キャリアコンサルタント大辞典 Career Consultant Dictionary

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キャリアコンサルタント資格 -

「キャリアコンサルタント」とは? 未経験でも国家資格の取得が可能

キャリアコンサルタントの仕事に興味があるものの『自分にもできるのかな?』『未経験からでも大丈夫?』と疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。また、近年AIの進化が目覚ましい中、『将来性はどうなんだろう?』と感じている方もいるかもしれません。

キャリアコンサルタントは、人のサポートが好きな方にはぴったりの職業で、未経験から転身することも可能です。そして、AI時代においても、その価値はむしろ高まっています。
このページでは、キャリアコンサルタントの仕事内容についてや、未経験からでも挑戦できる資格取得の流れを紹介します。

キャリアコンサルタントとは

キャリアコンサルタントとは、相談者のキャリアに対する不安や悩みの解消に向けて、適切な支援をおこなう専門家のことです。具体的にどのような仕事をするのか、他の資格との違いは何なのかをみていきましょう。

キャリアコンサルタントの仕事

キャリアコンサルタントの主な仕事は、キャリアコンサルティングをおこなうことです。

キャリアコンサルティングでは、キャリアに関する悩みや困りごとの解決に向け、相談者の経験やスキル、価値観、興味などを考慮したうえで、適切なアドバイスや提案をします。

これから就職しようとする人や、働いている人のなかには、様々な悩みごとや困りごとを抱えているケースがあります。

  • どんな仕事が向いているのかわからない
  • プライベートと仕事を両立するにはどうしたらいいのか
  • スキルアップできる仕事がしたい

上記のような相談者の悩みや状況を正しく把握し、解決へ向けての手伝いをするのがキャリアコンサルティングです。

そしてキャリアコンサルタントは、キャリアコンサルティングをおこなうキャリアの専門家であるといえます。
 

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キャリアコンサルタントとキャリアコンサルティング技能士との違い

キャリアコンサルタントとキャリアコンサルティング技能士との違い
キャリアコンサルタント以外にも「キャリアコンサルティング技能士」という資格を聞いたことがあるかもしれません。

キャリアコンサルティング技能士は、中上級者向けの資格です。キャリアコンサルタントの資格取得後のステップアップとして、キャリアコンサルティング技能士の資格取得を目指す人もいます。

これからキャリアコンサルティングを仕事にしたいと考えている場合まずは、国家資格のキャリアコンサルタントを目指すのがよいでしょう。

資格の違いについては、こちらの記事で詳しく解説をしています。
 

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キャリアコンサルタントは名称独占資格

キャリアコンサルタントは、未経験者でも取得可能なキャリアコンサルティングに関する国家資格です。名称独占資格といって、キャリアコンサルタントの国家資格をもつ人だけが「キャリアコンサルタント」と名乗れる資格でもあります。

キャリアコンサルタントの国家資格をもっていなくても、キャリアコンサルティング業務に携わることは可能です。しかし、「キャリアコンサルタント」という名称や「キャリアコンサル」といった似た名称は使えません。「キャリアコンサルタント」と名乗って仕事をするのであれば、国家資格の取得は必須です。

キャリアコンサルタントが活躍する場

キャリアコンサルティングのスキルを活かすことで、様々なシーンでの活躍が期待できます。キャリアコンサルタントになって転職することを考えたときにも、活躍できる場が多いのは嬉しいですよね。

ここからは、キャリアコンサルタントが活躍する場についてみていきましょう。

企業や組織の人事部門

キャリアコンサルタントは、企業や組織の人事部門で活躍できます。採用活動だけでなく、従業員の意欲や能力を開発するための企画などにもキャリアコンサルティングの知識やスキルが役立つでしょう。

人事担当者にキャリアコンサルタントの資格取得を推奨している企業も多いため、あらかじめ取得しておくと転職に有利になることもあるでしょう。

高校・高専・短大・大学・専修学校など

学生時代の就職活動で、キャリアコンサルタントにお世話になったという方もいるでのはないでしょうか。

教育機関で活躍するキャリアコンサルタントは、生徒や学生にキャリアプランニングや自己分析の指導をしたり、面接やエントリーシート作成の支援をしたりすることができます。

次世代を担う就職未経験者への支援という点で、社会人へのキャリアコンサルティングとは違うやりがいが見いだせるかもしれません。

人材派遣や人材紹介会社・公的な就労支援機関など

キャリアコンサルタントなら、働きたい人と企業をスムーズにつなげる仕事もできます。

求人企業とのマッチングをおこなうには、求職者の能力や価値観、興味などを見極める能力が必要です。キャリアコンサルティングの知識やスキルが活かせる分野であり、人材派遣会社や人材紹介会社、ハローワークなどでも活躍が期待できます。

フリーランスとして

フリーランスのキャリアコンサルタントとして独立開業する働き方も可能です。企業などに雇用されるのではなく、業務を委託されるかたちでキャリアコンサルティングやセミナーなどをおこないます。

