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キャリアコンサルタント資格の難易度は? 合格基準や学習期間を解説

キャリアコンサルタント資格の難易度は? 合格基準や学習期間を解説
監修元村 久美子(国家資格キャリアコンサルタント)

 

『キャリアコンサルタントの資格に興味はあるけれど、国家資格って難しいんじゃないの?』『働きながらでも勉強できる?』『一体、どれくらいの期間と勉強量が必要なんだろう…』そんな漠然とした不安を抱えていませんか?

このページでは、キャリアコンサルタントを目指すのは難しいのか、またどのくらいの学習量が必要なのかなど、第28回試験までのデータをまじえて、キャリアコンサルタント資格の難易度について分かりやすく解説しています。ぜひ参考にしてください。

【合格率で見る】国家資格キャリアコンサルタント試験の難易度を分析

国家資格キャリアコンサルタント試験第19回から第28回の合格率の平均をみてみましょう。

国家資格キャリコン試験・第19回~第28回の合格率の平均は、学科試験67.7%、実技試験63.6%

厚生労働省 キャリアコンサルタントになりたい方へ 「キャリアコンサルタント試験結果の概要」のデータを参考に作成

キャリアコンサルタント試験は「学科試験」と「実技試験」があり、それぞれで、受験した60%以上の方が合格しています。半分以上は合格しているものの、養成講座を受講して受験した方が約9割を占める試験であることを考えると、実はなかなか手ごわい国家試験です。

そのため、養成講座の受講中から計画的に試験対策に取り組むことが大切です。初めて受験する方のほとんどが学科試験と実技試験の両方を受験すると言われています。万全な対策で臨むことが結果を出すポイントと言えるでしょう。

国家資格キャリアコンサルタント試験の合格率については、こちらの記事で詳しく解説しています。
 

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【合格率を3分で解説】国家資格キャリアコンサルタントの最新動向

 

キャリアコンサルタント試験の受験資格は? 未経験から目指す方法

キャリアコンサルタント試験は、次のいずれか1つに当てはまれば受験ができます。

  1. 厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了した者
  2. 労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の経験を有する者
  3. 技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験又は実技試験に合格した者

引用)厚生労働省Webサイト|キャリアコンサルタントになりたい方へ
 
もう少しザックリと言うと、以下のようになります。

  1. 指定の講習を修了した者
  2. 実務経験が3年以上ある者
  3. 技能検定キャリアコンサルティングの学科または実技に合格した者

未経験の方は「1.指定の講習を修了」することで受験資格を取得できるため、こちらを選択することが多いでしょう。また、年齢や学歴も問われません。

受験資格別の合格率からみる難易度

それでは、受験資格別の合格率はどうでしょうか。以下の表は第28回の試験で比較したものです。
 

受験資格 合格率
学科試験 ①養成講習修了 69.3%
②実務経験 60.3%
③技能検定の片方合格 100%
実技試験 ①養成講習修了 68.7%
②実務経験 58.9%
③技能検定の片方合格 77.4%

 
この表からわかるように、学科試験・実技試験ともに、養成講習を修了した人の合格率は実務経験者よりも高くなっています。

養成講習は、試験に出やすいポイントを押さえたカリキュラムになっており、実践演習の機会も用意されています、効率よく体系的にスキルを身に付けることができるため、高い合格率が出ているといえるでしょう。

つまり、未経験の方でも、養成講習を受講することでキャリアコンサルタントの幅広い知識やスキルを網羅できるため、試験に対応しやすくなります。実務経験のある方も、養成講習を受講し、基礎学習から試験対策までを行うことは合格の近道になるといえます。

未経験からキャリアコンサルタントを目指すなら? 養成講習のメリットと選び方

前の章で紹介したように、養成講習修了者の合格率は他の受験資格と比べて高く、未経験の方でも十分に挑戦できることがわかりました。

養成講習は、未経験から挑戦する方にとっては、受験資格を得るだけではなく、講習を通じて基礎的な知識やスキルを体系的に学べる点が魅力です。実務経験者にとっても、試験対策として有効な選択肢だといえるでしょう。

