具合が悪くなります。

血液のように流れてつないでいくのが、情報やコミュニケーション

人間社会においては、さまざまな役割をもって、私たちは生きています。そしてそれを血液のように流れてつないでいくのが、情報やコミュニケーションであるといえないでしょうか?

血液の流れが滞ると、体調不良や病気を引き起こします。同じように社会も情報やコミュニケーションの流れが悪くなるということで、「病気」つまりは、ミスやトラブルという社会全体の機能不全がおこるのです。

先日あるIT系企業の研修を行いました。コロナ禍以降、社員の大半がリモートワークで、メンタルを患う社員が多くなって休職者が多いとのことで行った管理監督者の方々向けへのメンタルヘルスマネジメント研修でした。

皆さんかなりのハードワークで、コミュニケーションといっても事務的な仕事の進捗状況の情報確認を必要な時にだけして終わり(これを道具的コミュニケーションといいます)というような状態でした。圧倒的に日常的なコミュニケーション(これは自己充足的コミュニケーションといいます)不足ととらえられるでしょう。

現代は情報社会といわれています。もちろん情報は大切なものですが、それだけで満足できるでしょうか? 日常的なコミュニケーションが欠落してしまっては、やはり人間は機能不全に陥ってしまうのです。

コミュニケーションにも言語的と非言語的がある、それは

人が相手を理解するときのコミュニケーションには、2つのコミュニケーションがあるといわれています。言語的なコミュニケーションと、非言語的なコミュニケーションというものです。

言語的とは、字の名の通り、言葉によるもの。非言語とは、相手の表情やしぐさ、あるいは、声のトーンやテンポなどの、視覚や聴覚などの五感を使って、言葉以外からも相手を理解します。

コロナ禍においては、直接会うことを制限されることによって、本来のコミュニケーションがリモートなどで制限され、かつ情報も双方向ではなく、一方向が多く、コミュニケーションをとる相手も少なくなり、より一人ひとりが、孤独化している状況でした。

相手に興味関心を持つということの大切さ

このような状況下でしたので、カウンセリングも本来であれば、直接対面が基本ですが、ZOOMや、電話、メール、LINEで行うことが圧倒的に多くなっていました。

私も大学で相談を受けておりますが、学生からの相談は圧倒的に、電話かメールです。また、私のクライアント様もZOOMでカウンセリングを行うようになりました。

当初は対面時の非言語がくみ取れないもどかしさや苛立ちをも感じたものです。しかしながら続けていくと、対面でなくても、様々な非言語がくみ取れるようになってきました。

電話であれば、息づかいや話すトーンやテンポ、メールでしたら、そのメール送信のタイミングや時間、ZOOMなどでしたら、画面のフィルター越しではありますが、表情、しぐさ、声のトーン、テンポまでも、相手の方に神経を集中することによって、理解ができるのです。

相手に興味関心を持つことで、その方の特徴が見えてくる。そして継続していくことにより、いつもと違う変化に気づく、それを言葉にして確認していく、そしてお互いに理解を深めあう。そして、抱えている問題に対して、一緒に考えていきながら、その方の問題をその方自身が主体性を持って解決に取り組んでいかれることを支援する。このようなことがカウンセリングにおいては重要だと思うのです。

まとめ

「ハビットマインド(習慣思考)のすすめ」第3回は、相手に興味関心を持つことの重要性について解説しました。人間関係を潤滑にするには、情報を円滑に流れるように配慮したり、お互いのコミュニケーションをよくすることが大事ですよね。コロナ禍を経験し、改めて相手に関心を持つ必要があると感じている方も多いのではないでしょうか。次回もぜひ楽しみにしていてくださいね。

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