フリーランスのキャリアコンサルタントが活躍する場は、ひとつの企業やひとつの学校にかぎりません。様々なフィールドでキャリアコンサルタントとして活躍が可能です。
 
キャリアコンサルタントの働き方は、こちらの記事で詳しく解説をしています。ぜひ参考にしてみてください。
 

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こちらの記事は、大学でのキャリアコンサルタントの役割について解説をしています。
 

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キャリアコンサルタントの仕事はAIにとられない

現時点において、キャリアコンサルタントの仕事をAIにとられる心配はしなくてもよさそうです。なぜなら、言動の奥にある真意を汲み取る、空気を読む、といった非言語情報からの洞察や、相談者の複雑な感情を深く理解し、共感する能力はAIが苦手な分野だからです。

キャリアコンサルタントは、相談者の些細な表情や仕草、言葉の裏にある感情を読み取りながら、キャリアコンサルティングを進めていきます。これは、データや論理だけでは解決できない、人間同士の信頼関係と深い洞察力が求められる領域です。

むしろAIはキャリアコンサルタントの強力な『アシスタント』となり得ます。例えば、AIは大量の求人情報や業界データを分析し、最適な選択肢を提示することができます。また、履歴書の自動添削や、パーソナライズされた学習コンテンツの提案など、定型的な業務をAIに任せることで、キャリアコンサルタントは、より『人』にしかできない、深く寄り添うコンサルティングに集中できるでしょう。

人の表情や言葉の裏にある感情を読み取れるAIが開発されて実用化されないかぎり、そして人間ならではの共感と洞察が求められる限り、キャリアコンサルタントの仕事を担えるのは人間だけといえるでしょう。AI時代は、キャリアコンサルタントの『人間力』がさらに問われ、その価値が高まる時代でもあるのです。

働き方の多様化によって需要が増加

働き方改革により、働き方の多様化が進んできました。

たとえば、企業で働くにしても、正社員か非正規社員かといった違いにとどまらず、時短勤務、ジョブ型雇用、フルリモートなど様々な働き方があります。フリーランスとして、雇われずに働くという選択肢も珍しくありませんね。

それぞれの事情に合った働き方が選択できる世の中へ移行しつつあるなかで、働く人の悩みも多様化してくることでしょう。より自分らしく働くためにどうすればよいのか考える機会が増えることで、キャリアコンサルタントの需要も高まることが予想されます。

高齢者の就業が増えている

定年退職を迎えた後も働き続ける高齢者も多くいます。2020年の高齢者の就業者数は906万人と過去最多で、17年連続で前年よりも増加している状況です。今後も再就職を希望する高齢者は増えていくと考えられます。
参照)総務省統計局

体力の低下など高齢者の特性を考慮しつつ、長年の職務経験で培った能力が活かせるような支援ができるキャリアコンサルタントが求められるようになるでしょう。

未経験からキャリアコンサルタントになるには

キャリアコンサルティングに携わったことがない方でも、キャリアコンサルタントになることができます。キャリアコンサルタントになるまでの大まかな流れは、次のとおりです。

  • 受験資格を得る
  • 試験を受けて合格する
  • キャリアコンサルタント名簿に登録する

ここからは、未経験で受験資格を得る方法や、試験の概要について解説します。

未経験でも受験資格は得られる

キャリアコンサルタントの試験を受けるには、次のいずれかの条件を満たす必要があります。

  • 厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了する
  • キャリアコンサルティングの実務経験を3年以上積む
  • 技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験または実技試験に合格する

まったくの未経験からキャリアコンサルタントを目指すのであれば「1.厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了する」という方法が、もっとも近道です。受験資格についての詳細はこちらの記事が参考になります。

 

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厚生労働大臣が認定する講習を受けるには?

講習では150時間のカリキュラムを3~6カ月程度かけて学び、キャリアコンサルタントに必要な知識やスキルを身につけます。キャリアコンサルタントの受験資格を得るための講習は、様々なスクールがおこなっており、スクールの検索はこちらから可能です。

スクールによって、開講のスケジュールや、通学や通信といった学習方法が異なりますが、会社員として働いていてなかなか時間が取れない、家事や育児で忙しいという方でも、ライフスタイルに合ったスクールでキャリアコンサルタント資格の取得が目指せます。

キャリアコンサルタントの講習受講にかかる費用

講習受講には、スクールにもよりますが30万~50万円ほどの金額が必要です。

「高い」と感じるかもしれませんが、雇用保険に2年以上加入している方であれば、国から支給される給付金が利用できる場合もあります。受講料の最大80%を給付金でまかなうことができるため、経済的負担を減らせます。給付金について詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
 

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キャリアコンサルタントの試験概要

キャリアコンサルタントの試験は、キャリアコンサルティング協議会と日本キャリア開発協会という2つの団体で実施されています。学科試験は両団体とも共通していますが、実技試験は出題される内容がやや異なります。

