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MENTAL HEALTH - 2019.05.24

カウンセラーなら知っておきたい!働く人のメンタルヘルス対策【2】復職支援に向けた「リワーク」とは?

働く人のメンタルヘルス対策【2】
復職支援に向けた「リワーク」とは?①

職場のメンタルヘルス対策では、メンタル不調の予防、休職制度の設定、産業医との連携などクリアすべき課題はさまざまです。中でも、「休職者をどう復職させるか」という課題や「復職後の配置」「再発防止」などに頭を悩ませている企業の担当者は多いようです。

メンタルヘルス対策に携わっているカウンセラーやコンサルタントの方々も、こうした相談を受けることが少なくないのではないでしょうか。また、カウンセリングやコンサルティングの仕事を目指している方にとっても、将来関わる機会の多い領域となるはずです。

今回は休職後の職場復帰に向けたリハビリテーション「リワーク」について解説していきます。

休職した社員の職場復帰を支援する制度が急務に

「メンタルヘルス、私傷病などの治療と職業生活の両立支援に関する調査」(独立行政法人 労働政策研究・研修機構) によると、9割の企業が連続して1ヵ月以上、休暇・休職・休業する制度「病気休職制度」を設けているといいます。さらに過去3年間で半数の企業で休職者が出ているにも関わらず、過去3年間の復職率の平均値は51.9%、退職率の平均値は37.8%となっています。つまり、休職後に職場に戻ることが難しい場合もあるということです。こうした状況から、メンタルヘルスへの対策を経営・労務管理上の重要課題として考えている企業は、72.2%にものぼります。

では、職場復帰を支援する制度を設けている企業はどの程度あるのでしょうか。
前述の調査によると、病気休職制度がある企業のうち、復職を支援する制度があるのは11.5%となっています。休職者が出ている企業の割合から考えると、まだまだ企業の制度が追いついていないのが現状です。

復職を支援する制度やプログラムがある企業で多く取り入れられているのが、「リワーク」です。「リワーク」とは「return to work」の略で、うつ病などのメンタル不調により休職した人に対し、職場復帰を支援するプログラムのことで、職場復帰に向けたリハビリテーション(リワーク)を実施する機関で行われているものです。休職者がスムーズに職場復帰できるようにさまざまな支援を行っています。リワークでは再発防止も目的としており、リワークの現場で行われてる「リワークプログラム」を受けることにより、再休職率やうつ病等の再発率を減らすことができることもメリットです。

リワークは職場復帰リハーサルの場

リワークは、決まった時間に施設に通い、会社に通うことを想定した訓練で、復職の成功と再発予防を助けてくれるサービスがあります。

復職に向けて、生活のリズムを整えていくとともに、仕事に近い内容のオフィスワーク作業、復職後にメンタル不調を再発させないようにするための疾病理解や自分のもろい部分との付き合い方がわかる疾病教育、集団認知行動療法行動、集団対人関係療法、SST(ソーシャルスキル・トレーニング)やストレス・マネジメント、アンガー・マネジメントなどの心理療法も行われます。また、基礎体力を上げるためのヨガ、ウォーキング、卓球などの運動トレーニングも含まれます。うつ病等により低下した集中力や注意力、記憶力など復職に向けて必要な力をアップさせていくことを目的に行います。

リワークプログラムでは、「個人(復職)面談」や「カウンセリング」も重要な支援のひとつになります。 個人面談やカウンセリングを通して、その人が抱えている問題を明らかにし、じっくりと話し合うことで、気持ちや考えを整理することができます。

また、休職に至った要因と再発予防について、振り返ってもらったり、プレゼンテーションを行ってもらったりする機関も多いようです。なぜメンタル不調となってしまったのか、その理由を探ることで、復職後に同じ理由で不調となることを予防できます。さらに、さまざまな心理療法によりストレスや不安を軽減することも、リワークプログラムの重要な目的のひとつです。

リワークプログラムの参加者の中には「自分だけがどうしてこうなったのか」と孤独感に襲われている人も少なくありません。しかし、プログラムに参加して、同じ状況になっている人々と出会うことが、一つの転機となります。グループワークなどで語りあうことが、孤独感や自責感、焦り、不安等を払拭する第一歩となっているのです。

リワークプログラムを行っている機関ごとの特徴は?