養成講習のメリット

養成講習の受講には以下のメリットがあります。

1. 体系的な知識とスキルの習得
試験範囲を網羅したカリキュラムで、キャリアに関する理論からカウンセリングスキル、労働法規まで、合格に必要な知識を漏れなく習得できます。

2. 実技対策の充実
独学では難しいロールプレイや論述対策を、実践的な演習とプロ講師からのフィードバックで徹底的に強化できます。これが合格の鍵となります。

3. 柔軟な受講スタイル
リカレントでは、平日の夜間クラス、平日の昼間クラス、土曜か日曜の週1クラスなど、仕事や家事と両立しやすい多様なスケジュールを用意しています。また、リカレントの教室に通学するクラスやオンラインクラスもあり、あなたのライフスタイルに合わせて無理なく学べます。

4. 専門実践教育訓練給付金制度の活用
特定条件を満たせば、受講料の最大80%が支給される専門実践教育訓練給付金を利用できます。費用面での不安を軽減し、学びをサポートします。
 

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【これで分かる】給付金を国家資格キャリアコンサルタントの学習で利用する方法

 
このように、初心者からでもスキル習得と資格取得ができ、様々なクラス設定により社会人や学生、主婦、退職後の方まで幅広い方が受講しやすいように整備されています。

養成講習の選び方

上でも紹介した通り、受講スタイルは様々なものが用意されています。どのような人がどの受講スタイルを選択しているのでしょうか。

通学? オンライン?

学習だけの環境をつくりたい人
学習モードの時間を強制的に作りたい、という人は通学がおすすめ。通学の時間も予習復習にあてられます。

家を空けるのが難しい、学校が遠い人
オンラインクラスがおすすめ。育児や介護などがあり家を空けるのが不安な方や、スクールが遠い、通学時間がもったいないと感じる方は、オンラインで通学と同じように学習できます。

週末? 平日?

土日の休みに集中して学びたい人
土曜か日曜の週末クラスがおすすめ。土日の1日は養成講習を受講し、もう1日はプライベートの時間や予習復習の時間にあてることができます。

仕事終わりに学びたい人
平日の夜間クラスがおすすめ。仕事終わったあとの時間で受講すれば、週末にまとまったプライベートの時間を確保できます。

平日のほうが時間を確保しやすい人
平日の昼間のクラスがおすすめ。お仕事が平日休みの人や専業主婦(主夫)、大学生など、平日の昼間はより幅広い属性の方が受講されています。

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学科・実技試験の難易度は?具体的な試験内容と合格基準

国家資格キャリアコンサルタント試験は学科試験と実技試験に分かれています。この章では、2つの試験の難易度について簡単に紹介します。

学科試験の難易度について

国家資格キャリアコンサルタント試験の学科試験は、4つの選択肢から選ぶマークシート方式で、100点中70点以上の獲得で合格できます。

学科試験の出題範囲は以下のとおりです。

キャリアコンサルタントの社会的意義
社会・経済の動向、キャリア形成支援の必要性の理解、キャリアコンサルティングの役割の理解

 

キャリアコンサルティングを行うために必要な知識
キャリアに関する理論、カウンセリングに関する理論、職業能力開発の知識、企業におけるキャリア形成支援の知識、労働市場の知識、労働政策・労働関係法令・社会保障制度の知識、学校教育制度・キャリア教育の知識、メンタルヘルスの知識、中高年齢期を展望するライフステージ・発達課題の知識、人生の転機の知識、個人の多様な特性の知識

 

キャリアコンサルティングを行うために必要な技能
カウンセリングの技能、グループアプローチの技能、キャリアシートの作成指導及び活用技能、相談過程において必要な技能

 

キャリアコンサルタントの倫理と行動
キャリア形成とキャリアコンサルティングに関する教育、普及活動、環境への働きかけの認識と実践、ネットワークの認識と実践、自己研鑽・キャリアコンサルティングに関する指導を受ける必要性の認識、キャリアコンサルタントとしての倫理・姿勢等

