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CAREER - 2019.09.14

キャリアコンサルタントを目指す方なら、知っておきたい。「キャリア教育」【第3回】 なぜ今「キャリア教育」が必要なのか?高等学校における「キャリア教育」とは?

「キャリア教育」【第3回】 なぜ今「キャリア教育」が必要なのか?高等学校における「キャリア教育」とは?

現在の日本では、産業構造や就業構造の変化などにより、雇用の在り方も変化しています。特に若者の就業に関しては、「学校から社会・職業への移行が円滑に行われていない」という指摘もあり、総務省の「労働力調査」によると15~39歳の若者無業者数は平成29年で71万人、15~39歳人口に占める割合は2.1% となっています。

そうした中、注力されているのが、学校における「キャリア教育」です。幼児期の教育から大学などの高等教育まで、体系的な取組を実践することが求められています。このページでは、高等学校で実践されているキャリア教育について解説します。

高等学校における「キャリア教育」

高校生になると、自我の形成も進み、身体的にもほぼ成熟し、自立の欲求が高まってきます。また、卒業を迎える高校3年生は、社会人・職業人としての自立が迫られる時期でもあり、将来の生き方や進路を模索し、社会でどう生きていくべきかという課題もあります。

高等学校のキャリア教育で重要なのは、「自らの将来のキャリア形成を自ら考えさせ、選択させること」 です。生涯にわたる多様なキャリア形成に必要な能力や態度を育みながら、勤労観や職業観などの価値観を自ら形成・確立させることが目標 となります。

実際にキャリア教育・職業教育を受けた人が感じた効果について調査 したところ、「働く事の大切さがわかった」と答えた人が61.7%、「コミュニケーションスキルの重要性がわかった」が61.0%、「自分の考えが広がった」が58.0%、「ビジネスマナー等がわかった」が51.3%、「就職先を選び参考になった」が50.4%という結果になりました。この数字から、キャリア教育が生徒の勤労観・職業観の確立を促していることがわかります。

では、キャリア教育を実践するために必要なこととは何でしょうか。そのひとつが、入学から卒業までを見通した系統的なキャリア教育への取り組みです。高等学校では、大学進学、就職など卒業後の進路も多彩です。より効果的なキャリア教育を実践するには、進路学習の中心となる「総合的な学習の時間」やホームルーム活動はもちろん、各教科の授業、学校行事、部活動などを通して、自己理解を深め、他者との望ましい人間関係を構築しながら、成長を促すことが大切なのです。これは、キャリア発達においても重要な要素となります。
高等学校では、普通科、専門学科、総合学科が設置されています。次に、それぞれの学科において、どのようなキャリア教育が展開されているのかを見てみましょう。

普通科:「大学の向こうにある社会」を意識したキャリア教育

普通科では、2018年における卒業生の大学・短大への進学率が63.8%、専修学校などへの進学率は21.4%と、高等教育機関に約8割が進学 しています。進学希望者の中には、将来の生き方や働き方について考え、選択・決定することを先送りしてしまう傾向が強く、進路意識や目的意識が希薄なまま、「とりあえず進学」という生徒も少なくありません。

就職した普通科卒業生は8.2% ですが、専門学科や総合学科といった他学科に比べると、就職状況は厳しいものとなっています。 また、専門学科を卒業した人よりも正社員になる比率が低いともいわれています。

このようなことから、普通科のキャリア教育では、社会・職業の理解を深め、将来どのように社会に参画していくかを考える機会を設けることが、重要となります。

進学希望者が多い普通科では、「大学の向こうにある社会」を意識させ、学習内容と将来の職業分野との関連を考察させるような授業展開を図ることが求められます。一方、就職希望者が多い普通科の場合は、職業科目の履修の機会を確保し、将来の職業生活に向けて体系的・系統的に学習できるカリキュラムを展開することが必要です。さらに、就業体験など啓発的な体験を伴う取組を充実させることも重要です。

専門学科:将来のスペシャリストへの道を視野に入れたキャリア教育

専門的な教育を行う専門科では、商業や家庭に関する学科が減少し、福祉や情報に関する学科、理数に関する学科や外国語に関する学科など、職業に関する学科以外の専門学科が増加傾向 にあります。こうした中、専門学科の卒業生の約半数が大学・短大・専修学校など高等教育機関に進学しており、専門学科においても高等教育機関との接続を視野に入れた職業教育の充実が求められています。