リワークプログラムは、医療機関、地域障害者職業センター、企業内などで実施されています。それぞれの機関の特徴についてご紹介します。

◆医療機関のリワークプログラム(医療リワーク)
医療機関で行う復職支援に特化したプログラムで、医師や看護士、作業療法士、公認心理士などの医療専門職による精神科リハビリテーションとして行われます。復職支援に加え、再休職の予防を目標とし、働き続けていくための病状の回復と安定を目的とした治療です。健康保険制度や自立支援医療制度の利用が可能です。

◆地域障害者職業センター(職リハリワーク)
各都道府県に1ヵ所以上設置されている地域障害者職業センターで、12~16週の職業リハビリテーションを行います。休職者本人の職場への適応と雇用主の支援が目的であり、治療ではないのが、医療機関で実施している医療リワークとの大きな違いです。費用は無料で利用できます。

◆企業内で実施(職場リワーク)
企業の中で行う復職支援のためのプログラムを「リワーク」と呼ぶ場合があります。復職するには、主治医が復職可能と判断した診断書が必要ですが、復職しても再度休職に至るケースも多いため、復職してから安定して就労できるかを見極めるために、企業内でリワークを行う職場もあります。
まずは短時間勤務などで復職を始める「試し出勤制度(リハビリ(出社))」を活用したり、 EAP(従業員支援プログラム)のサービスを利用して実施したりする企業もあるようです。

リワークの支援者となるために必要な知識とは?

リワークプログラムでは、カウンセリングも有効な支援方法であることは前に延べました。カウンセラーもリワークを支援する重要な役割を担っているのです。

では、リワークの支援者となるためには、どのような専門知識が役に立つのでしょうか。

まず挙げられるのは、精神医学、心理学、産業精神保健、社会福祉学などの知識です。メンタル不調を抱えた人をサポートするためには、必要な知識といえるでしょう。
職場先の産業医や人事、上司、休職者の部署等の関係者が求めているのは、職場で継続して勤務していくことを目的とした復職への支援です。つまり、精神医学や心理学などの専門知識を活用して、規則性のある生活リズム、基礎体力や集中力、コミュニケーション能力などを回復し、休職前のパフォーマンスに近い状態まで引き上げるためのプログラムを構築する必要があるのです。さらに、カウンセラーなどのリワーク支援者にとって、休職者が属する企業の産業保健スタッフや人事との連携も重要な業務となってきます。

もう一つ、習得しておくとより良い支援ができるのが、キャリアコンサルタントの方が身につけている「キャリアデザインの知識やスキル」です。リワークプログラムの参加者は復職だけでなく、職場に復帰した後の生活に対して強い不安を抱えている方が多いのが実状です。休職者が納得のいく形で復職するためには、長期的な仕事生活のあり方を自ら見出す力を育てることや、人生に新たな意味づけを行える支援も必要です。

うつ病になると決断力、注意力、判断力などが衰える傾向にあり、中長期的なプランも描きにくくなるといいます。キャリアデザインの専門知識やスキルがあれば、休職者の復職はもちろん、キャリア構築のサポートも行えるのです。休職者が職場復帰し、再休職せずに働き続けるためにも、キャリアを軸として、人生観、価値観、仕事観、家族観などをどのようにとらえ、イキイキとした人生を送っていくのか。そうした支援を行える人材もリワークの現場では求められています。

まとめ

今回は復職支援に向けた「リワーク」について解説しました。
リワークプログラムは、休職者の職場復帰を支援するだけではなく、メンタル不調の再発や再度の休職を予防する役目もあります。復職を支援するカウンセラーやコンサルタントに求められているのは、まずはカウンセリングスキルです。また、より良い支援を目指す上で、精神医学や心理学、キャリアデザインなどの専門的な知識やスキルもあると役立ちます。
この記事がカウンセラーやコンサルタントを目指す方、さらなる活躍を目指す方の参考になればと思います。

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