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MENTAL HEALTH - 2019.08.19

カウンセラーを目指す方なら知っておきたい!働く人のメンタルヘルス対策【3】近年注目を集めている「健康経営」とは何か

働く人のメンタルヘルス対策【3】
近年注目を集めている「健康経営」とは何か

「働き方改革」が掲げられている今、労働者の心や体の健康対策を行う「産業保健」の活動をどう実践していくかも重要なテーマのひとつとなっています。その中でも注目を集めているのが、「健康経営」という考え方や取り組みです。

「健康経営」は企業の生産性向上につながる考え方で、EAPとの関連性も深いものです。日本の成長戦略でも取り上げられており、日本でも「健康経営」に力を入れる企業が、規模の大小を問わず、年々増えてきています。

このページでは、メンタルヘルスの現場でも必要となる「健康経営」の基礎的な知識とともに、必要とされる理由や認定制度などについても解説します。

「健康経営」とは何か?

企業が事業活動を行ううえでの基盤となるのは、従業員をはじめとする「人材力」や「組織力」です。そして、それを支えているのが、健康で安心して働くことのできる労働環境だといえるでしょう。いわば労働者の心や体の健康対策を行う「産業保健」が企業成長のベースとなっているのです。

産業保健への取り組みが不十分な場合、長時間労働、職場でのストレスなどにより、メンタルヘルス不調となり、うつ病など心の病になってしまう労働者が増えてしまうことも考えられます。それは企業の生産性の低下にもつながり、経営上のリスクにもなります。

「健康経営」を端的に表す英語として「Health and Productivity Management(健康及び生産性のマネジメント)」という表現があります。これは「企業や組織に働く従業員の健康と生産性の両方を同時にマネジメントしていこう」というものです。「人」を企業や組織の貴重な「資源」と考え、その健康を維持・増進を「人的な資本」に対する積極的な「投資」として捉える考え方です。

つまり、従業員の健康保持・増進の取り組みが、将来的に収益性等を高める投資であるという考えを元に、健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践することを「健康経営 」と呼んでいます。

「健康経営」が必要な理由

「健康経営」は労働者の生産性向上につながることに加え、現代の日本が抱える問題にも関わってきます。

少子高齢化により、日本の労働者の平均年齢は上昇しています。また、年齢が上がると、概して糖尿病や高血圧症などの生活習慣病にかかる割合も増え、体調不良による生産性の低下が考えられます。さらに、生産年齢人口も年々減り続けており、人材不足となる職場も増えていくでしょう。

こうした背景もあり、企業が労働者の健康を経営課題として捉えることが重要となっているのです。

健康経営を計る指標「健康経営銘柄」と「健康経営優良法人認定制度」

「健康経営」を推進する取り組みとして設けられたのが、経済産業省及び東京証券取引所が選定する「健康経営銘柄」です。2015年から毎年選定が行われ、2015年3月には22の企業が、2016年1月には25の企業、2017年2月には24の企業が、2018年2月には26の企業、2019年2月には37の企業が「健康経営銘柄 」として公表されています。

「健康経営銘柄」は、東京証券取引所に上場している企業の中から、健康経営の取り組みが特に優れた企業を選定したものです。企業理念の中に健康経営に関する基本的な考えが取り込まれ、従業員への健康投資を行うことで、従業員の健康増進・活力向上を通じ、組織の活性化や生産性の向上などが期待できる企業です。

2016年度からは「健康経営銘柄2017」に加えて、上場企業だけではなく、保険者と連携して優良な健康経営を実践する法人を「健康経営優良法人」として認定する制度(健康経営優良法人認定制度)がスタートしています。
おもなものを紹介していきます。

健康経営に取り組む大企業の証「健康経営優良法人 大規模 ホワイト500認定」

健康経営において特に優良な取り組みを実践している大規模法人を顕彰する制度です。「健康宣言の社内外への発信」「ストレスチェックの実施」などの認定基準を満たす必要があります。健康経営度調査の上位500社に入ると通称「ホワイト500」としての認定も受けられます。

働く人の健康と働き方に配慮した企業の証「健康経営優良法人 中小規模 認定」

「健康経営優良法人 大規模 ホワイト500認定」の中小企業版となる制度です。認定初年度には318法人が認定されましたが、2019年には2503法人と約8倍に増加しています。認定を受けるには、その第一歩として保険者が実施している「健康宣言事業」に参加する必要がありますが、2016年には2970社、1年後の2017年には12195社が参加しており、4倍以上に。この数字は、多くの企業が健康経営の有用性を認めている証と言えるでしょう。

「健康経営優良法人制度」のほかにも、産業保健や従業員の労働環境などをよりよくするための活動に積極的に取り組んでいる企業を評価する認定制度があります。企業の取り組みを評価する指標として、活用してみてください。

厚生労働省認定「安全衛生優良企業認定 ホワイトマーク」

「ホワイトマーク」とは、厚生労働省から安全衛生優良企業として認定された企業を公表する制度です。「過去3年間労働安全衛生関連の重大な違反がない」「労働者の健康保持増進やメンタルヘルス、過重労働防止への対策など幅広い取組を実施している」など約80もの基準を満たす必要があります。つまり「働きやすい職場づくりを企業全体が一体となって実現し続けている」企業である証なのです。

若者が働きやすい企業の証「ユースエール認定」

ユースエール認定は、若者にとって働きやすい中小企業を認定する制度で、「若者雇用促進法」という法律に基づいて厚生労働省が実施しています。認定対象となるのは常時雇用する従業員が300人以下の企業のみ。「時間外労働の法令遵守」「採用・育成に関する情報の公表」など12の認定基準を満たす必要があります。

仕事と子育ての両立支援に取り組む企業の証「くるみん認定」

「くるみん認定」は、「次世代育成支援対策推進法」に基づいて厚生労働省が実施している制度で、子育てをサポートする企業を認定しています。「一定水準以上の育児休業取得」「育児に伴う時短勤務制度の設置」など10の認定基準を満たすことで認定されますが、年200~300社のペースで増加しており、企業の子育て支援に対する注目度も高まっています。

子育て支援のトップクラスの企業の証「プラチナくるみん認定」

「プラチナくるみん認定」は、「くるみん認定」よりも支援への取り組みが進んでいる企業を認定する制度です。「男性の育児休暇取得率」「残業時間の削減」「年次有給休暇の取得促進」など、くるみん認定よりも高い基準をクリアすることが求められます。

女性の活躍できる職場づくりへの取り組みの証「えるぼし認定」

「えるぼし認定」は厚生労働省が実施している制度で、女性の活躍を推進している企業を認定しています。「採用における男女の競争倍率」「管理職の女性比率」など5つの要件を満たす必要があります。2018年9月末には698社が認定を受けており、年々その数は増えています。

まとめ

このページでは「健康経営」について解説しました。
「健康経営」への注目度が高まりを見せる中、健康経営に力を入れている企業が増えている理由もお分かりいただけたのではないでしょうか。「生産性向上」という点では、EAPとの関連性も深く、「健康経営」に関する知識はカウンセリングやキャリアコンサルティングの現場でも必要となるものです。カウンセラーやキャリアコンサルタントとして活躍している方、目指している方にとって、この記事が参考になればと思います。

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