専門学科の中でも職業学科では、職業人として必要とされる専門的な知識・技能の高度化に対応しながら、業務を確実に遂行する能力を習得するための職業教育が重要 となります。

一方、理数や芸術、体育や外国語などに関する学科では、普通教育よりも高度で専門的なカリキュラムを扱うことから、進路希望も限定的になりがちです。そのため、大学や研究機関での啓発的な体験や、専門分野に関わる修行場所での体験などを通して、学習内容と将来の職業との関連を幅広く捉え、具体的に考察する機会を創出することが必要 となります。

専門学科では、将来のスペシャリストへの道を視野に入れ、学習の流れとキャリア教育を関連させることが重要です。さらに、体験的な学習や地域企業と連携を図った現場での長期間の実習などを通して、実践的な教育活動に取り組むことが求められます。

総合学科:将来を見据えたキャリアプランニング能力を養う

総合学科は、学校が幅広く総合的に選択科目群を設定し、生徒の個性を生かした主体的な選択による学習が可能になる学科 です。入学年次にすべての生徒に履修させる「産業社会と人間」が、キャリア教育の重要な科目となっており、自分の個性や適性についての理解を深めたり、将来の生き方・働き方を考えたりする学習を展開し ています。

多彩な選択科目から、興味・関心や将来の進路に合った科目を選べる一方、目的意識や将来の進路への関心がない生徒は主体的な科目選択をすることが難しいという状況もあります。そのため、将来を見据えたキャリアプランニング能力を養っていくことが、総合学科のキャリア教育の課題のひとつ となっています。

インターンシップの効果と個別支援

インターンシップは、多くの高等学校で導入されているキャリア教育です。「働くこと、生きることの尊さを実感させ、勤労観・職業観を醸成する」「進路選択への積極性を醸成する」「学習意欲を向上させる」「『基礎的・汎用的能力』を育成する」という4つの目的があります。特に「『基礎的・汎用的能力』を育成する」ことについては、「人間関係形成・社会形成能力」「自己理解・自己管理能力」「課題対応力・キャリアプランニング能力」を養うことが目標となっています。

インターンシップの実施において重要なことは、自らの体験を振り返り、自分の将来のキャリアに結び付けて考え、活かしていく姿勢を育むこと。その際、失敗や不安などマイナスの感情についてもインターンシップの経験として、振り返ることが重要です。

また、キャリアカウンセリングを行うことも有用です。生徒との個別の面談などを通して、その生徒の適性を理解し、将来のビジョンを明確にしていきます。その際、生徒の言葉を引き出し、共に語り合うことを心がけましょう。生徒が主体的に考えを進められるように、サポートしていくことが肝要なのです。

高等学校におけるキャリアカウンセリング

卒業後の進路決定に向け、有効な手段となるのが、キャリアカウンセリングです。進学先や就職先のマッチングを行うためにも、一人ひとりの生徒に応じたキャリアカウンセリングを充実させることが求められています。

キャリアカウンセリングには、カウンセリングの技法、キャリア発達、職業や産業社会などに関する専門的な知識と技術が不可欠です。そのため、キャリアコンサルタントなどの専門家を配置する学校もあります。

キャリアコンサルタントを活用している分野は、キャリア形成や就職活動に関する相談、履歴書など応募書類の書き方の指導、模擬面接などが挙げられます。さらに、講義やグループワーク、キャリアガイダンスなどのキャリア教育を実践する講師として教育現場で活躍するキャリアコンサルタントもいます。

一方で、各科目の学習内容とキャリア教育、そして学校生活などをトータルに見たキャリアカウンセリングにおいては、生徒たちと日々接している教員がキャリアカウンセリングの専門性を身につけて実践することが重要だという意見もあり、キャリア教育や進路指導・就職指導を行う教員への研修などで、キャリアコンサルタントの専門性を活かすことも可能です。

まとめ

このページでは、高等学校で行われている「キャリア教育」について解説しました。
高等学校でのキャリア教育は、「生涯にわたる多様なキャリア形成に共通して必要な能力や態度を育成」し、「これらを通じ、勤労観・職業観等の価値観を自ら形成・確立する」ことがポイントとなります。また、進学や就職など卒業後の進路も多岐にわたるため、一人ひとりに寄り添った支援も重要となります。

そうしたキャリア教育の現場で、必要とされているのがキャリアコンサルタントの専門性だといえるでしょう。

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