 
こうしてみると難易度が高そうですが、キャリアコンサルタント養成講習でしっかりと理論を学び、ポイントを押さえて学習をすることで出題範囲の広い試験への対策ができます。マークシート方式という点からも、比較的取り組みやすい試験といえるでしょう。

実技試験の難易度について

国家資格キャリアコンサルタント試験の実技試験は、論述と面接を合計した150点満点で、90点以上の得点で合格になります。

「論述」は、記述式の試験で、事例記録を読み、それに関する設問に解答します。「面接」は、ロールプレイと口頭試問からなる試験です。ロールプレイは、受験者がキャリアコンサルタント役になり、実際にキャリアコンサルティングを行います。口頭試問は、実施したキャリアコンサルティングの内容について、試験官からの質問に答えるというものです。

実技試験は、キャリアコンサルティング協議会と日本キャリア開発協会(JCDA)という2団体で内容が異なります。しかし問われる本質や難易度のレベルは変わりないと言えます。

合格基準では、論述では50点満点のところ40%以上の20点以上、面接では100点満点のところ40%以上の40点以上を取る必要があります。しかし合計で90点以上という基準もクリアしないといけないため、どちらか一方が最低ラインの場合は他方でカバーできるようにしなければなりません。

未経験の方からすると実技試験は難易度が高いと感じるかもしれませんが、養成講習の中では理論学習だけでなく、実技演習を繰り返し行います。講師からのフィードバックも受けられるため、繰り返し行うことでスキルが身に付き、合格につなげることができるでしょう。
 

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学習期間の目安は150時間以上。時間の効率的な使い方

それでは、本格的に受験を目指すとしたら、具体的にどのくらいの学習時間が必要でしょうか。

学習期間の目安は150時間以上を考えておくとよいでしょう。

厚生労働省が定める養成講習の学習時間は150時間です。これにプラスして、自習時間の確保が必要です。学科試験は出題範囲が広いため、理解し、暗記するにはある程度時間を要します。また、実技試験に関しても、訓練の時間が必要で、そのための時間や環境を作ることが合格の近道になります。

リカレントの養成講習の場合は、1問1答1000問の問題集、講師による授業映像などがあります。スマホで解いたり視聴したりすることができるため、通勤などの移動時間や家事の合間といった隙間時間を使い、少しずつ勉強時間を積み上げていくのも効果的です。

おすすめの勉強法や学習スケジュール

では最後に、試験合格に向けたおすすめの勉強法や学習スケジュールを紹介します。

未経験の方はキャリアコンサルタント養成講習を受講し、受験資格を取得しますが、自習時間に取り入れたいポイントをまとめました。

学科試験は過去問を取り入れる

学科試験は出題範囲が広いため、時間をかけて学習する必要があります。効率よく効果的に学習するためにお勧めなのが、過去問での勉強です。

過去問を解いたあとは、ぜひ1問ずつチェックしていきましょう。その際に、その問題に関連する周辺の知識も一緒に確認していきます。暗記できる量には限りがあるため、「覚えること」を目的にせず、「思い出すこと」を目的に勉強を組み立てることもポイントの1つです。思い出すためには何かと関連付けて覚えたり、思い出すためのフック(鍵となるもの)を多く用意しておくことが重要です。

また、学科試験は選択肢の問題ですが、正答ではない他の選択肢についても調べてみるとよいでしょう。そうすることで、知識の幅が広がり、別の角度からの問題が出たとしても解答しやすくなります。ぜひ、試してみてください。

論述試験ではパターンを用意しておく

論述試験の対策も、過去問を活用できます。まずは、どういう形式で出題されるのかを過去問で確認しておきましょう。

前述した通り、キャリアコンサルティング協議会と日本キャリア開発協会(JCDA)の2団体で試験内容が異なるため、あらかじめ違いを確認しておくことが大事です。さらに論述は学科と異なり模範解答や明確な正解の基準がありません。上達するためには、解答の良し悪しを自分で判断できるよう基準を押さえておきましょう。

