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MENTAL HEALTH - 2019.08.05

カウンセラーを目指す方なら知っておきたい知識 「うつ病」【第1回】「うつ病」とは?その原因と治療法

「うつ病」【第1回】「うつ病」とは?その原因と治療法

メンタル不調を抱えている就業者が年々増加している現在、うつ病などの心の病になってしまう方も増えています。またカウンセリングの現場でも、人間関係や職場の不適合から、相談者がメンタル不調を抱えているという事例は少なくありません。

メンタル不調を抱える方の相談においては、他の専門家へ支援を依頼する「リファー」も重要な要素となってきます。そのためには、うつ病への理解を深め、うつ病のサインを見逃さずに早くケアできるように、しっかりと知識を得ておくことが必要です。このページでは、「うつ病」の原因や治療法などの基礎知識をご説明します。

「うつ病」とは何か?

私たちの気分は状況によって変化します。例えば、嬉しいときは気分が良くなり、嫌なことがあれば落ち込んだり、気持ちが沈んだりします。
「うつ病」は気分が沈む、いつもなら楽しいことが楽しめない、心配事が頭から離れない、ものごとを悪い方向に考えてしまうといった状態が2週間以上、ほぼ毎日続く状態このことです。朝方に強く、夕方になると楽になるのも特徴です。感情や意欲などの精神症状に加え、不眠などの睡眠障害、疲労感、食欲変化、微熱などの身体症状もあります。

「うつ病」の症状とは?

「うつ病」になると、精神的にも身体的にも不調が表れるようになります。その代表的なものを見てみましょう。

<精神症状>
気分が落ち込む、泣きたくなる、いらいらするなどの気分に加え、不安感や焦燥感を感じる人も多いようです。興味や関心が低下し、いつもなら楽しいことが楽しめなくなったり、作業能率が低下して仕事のミスが増えてしまったりしてしまう人もいます。人とのおしゃべりや、人と会うことが面倒になってしまう場合も。物事を悪い方向に考えてしまい、自分のことを責めてしまう傾向も見られます。ぼんやりする、口数が少なくなるという人も。また、「生きていても仕方ない、消えてしまいたい」という思いを持つ人もいます。

<身体症状>
身体の不調で特徴的なもののひとつが「睡眠障害」です。「入眠困難(寝付けない)」「(中途覚醒(夜中に何度も眼が覚める、早朝に起きてしまう)」「睡眠過多(眠りすぎてしまう、起きられない)」などの不眠の症状は人それぞれ。中でも早朝に起きてしまう「早朝覚醒」が多く見られます。他には、疲労感・倦怠感、食欲の減退や増加、体重の増減、生理不順、めまい、動悸など、さまざまな不調が見られます。また、頭痛、腰痛、肩こり、動悸や息苦しさを訴える人もいます。

では、「うつ病」のサインを見逃さないためにはどうすればよいのでしょうか。上述した精神症状、身体症状のほかに、以下のようなことには注意が必要です。

<外から見てとれるうつ病を疑うサイン>
・以前と比べて表情が暗く、元気がない
・身なりの乱れがある(女性は化粧が変化することも)
・体調不良の訴えが多くなる
・遅刻、早退、欠勤が増える
・仕事上のミスが目立つ
・人事異動後に元気のない状態が続く
・仕事が変わってから落ち込みやすくなった など

<早期発見につながる・心配しておくべき傾向>
・“問題ありません”とすぐに返事をする
・何を言っても笑っている(どこか不自然)
・午前中の体調が悪そう
・遅刻が目立つ(特に月曜)
・どうでもよい細かいことにこだわる
・テンションが異様に高い
・ぼーっとしていることがある など

また、仕事の仕方に以下のようなことがあれば、要注意です。

・報告・確認がなくなった
・業務の遅れや先延ばしが目立つ
・メールの返信スピードが落ちた
・家に仕事を持ち帰ることが多くなった
・締め切りを守らなくなった
・書類の誤字脱字が増えた
・デスク周りの整理整頓がされていない など

本人や周囲の人が「うつ病」に気づく場合、多くは症状が中等度の場合です。軽症の場合は身体症状のみの訴えであることが多いので、特に身体症状の訴えを軽視しないことが重要となります。そして、兆候が見られる場合には、専門機関へリファーし、適切なケアを行うことが必要となります。

