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MENTAL HEALTH - 2023.09.19

カウンセラーを目指す方なら知っておきたい!働く人のメンタルヘルス対策【1】職場で増えている「休職」とは?

働き方改革が推進され、働く人を取り巻く環境に注目が集まっている今、最も急務となっていることのひとつが、職場のメンタルヘルス対策です。

ストレスフルな現代社会において、メンタル不調を訴える就業者は増えており、メンタル不調から心の病になり休職する人も少なくありません。

カウンセリングやコンサルティングを仕事としている方の多くが、メンタル不調を抱えている就業者からの相談を受けたことがあるのではないでしょうか。

また、これからカウンセラーを目指す方にとっても、メンタルヘルス対策は避けて通れない重要な課題と言えるでしょう。

このページでは、カウンセラーやコンサルタントが知っておきたい職場のメンタルヘルス対策の基礎知識である「休職」について、解説します。

3人に1人がメンタル不調を感じている

第3回日本人の就業実態に関する総合調査」 (独立行政法人労働政策研究・研修機構)によると、3人に1人が、過去3年間で、「落ち込む」「やる気が起きない」などのメンタル不調を感じたことがあると答えています。また、不調を感じた人のうち、2割強が通院治療を必要としている状態でした。

メンタル不調が深刻化すると、うつ病など心の病を患うこともあります。休職や通院など適切な対応がとれない場合、仕事の効率が下がってしまうばかりではなく、退職してしまう就業者もいます。

メンタル不調を抱えた人の多くは休職や通院をすることなく、仕事を続けていますが、先述の調査によると、仕事の継続が難しくなった人が一定数いることがわかっています。

このようにメンタルヘルスの不調は、職場では身近なものとなっており、かつその対策が急務となっています。

もちろん、事前のメンタルヘルス対策を講じてメンタル不調者を出さないようにすることが重要ですが、メンタル不調で体調を崩してしまった場合には、やむを得ず「休職」して仕事を休み治療に専念することも選択肢のひとつとなります。

「休職」とは、どういうこと?

「休職」とは、企業との雇用関係はそのままで、一定期間、従業員の労働義務を免除する制度のことを指します。実は「休職」は法律で定められた制度ではありません。それぞれの企業の「就業規則」で決められているものなのです。

ですから、休職制度の種類や期間なども企業によって異なってきます。中でもメンタル不調で休職する場合は、「病気休職(傷病休職)」にあたります。

法律で定められていないため、休職制度を設けることは企業の義務とはなっていませんが、職場のメンタルヘルス対策が課題となっている現在、多くの企業が休職制度を取り入れています。

試用期間など休職制度の対象外となる場合もありますので、まずはその企業の就業規則を確認することが重要です。

「休職」の期間はどう決まる?給与はどうなる?

休職の手続きについては、本人による申出、欠勤がある一定期間続いていること、医師の診断書などを必要とする企業が多いようです。本人による申出だけではなく、上長などがメンタル不調者などに対して休職を勧めることができる制度を設けている企業もあります。

「休職」の期間

休職の期間はどのようにして決まるのでしょうか。先に述べたとおり、休職制度は就業規則で各企業が任意で決めることができるものです。

そのため、企業によって休職できる期間は異なります。勤続年数に応じて休職期間を設定している企業が多い傾向にありますが、一律で休職期間を決めている企業もあります。

休職する際には、主治医の診断などにより、期間を決定します。就業規則の上限内であれば、期間を延長することも可能です。

では、休職期間が満了となっても復職ができない場合はどうなるのでしょう。こちらも就業規則に定められており、退職となる場合、解雇となる場合があります。

「休職」の給与

休職期間中に給与が出るかどうかも企業ごとに就業規則で決められていますが、休職中は給与がないという企業が多くなっています。

給与が出る企業の場合でも、満額が支給される企業はほとんどありません。そうした場合、公的制度のサポートを受けることで経済的な負担を軽減することができます。

代表的なものは、加入する健康保険組合による「傷病手当金」 です。これは、病気休業中に被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度です。

  1. 業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること

  2. 仕事に就くことができないこと

  3. 連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと

  4. 休業した期間について給与の支払いがないこと

以上4つの条件を満たした場合に、最長1年6か月まで支給されます。
出典) 全国健康保険協会 | 病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)

休職制度は、企業によって異なるものです。休職を考えている方の相談を受けた場合には、その方が属している企業の就業規則を確認し、休職制度があるかどうか、利用できる条件を満たしているか、休職中の給与の問題はどうか、などを確認しておくことをオススメします。

「休職」を減らすには?休職者への対応は?

メンタルヘルス、私傷病などの治療と職業生活の両立支援に関する調査」 (独立行政法人 労働政策研究・研修機構)によると、過去3年間で半数の企業に休職者が発生していることが報告されています。これほど多くの企業で休職者がいる現在、職場でのメンタルヘルス対策が急務となっています。

また、休職者をどのように復職させるか、ということも大きな課題です。休職期間が満了になっても復職できない場合には、退職や解雇も視野にいれなければなりませんが、それは企業にとっても大きな損失となります。休職させるだけではなく、復職までの道筋をつけることも重要なのです。

さらに、復職後に再び休職にならないように支援することも大切です。相談を受けた方の企業の受け入れ体制や、復職後のサポート体制が整えられているかどうかも確認しておきたいポイントになります。

メンタル不調に対応できる人材がも求められている

ストレス社会と言われる現在、働く人を取り巻く環境は変化し続けており、心理的なストレスも大きくなっています。そうした問題に的確に対応できる人材が、求められています。産業医、産業カウンセラー、精神保健福祉士など、働く人のメンタルヘルス対策に携わる専門職はさまざまですが、急激にニーズが高まっているのが「EAPメンタルヘルスカウンセラー(eMC)資格」です。

従業員支援プログラム「EAP」

EAPとは「Employee Assistance Program(従業員支援プログラム)」のことです。「EAPメンタルヘルスカウンセラー(eMC)資格」は、働く人のメンタルヘルスケアの専門家であることの証です。

発達障害、自閉症、うつ病などの特徴や対処法、メンタル不調を予防するための知識やスキルを活かし、メンタル不調者や周囲の方をサポートしていきます。

メンタルヘルス対策の対案やサポートを行う

メンタル不調を抱えた方に対して早期の対策を行うことで、休職者を減らすことが可能となりますし、また、メンタル不調を抱えた人だけではなく、メンタル不調者の上司や同僚などにもカウンセリングを行ったり、適切なアドバイスも行える知識やスキルを身につけています。

さらに、EAPメンタルヘルスカウンセラーは、企業におけるメンタルヘルス対策を提案することはもちろん、その専門性を活かして休職者の復職支援にも携わることができます。メンタルヘルス対策を行うとともに、働く人のメンタル不調を軽減することで、働きやすい社会の実現のサポートに携われる専門家といえます。

「EAPメンタルヘルスカウンセラー(eMC)資格」の詳細はこちらの記事でも説明しています。

EAP・メンタルヘルス分野、心理分野の狙い目の資格「EAPメンタルヘルスカウンセラー(eMC)資格」

 

まとめ

このページでは、カウンセラーやコンサルタントが知っておきたい知識として、休職について解説してきました。

休職前のメンタルヘルス対策や、休職後の復職支援の加え、復職後の支援も大切です。休職から復職への道筋をつけ、休職者を支援することが企業にも求められています。またカウンセリングやコンサルティングを仕事とする方にとっても、専門的な知識やスキルが求められてきているといえるでしょう。この記事がこれからカウンセラーやコンサルタントを目指す方の参考になればと思います。

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