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MENTAL HEALTH - 2023.11.22

メンタル不調は「楽食」で改善!  心理カウンセラーが教える 心に効く食べ方

記事を書いた方のご紹介

大久保ゆうこ(リカレント専任講師)

公認心理師、臨床心理士、精神保健福祉士、EAPメンタルヘルスカウンセラー。
現在は専任講師として活躍しながら心療内科、更生保護施設、外部EAPの企業にてカウンセラーとして従事。
さまざまな心理療法を実践しつつ、メンタルヘルスのための食事アドバイスも行っている。
著書に『食べる順番健康法ー好きなものをガマンしないでいい!』(こう書房)がある。

「最近仕事が忙しくて残業ばかり」「会社での人間関係に悩んでいる」「がんばっているのに物事が思うように進まずイライラしがち。。」近ごろ、絶え間なくストレスを感じているという方も、たくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

ふとしたことから、心と体のバランスを崩してメンタル不調になることは、誰にでもありえることです。しかし、「楽食」を実践すれば、ストレスに強い心と体をつくることができ、メンタル不調を予防したり、改善することもできるのだそうです。

このページでは、心に効く食べ方「楽食」のコツをリカレントメンタルヘルススクールの大久保ゆうこ先生に、解説していただきました。あなたもぜひ実践してみませんか。

ストレスは心と体で受けている

メンタル不調とは単に心に負担がかかって起こるものと思っていませんか?心と体は連動しています。うれしいと体が温かくなったり、緊張すると体がガチガチになったり、ショックを受けると全身が重だるくなったり気分に合わせて体感が変わることは誰でも経験していることでしょう。ストレスが続くとだんだんと体の状態がアンバランスになってきて、朝起きるのがつらくなったり、集中力が落ちたり、いろいろな症状をつくります。それがメンタル不調です。

メンタル不調を防ぐには、心と体と両面からの対策が効果的です。しかしながら食事がストレスになっては本末転倒。楽しい・楽な食事法「楽食」が最も効果的です。

ストレスに強い体をつくるための食品のチョイス

ここでは「楽食」の前提となる、おススメ食品とNG食品をご紹介します。

①ストレスに強い体をつくるおススメ食品

たんぱく質

ストレス防御ホルモンをつくる原料になります。俗に「スタミナ料理」といわれるようなニンニクやスパイスの効いた肉や魚料理などはストレスに強い体をつくるのにとってもおすすめ。他にも大豆製品や卵など自分にとって食べやすいタンパク質を選ぶのもよいでしょう。鳥や豚などのスープをとるのもおすすめです。

塩分

ストレスがあまりにひどいと、体に必要なナトリウム成分を保持することができなくなります。

ナトリウム不足がますます体をフラフラにすることもあります。朝起きるのがつらい人は、朝食タイムにお味噌汁を飲むことがおススメ。忙しい方は、手軽に食べられるインスタントのお味噌汁でも大丈夫。

疲れが続く人は塩分の濃いめの食事の方が元気になることもあります。(高血圧の方など、医師に塩分制限の指導を受けている方はこの限りではありません。医師や栄養士に相談してください。)

色とりどりの野菜など

ビタミンB群は頭の働きや体の神経系統に働きます。また、ビタミンCはストレスに強い体をつくり、ストレスでの体のダメージを修復します。ビタミンB、Cをとるには色とりどりの野菜を食べることを心がけましょう。豆類などもおすすめです。

ただし、ビタミンB群の一部は肉や魚にしか入っていないものもありますから、肉や魚をとって、さらに色とりどりの野菜をとると考えてください。野菜の定義の中には豆類や海草も含まれます。要はいろいろな植物性の食材を取り入れるということが大切です。

②ストレスが高い時に注意したいNG食品

コーヒー、エナジードリンク

これらは頑張りたいときの一時的な気付け薬のようなもの。飲んだ時はシャキッとしますが、飲み続けていると疲れやすくなり、メンタル不調を起こしやすくなります。コーヒーは多くても1日2杯程度。エナジードリンクはどうしても必要な時だけに控えましょう。

甘いもの(お菓子・ジュース類)

ストレスがたまると食べたくなるのが甘いもの。脳の栄養になるということがいわれることもありますが、これも要注意。とり続けていると感情が不安定になったり、疲れやすくなったり、ストレスに負けやすい体になっていきます。

ストレスに負けてくるとますます甘いものが欲しくなり、依存状態になることもあります。甘いものは量より質で、控えめに。

主食メインの食事

チャーハンやラーメン、パスタなど、主食メインの食事は甘いものを食べているときと同じような悪循環を招きます。特にラーメン&チャーハンという主食同士の組み合わせは避けた方が無難です。