「リファー」するときに重要なこと

「リファー」とは、「他に依頼する」という意味です。カウンセラーの持つ能力・知識・技術・専門性を超えていると判断した場合には、他の専門機関を紹介したり、専門機関に支援を依頼したりします。メンタル不調を抱えた相談者の場合は、精神科などの専門医療機関、精神保健福祉センターなどメンタルヘルス対策の役割を担う公的機関といった専門機関と連携します。また、これらの機関と連携しながら、並行してカウンセリングを実施することもあります。

リファーにおいては、相談者にとって何が最善なのかを考えることが重要です。また、相談者の対象喪失感や孤独感、罪悪感などを理解することも大切になってきます。さらに、リファーの際の連携先となる専門機関とのネットワークづくりもカウンセラーの重要な役割のひとつです。

「うつ病」の要因とは?

「うつ病」は、環境要因、性格要因などが関係し、最終的には生物学的要因が生じることから発症すると考えられています。

<環境要因>
大切な人との死別や離別、仕事上の失敗や失職など大きなライフイベントが「うつ病」の要因となると考えられています。昇進や結婚、出産、育児などポジティブな出来事が誘因となる場合もあります。

<性格要因>
「うつ病」になりやすい性格傾向として挙げられるのが「メランコリー型親和性性格」です。秩序を重んじる、他人に気を遣う、頼まれると拒否できない、真面目、責任感が強い、仕事熱心、良心的、保守的などの特徴があります。つまり、真面目で勤勉な性格といえるでしょう。また、「新型うつ病」では、自己愛的、依存的、他罰的、欲求不満耐性が低いといった特徴があり、従来とは異なる性格傾向があります。

<生物学的要因>
神経細胞から神経細胞へと情報が伝達される際に、その伝達を担うのが、「神経伝達物質」です。その物質がうまく機能しなくなり、伝達を低下させると、「うつ病」の症状が現れるとされています。

「うつ病」の治療法は?

「うつ病かも…」と思ったら、「精神科」や「心療内科」「メンタルクリニック」など専門医を早期に受診することが重要です。「精神科」は心の病気を専門に扱う科です。「心療内科」は心身症など心理的な要因で引き起こされる体の症状を主な対象としていますが、軽いうつ病など心の病にも対応している医療機関もあります。

「うつ病」の治療は、3つのステップで行われます。

STEP1 急性期(治療の期間の目安:約1ヵ月半~)
治療を開始し、不眠や不安、意欲減退、疲労感などのつらい症状が少しずつ改善していくまでの期間。十分な心身の休養が必要。

STEP2 回復期(治療の期間の目安:4ヵ月以上)
症状が落ち着き、元の生活に戻していくための期間。無理をするとぶり返して、再びつらい症状が出る(再燃)。治療を続け、少しずつ成果つり済みを整える。

STEP3 再発防止期(治療の期間の目安:半年以上)
うつ病が再発するのを防ぐための治療期間。服薬は半年くらい続け、徐々に減らしていき、再発しないようにしっかりと治療する。

専門機関での治療と連携していくことが必要ですが、現場ではどのような対応・支援を行えばよいのでしょうか。

まずは「休養」です。ストレスになっていることから距離を置き、ゆったりと心身を休ませる時間をつくることが必要です。休職だけではなく、業務量を減らしたり、時短勤務をしたりすることで、睡眠時間や休日を確保できれば、十分な休養となります。本人にとって何が負担で、どうすれば休養できるのかを、本人や上司などから情報収集することも大切です。

「職場の環境調整」も重要になってきます。発症するまでの業務や勤務時間、さらには人間関係を把握して、どうすればストレスを軽減できるかを考えます。業務負担の軽減、残業時間の制限に加え、人間関係がストレスとなっている場合には、部署異動なども行います。
カウンセリングも有効な手段です。認知の偏りや性格的要因が強い場合は、認知行動療法や対人関係療法などで対処します。これらは状態に応じて、薬物療法と併用する場合もあります。

まとめ

このページでは「うつ病」の基本知識についてご説明してきました。カウンセラーやキャリアコンサルタントが、「うつ病」の基本的な知識を得ておくことの重要性をご理解いただけたのではないでしょうか。

次回は、リファーの連携先となる専門機関と、カウンセリングで対応できることなどについて解説します。

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