  1. クライアントの主訴(訴えている論点)を的確に把握しているか
  2. キャリアコンサルタント視点で捉えた問題は的を射ており、解決策は具体的か
  3. クライアントに寄り添い、キャリアコンサルティングを適切に展開できているか

上記の基準に則って考えられるようにしておくことで様々な事例に対応できるようになります。

面接試験はとにかくロールプレイの実践

面接試験についても2団体で評価基準(項目)の違いがあるため、事前にしっかりと理解しておきましょう。

面接試験は、クライアント(相談者)役を相手に実際のロールプレイ(面談)を行うことを面接官に評価されます。そのためロールプレイの練習をしっかり対策をたてて行うことが重要です。

そのため、資格をすでに取得している方にオブザーバーとなってもらい、ロールプレイごとにフィードバックをもらうのがお勧めです。課題や良かった点を明確にしながら進めることで、自身の成長を感じながらステップアップができるでしょう。

また、人のロールプレイを見るのも勉強になります。客観的に良い点や改善すべき点を把握できるため、自身のロールプレイに活かすことができます。また、講習などを通して、講師から適切な指導を受けることも大切です。

最低でも8ヶ月前からの事前準備がおすすめ

キャリアコンサルタントの国家資格試験は年に3回(3月・7月・11月)行われています。
 
キャリコン準備期間
 
養成講習に申し込む場合は、目標とする試験日から逆算して、8〜10か月前から準備しておくとよいでしょう。養成講習は3~6か月程度の受講期間です。養成講習修了後に受験申請をし、その約2ヵ月後が試験になります。

また、養成講習を受講するための検討期間、専門実践給付金を利用する方はその事前申請の手続きがあります。余裕を持った事前準備がおすすめです。

3月に受験したい場合は、5~7月から準備を始めるといった具合です。

まとめ

キャリアコンサルタントの試験は、養成講習を通して体系的に学ぶことで、未経験の方でも合格を目指すことができます。

『難易度』は適切な学習で乗り越えられます。リカレントでは、キャリアコンサルタントを目指す方の合格をサポートする充実した養成講習をご用意しています。まずは詳細な資料で、あなたのキャリアの可能性を広げませんか?

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Q&A

キャリアコンサルタントになるには?
国家資格キャリアコンサルタント「名称独占」という資格で、試験に合格し、国のキャリアコンサルタント名簿に登録をして初めて、「キャリアコンサルタント」と名乗ることができます。そのため、キャリアコンサルタントになるには、まずは受験をすることが第一歩となります。
国家資格キャリアコンサルタント試験の難易度はどのくらい?
国家資格キャリアコンサルタントは、第19回から28回までの合格率の平均をみてみると、学科試験は67.7%、実技試験が63.6%と比較的高いですが、両方同時に合格する場合は難易度が上がります。業界未経験者でも養成講座を受講することで合格率が上がるため挑戦しやすい資格に入るでしょう。
国家資格キャリアコンサルタント試験を受けるには、どのくらいの学習時間が必要ですか?
学習平均時間は150時間程度と考えていくとよいでしょう。厚生労働省が定める養成講習の課程は150時間で、これ以外に自習時間の確保が必要です。
国家資キャリアコンサルタント試験の合格率は?
第28回試験では、学科試験が68.4%、実技試験が67.7%の合格率でした。第1回から第28回試験の平均は、学科試験が64.1%、実技試験が65.2%の合格率となっています。

 

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監修者

元村 久美子

広告会社、大手化粧品会社宣伝部にてマスコミュニケーションに携わる。
その後フリーランスとして様々な分野で活動。
国家資格キャリアコンサルタントとしては企業内障害者ジョブ支援、
自治体の就労支援事業の講師・相談員・現場統括責任者を歴任。
現在は文化芸術振興の広報業務にも携わっている。

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