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CAREER - 2019.07.10

キャリアコンサルタントを目指す方なら、知っておきたい。「キャリア教育」【第1回】 キャリア教育とは何か?

「キャリア教育」【第1回】 キャリア教育とは何か?

産業・経済の構造的変化、雇用の多様化・流動化などに伴い、子どもたちを取り巻く環境も大きく変化しています。そうした中、若者の未就職や早期離職、非正規雇用といった労働に関する問題が深刻化しています。

そこで、現在、注目されているのが、学校で行われている「キャリア教育」です。学習意欲を向上させながら、「働く」ということを考え、将来につなげていくもので、高等学校や大学だけでなく、小学校や中学校でも取り入れられており、教育の現場でもキャリアに関する専門知識とスキルを習得しているキャリアコンサルタントのニーズが高まっています。

キャリアコンサルタントを目指すなら、「キャリア教育」の目的や現状については、知っておきたい知識となります。このページでは、「キャリア教育」とは何か、どのような取り組みが行われているのかを具体的に解説していきます。

「キャリア教育」とは?「職業教育」との違いは?

「キャリア教育」とは、「一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育」(※)と定義されています。

ここで言う「キャリア」とは、「人が、生涯の中で様々な役割を果たす過程で、自らの役割の価値や自分と役割との関係を見いだしていく連なりや積み重ね」(※)のことです。
人は、他者や社会とのかかわりの中で、仕事、家庭、地域社会などでの様々な役割を担いながら生きています。そうした自分の役割を果たして活動することを通して、「自分らしい生き方」を育んでいきます。

つまり「キャリア教育」における「キャリア」とは、子どもや若者の発達の段階に合わせて、発達していくものでもあるのです。そして「キャリア」の発達を促すための外部からの組織的・体系的な働きかけの一つが、学校で行われる「キャリア教育」なのです。

「キャリア教育」を実践するためには、学校だけではなく、地域や企業などと連携し、「職業体験活動」や「インターンシップ」など社会や職業に関わる体験的な学習活動を取り入れることが必要です。しかし職業に直接触れる体験だけが、「キャリア教育」ではありません。各教科の学習と実社会とのつながりを理解させる活動などもキャリア教育となります。
一方、「職業教育」とは、「一定又は特定の職業に従事するために必要な知識、技能、能力や態度を育てる教育」(※)のことです。
※中央教育審議会「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について(答申)」より引用(2011年1月 31 日)

教育の現場ではどのような「キャリア教育」が行われているのか

それでは、小学校、中学校、高等学校、大学では、どのような「キャリア教育」が行われているのでしょうか。

小学校では、「自己及び他者への積極的関心の形成・発展」「身のまわりの仕事や環境への関心・意欲の向上」「夢や希望、憧れる自己イメージの獲得」「勤労を重んじ目標に向かって努力する態度の形成」をキャリア教育の目標とし、多くの小学校が中学校への訪問や見学、体験入学、学校説明会などを行っています。学ぶことと働く意義を理解したり、将来の目標を立てさせたりするために、地域の方々など様々な講師を招いて講話を実施している学校もあります。さらに、中学生の職場体験発表会を参観することで、将来を考え、今の自分を振り返る取り組みをしている学校もあります。

中学校では、「肯定的自己理解と自己有用感の獲得」「興味・関心に基づく勤労観・職業観の形成」「進路計画の立案と暫定的選択」「生き方や進路に関する現実的探索」が目標です。多数の学校が「職場体験活動」を取り入れており、将来の夢や職業、働くことなど、自分の生き方について考える機会を設けています。さらに、職業人講話やアントレプレナーシップに関わる体験活動、上級学校の体験入学、ボランティア活動など、様々な体験活動を用意している学校も増えています。

高等学校の「キャリア教育」の目標は、「自己理解の深化と自己受容」「選択基準としての勤労観・職業観の確立」「将来設計の立案と社会的移行の準備」「進路の現実吟味と試行的参加」です。インターンシップや職業人講話、出前授業、ボランティア活動、体験入学など、家庭や地域社会、企業と連携した「キャリア教育」が実践されています。

大学では、「キャリア教育科目」を設定し、自己理解や職業理解をはじめ、労働問題など働く人を取り巻く課題などについても学びます。インターンシップ制度を導入している大学も多く、企業での職業体験を通して、仕事で求められるスキルだけではなく、職場での人間関係、自分のキャリアなどについても深く考える機会となっています。さらに、就職に向けては、キャリアセンターなどのスタッフがエントリーシートの添削、面接指導などを実施し、就職活動を支援しています。

「キャリア教育」で育成する力の一つ「キャリアプランニング能力」

文部科学省によると、キャリア教育で育成すべき力として「基礎的・汎用的能力」を上げています。これは「人間関係形成・社会形成能力」「自己理解・自己管理能力」「課題対応力」「キャリアプランニング能力」の4つの能力から構成されるものです。

中でも「キャリアプランニング能力」は、「『働くこと』の意義を理解し、自らが果たすべき様々な立場や役割との関連を踏まえて『働くこと』を位置付け、多様な生き方に関する様々な情報を取捨選択・活用しながら、自ら主体的に判断してキャリアを形成していく力」(文部科学省「高等学校キャリア教育の手引き」)のことです。

この能力は、社会人・職業人として生きていくために必要となる力です。「学ぶこと・働くことの意義や役割の理解」「多様性の理解」「将来設計」などが、その具体的な要素ですが、これはすべてキャリアコンサルタントによるキャリアコンサルティングでも養うことができるものでもあります。学校教育の現場においてキャリア教育の一端を担うことで、キャリアコンサルタントの専門性が活かせると言えるでしょう。

キャリア教育とキャリアカウンセリング

それでは、学校におけるキャリアカウンセリングは、どのように定義されているのでしょうか。

「子どもたち一人一人の生き方や進路、教科・科目等の選択に関する悩みや迷いなどを受け止め、自己の可能性や適性についての自覚を深めさせたり、適切な情報を提供したりしながら、子どもたちが自らの意志と責任で進路を選択することができるようにするための、個別又はグループ別に行う指導援助である。」(「キャリア教育の推進に関する総合的調査研究協力者会議報告書」2004年1月)

ここで述べられているように、キャリアカウンセリングは「個別又はグループ別に行う指導援助」とされていますが、教育現場では「卒業直後の進路決定のための相談(面談)」と限定的に受け止められ、その重要性が十分に認識されていないのが現状です。
キャリアカウンセリングが教育現場で広く普及しない要因の一つとして、担任や進路指導の教員がキャリアカウンセリングの役割を担っていることが挙げられるのではないでしょうか。キャリアカウンセリングには、カウンセリング技法をはじめ、キャリア発達、職業や産業社会などに関する専門的な知識やスキルが求められます。こうした専門性を持つ人材、キャリアコンサルタントを配置する学校も増えつつあります。

まとめ

近年、注目されている学校での「キャリア教育」。その現場でキャリアコンサルタントの専門性を活かして活躍する人も増えています。大学や高等学校をはじめ、中学校や小学校でもそのニーズは高く、キャリアコンサルタントの仕事のフィールドはますます広がりを見せています。
キャリアコンサルタントを目指すなら、あなたも教育現場での活躍を選択肢の一つに加えてみてはいかがでしょうか。

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