ただし・・・どうしても食べたいときは先におかずをたくさん食べておくというのも一案です。ラーメンの上に乗っている具を食べてから麺を食べる、というように食べる順番を工夫するだけでも体の負担は軽くなります。また、ラーメン&チャーハンではなくラーメン&ギョウザにしてギョウザを先に食べるというのもおすすめです。

どうやって食べるのが効果的?~「楽食」こそがメンタルを強くする~

①日常の心模様が食事に現れる

イライラするとやけ食いをしたり、逆に食べる気が失せたり。気分の変化で食べたいものも変わってきたりします。もしもあなたが「最近、食事がおろそかになってるな~」と感じているのであれば心のバランスが崩れているかもしれません。心のバランスが崩れると生活や食事のバランスも崩れてくることがあるのです。心のバランスが崩れたとき、食事のバランスを立て直すことで心も元気になることは大いにあることです。

②「楽食」が効果的な理由

「楽食」とは、楽しく・楽な食事のこと。食事法は楽に楽しんでやる程度が最も効果的なのです。その理由は自律神経の働きにあります。自律神経とは交感神経と副交感神経という2つの神経から成り立っています。それぞれの神経の働きをみてみましょう。

交感神経

交感神経とは、あなたががんばっているときに働く「がんばる神経」です。動いたり考えたり、日常生活を行う上でなくてはならない神経です。交感神経は何かをがんばっている時だけでなく、悩んでいる時、大きなストレスに耐えるときにも高まります。がんばり過ぎも精神的なストレスも交感神経の働かせすぎに繋がります。ストレスで体調が崩れるときというのは大概、交感神経を使い過ぎているときです。

副交感神経

副交感神経とは体を休めるときに働く「リラックス神経」です。寝ている時だけでなく、ほっとして落ち着いたり、心地よい気分の時により働きます。この神経が働くときは、単に体を休めるだけではなく、体のメンテナンスを行います。つまり、副交感神経が働くことで体の自然治癒力が高まり、ストレスから体が修復されることになります。

食事法に真面目に取り組み「治るためには〇〇を食べなきゃ!」「甘いもの食べたいけど、我慢しなきゃ!」と、無理にがんばってしまうと交感神経が高まります。

すると、治すための食事法を行っているのに、交感神経をあげているのですから本末転倒。がんばってやってみた割には効果も出ず、我慢の連続でかえってストレスも増えてしまうなんてことになりかねません。だからこそ楽しめる程度にらく~に取り入れるのが、ちょうどいいのです。

③「楽食」を実践するためのコツ

食に楽しく・楽に取り入れるというものの、具体的にどうしたらいいのでしょうか。「楽食」はコツをつかんで自分なりにアレンジする食事法です。それでは「楽食」を行うためのコツを紹介します。

できる範囲で取り入れる

おススメ食品とNG食品を意識しながら食事メニューを考えることが大事です。そのときに、やみくもに取り入れるのではなくて自分の「できる範囲」が大事です。前述したとおり、無理にやろうとすると交感神経をあげてしまうからです。

「甘いものやめたくなーい!」「おススメ食品を入れるのはいいけど、NG食品を減らすのは無理~」というのなら、それでも全然かまいません。

「朝のコーヒーだけはないと、仕事もできないし」と思うならコーヒーを飲んでください。自分の生活をより良くするための食事です。自分にとってプラスになる範囲でやることが、一番効率がよいのです。

他にも、嫌いな人とは食事を一緒にしない。楽しい人と好きな音楽をかけて食事するなど、楽しく食事する工夫もとっても大事です。

加点法で考える

「やった分だけプラスが増えた」と考えましょう。「またコーヒー飲んじゃった。また体に負担かけた・・・」というようにできなかったことを数える「減点法」ではストレスを増やすばかりです。NG食品を食べ過ぎたとしても、それが原因で命が絶えるわけではありません。

例えば、「一口甘いものを減らせた」、「疲れた日に塩分を多めに取れた」、「食事内容はいまいちだけど楽しく食事ができた」など、実践できた良いことを数える加点法で考えましょう。

おススメ食材とNG食材を知り、楽しく・楽な程度に実践するのが「楽食」です。ご自分の生活に合わせて取り入れたいなと思う部分をセレクトして毎日の生活の中で実践してみてください。

 

いかがでしたでしょうか。今回はリカレントの大久保先生に解説いただきました。

大久保先生は公認心理士として、心療内科や更生保護施設の臨床の現場で、心理療法を実践したり、企業でカウンセラーとしても活躍されています。

大久保先生の著書『食べる順番健康法ー好きなものをガマンしないでいい!』(こう書房)ではさらに詳しく学ぶことがでいます。ぜひお役立てください。

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