キャリアコンサルタント試験の区分と内容

学科試験と実技面接試験があり、学科試験の約1週間後に実技面接試験が実施されます。
試験区分などの概要を次の表にまとめました。
キャリアコンサルタント試験の区分と内容
未経験の場合、実技試験に不安を感じるかもしれません。キャリアコンサルティングの経験がなくても、養成講習を受講することで実技試験にも対応できる知識とスキルが身につけられるため心配はいりません。
 

キャリアコンサルタント試験は年に3回

キャリアコンサルタント試験は年に3回

 
年度によって試験開催月がずれることはあるものの、キャリアコンサルタントの試験は3月(春)、7月(夏)、11月(秋)あたりに試験が実施されています。受験申請の受付期間は、試験日のおよそ3か月前からスタートします。試験の合格発表は、試験日の約1ヶ月後です。

こちらの記事では合格率から見る『キャリアコンサルタントの最新動向』を解説しています。
 

【合格率を3分で解説】国家資格キャリアコンサルタントの最新動向
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キャリアコンサルタントになるには名簿への登録が必要

キャリアコンサルタントと名乗って活動するためには、試験合格後にキャリアコンサルタント名簿に登録する必要があります。

国家資格キャリアコンサルタントWebサイト登録センターのマイページから申請した後、申請書類をセンターへ郵送します。その後、センターでの審査と手数料などの支払いを経て登録証が交付されます。

新規登録にかかる費用は次のとおりです。
キャリアコンサルタント新規登録にかかる費用
登録証は申請から2か月程度で自宅に届きます。
 

未経験者こそキャリアコンサルタントの資格を目指そう

講習を受けて、試験に合格して、登録もする…と思うと、大変に感じるかもしれません。

しかし、キャリアコンサルタントの資格を取ることで、キャリアコンサルティングに必要な知識やスキルを体系的に学べるメリットがあります。また、一定レベル以上の知識やスキルがあることの証明にもなるため、転職にも役立つでしょう。

資格を取得することで、未経験者がキャリアコンサルタントとして活躍するための第一歩となるはずです。

まとめ

キャリアコンサルタントは、キャリアについて悩む人の相談にのり、その人らしい働き方や生き方を実現するための支援をおこないます。

活躍できるフィールドが多く、今後も需要が見込まれるため、将来性のある仕事といえるでしょう。
未経験者であっても、講習を受けることで国家資格であるキャリアコンサルタントの受験資格が得られます。資格を取ることが、キャリアコンサルタントになるための第一歩だといえます。

キャリアコンサルティングを通して誰かをサポートしたい、国家資格を取って長く続けられる仕事がしたいという方は、ぜひキャリアコンサルタントを目指してみませんか?

Q&A

キャリアコンサルタントとはどんな仕事ですか?
キャリアコンサルタントは、相談者が自分らしい働き方を見つけられるよう、強みや価値観、抱える課題や希望を明確にし、適切なアドバイスやサポートを提供する専門家です。この仕事に就くには、国家資格であるキャリアコンサルタント試験に合格し、キャリアコンサルタント名簿に登録する必要があります。
未経験でもキャリアコンサルタントになれますか?
はい、未経験からでもキャリアコンサルタントを目指せます。厚生労働大臣が認定する養成講座を修了することで、国家試験の受験資格が得られます。これらの講座では、初心者の方でも必要な知識やスキルを効率的に習得できるよう工夫されており、通学や通信など多様な学習方法が選べるため、忙しい方でも無理なく合格を目指せるでしょう。
キャリアコンサルタントの需要は今後どうなりますか?
少子高齢化による労働力人口の変化や、テクノロジーの進化による仕事の変化が加速する中で、個々人がキャリアを主体的に設計し、変化に対応していくための専門家であるキャリアコンサルタントの役割は、ますます重要性を増していくでしょう。
キャリアコンサルタントはどのような場所で活躍できますか?
キャリアコンサルタントは多岐にわたる場所で活躍しています。例えば、企業の人事部門で採用や従業員の能力開発を支援したり、ハローワークなどの就労支援機関で求職者のサポートをしたりします。その他、高校や大学で学生の就職活動を支援する役割や、人材派遣会社で求職者と企業のマッチングを行うなど、様々なフィールドでその専門性が求められています。
キャリアコンサルタント資格の取得にかかる費用はどれくらいですか?
キャリアコンサルタント資格の取得費用は、主に養成講座の受講料と試験の受験料です。養成講座の受講料は、通学か通信か、またどのスクールを選ぶかによって幅がありますが、一般的には30万円〜40万円程度が目安です。これに、学科試験と実技試験の受験料がそれぞれかかります。一部の講座では、教育訓練給付制度の対象となる場合があり、条件を満たせば費用の補助を受けることも可能です。

Information

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